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レストランマジック:トリック選定10の基準(その2)

毎度おなじみ、レストランマジック研究所でございます。
前回に引き続き、トリックの選定に関しての基準です。

今回は2つ目ですね、2つ目ですが
2:不快感を与えないもの

これに関しては演じる場などの問題も含まれてきますので
実際には想像力が大事になったり、クライアントとの話し合いも
含まれるかもしれません。

比較的わかりやすいものとして、例えば虫などの絵やおもちゃ
などを使うトリックなどは不快に感じる人が多いと思います。
もちろん、そのように感情に訴えるので、リアクションは大きく
なるのですが諸刃の剣ってことです。

1990年代の前半位でしょうか「The Web」というトリックがありました。
いや、過去形ではなく、今でもあるとは思うのですが
あまり流通してない感じです。

これ、相手の手の甲にいつの間にか蜘蛛の形をしたおもちゃが出てくる
というものですが、もちろん人によっては悲鳴が上がります。
それをリアクションと言えばそうなのですが、決していいイメージを
持たれないタイプのリアクションです。

こうったものは、下手にレストランで行うと仕事を無くす場合もありうる
トリックになってきます。

もう劣化の如くレストランから怒られる可能性がありますし
お客さんからも怒られる可能性がありますので。

わざわざそんなリスクを冒す必要はないと思います。

ちなみになのですが、僕よりも上の先輩たちで(10個くらい年齢が上)
レストランとか出ていた人たちは、たぶんこのトリックをやっていて
お客さんがグラスを倒したり、ってことを体験したと思います(笑)。

他に不快感を感じるものとしては、まあ下ネタですね。
ただ、これは場合によってはウケるものではあります。

これもまた最近見かけなくなったのですが、日本だと
スポンジシンボルというものがあります。
男性器の形を模したスポンジなのですが、いわゆるお酒の場だと
ウケるものではあります。

基本的に女性に持たせた方がリアクションがあるとは思うのですが
もちろん、そういったことを毛嫌いする方もいらっしゃるものです。

また大事な点としては、演者の年齢などもあるかと思います。
あまり若い人がこれをするとか、または女性のマジシャンがこれを演じるとかだと、お客さんが引いてしまうというのがありえます。

お客さんからクレームにはなりませんが、その場が全然盛り上がらないという結果になるわけです。

また、衣装できれい目の流行のスーツとか来ているのに、こういったネタをしてしまうと、やっぱりドン引かれる可能性があります。

食事の場が楽しくなるためにいるのがレストランマジシャンなので、クレームにならないまでも、そのテーブルがウケないというのは避けるべきことでしょう。

他にも注意をして欲しいこととしては、ファイヤー系のものも注意です。
ファイヤーワレットを演じて色々とミスった、みたいなことは枚挙にいとまがないのですが、それだけではなくフラッシュ系のアイテムも注意する可能性があります。

至近距離で強い光や火を見るのを避けた方がいい方もいるわけです。
こういった刺激に対して、本能的に反応する可能性があり
そうなると、周りにも迷惑をかけてしまう可能性があるのです。

ですので、注意をするべきなのですが、これに関しては
しっかりと観客をして、対応をすることで避けられることが
大半だと思います。

快・不快というのは、極めて個人的な判断になりがちなものです。
だからこそ、相手をしっかりとみるという事は大事になります。

さらには、意外に人が不快に感じる要素の幅はあるというのも
理解しておいた方が良いでしょう。

個人的な経験になりますが、虫の絵の描かれているカードを
使ったトリックがありました。
それを演じたときに後輩から
「レストランなどでは演じられないですね」
と言われて、僕はそこまで嫌う人いるかね?と言ったのですが
今では理解ができます。
(つまりは、とてもできた後輩だという事です)

殺虫剤のスプレーに虫が書かれていて、それが嫌とか
小学生とかが使うノートの表紙に虫が写っていて、それが嫌とか
そういった人たちが割合が少ないとは言え、いるってことを
理解しておく必要があるってことです。

大きな音が出るようなギミック、周りの人に笑わられるような手順
そういったものも、場を読み人を読んで演じるようにしないと
あっという間にお店とお客さんに嫌われます。

自分のキャラクターや衣装とのバランスなどもまた
大切な要素になってきます。
ですので、これは時間と経験によって磨かれる部分でもあるかと
思います。

もし変な手ごたえがあったら、すぐに引くというのも大事なことなので
そういったセンサーも敏感にしてみてください。

さて、また1つ説明をしたら、かなり長くなったので
次の基準はまた次回に。

では!

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