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レストランマジック:トリック選定10の基準(その4)

毎度おなじみ、レストランマジック研究所です。

今回はトリック選定の基準、第4段目です。
だんだんとどういったものが現場で好まれるのか
どういったものを演じた方がいいのかが分かってきたと思います。

今回は素材の性質のような物であり、そしてプロフェッショナルとして
行動していくのでしたら避けて通れない部分になります。

では、第4段目の基準ですが
耐久性があり、高価ではないもの
という事です。

耐久性の部分ですが、例えばそれなりに繁盛しているレストランなどですと
1番で10テーブル以上回るなんてざらです。

以前に僕が入っていたレストランだと、複数階あったために
ずっと動き続けているみたいな感じで、20テーブルとか演じる
っていうこともありました。

1晩で4時間位マジックし続けていると、そりゃあモノが傷みます。
例えば、デック1つに関しても、1晩でダメになるって事も普通です。
もちろん最初から使いつぶすつもりで行くならいいのですが
意図してない傷み方になるのなら、それはプロフェッショナルとして
ちょっと道具の扱いが雑だと思います。

個人的には、カードにサインをさせることも少ないために
僕はデックの消費量が少ないです。
消費量が少ないのがいいのではなく、長く使っていても
デックに傷みが生じないのです。

これは適切にあつかっているから、という風に言えるかと思います。

なので、耐久性に関しては自身の扱いという部分にも関わってくるのですが
それはさておいても、すぐに壊れたり、すぐに交換しないといけない部品があるなどというものはお勧めできないという事です。

現場の過酷さを理解しているなら、まずは長持ちするものを利用しましょう。もちろん、ギャランティとの兼ね合いで、1回1回の消耗が激しい道具を使ってもいいのでしたら、それもアリかもしれません。

例えば、1回の演技で借りた1万円を破って復活するなんてことをするとして、1晩でそれを5回はやるとしたら、最低10万くらいのギャラがないと意味ないわけですよ。

その辺の収支を考えないでトリック選定するのもまた、プロフェッショナルとは言えなくなります。だって、プロはお金を稼ぐためにマジックするんですから。マイナスなんてダメですし、プラマイ0もダメです。

さて、ここから派生して、ある程度使えばそりゃあ傷みます。
その上で交換って必要になるのですが、その際に高価ではないという事です。

そういったことからも、トランプがちょうどいい感じの
道具にはなってきます。

通常のバイスクルが1デックで500円程度でしょうか。
そうなってくると、1晩で使い古したとしても、まあアリな金額ですよね。

僕はダッパーデックを使用することが多いのですが、価格的には
倍くらいになっていても、倍の時間使えるなら問題ないわけです。

先にもお伝えしたように、僕は通常よりも長く使える方なので
基本的に、ダッパーデックの価格は何らネックにならないのです。

他にも、やっぱり消耗品の事を考えてどれくらいの
コストがかかるのかを理解しておいた方が良いですね。

例えば、カードインワレットで、封筒に入れるとして
封筒1枚が数十円、カードが1枚10円程度となれば
1回の演技のコストがいくらと計算できるわけです。

これをできるだけ絞るというのではなく、どこまでかけられるのか
という事を意識して、自分の演じるトリックに対して
できるだけのインパクトを作り、見てくれた観客にお土産を
渡すことができる方が良いですよね。

ブランクカードにサインをしてもらって、それを1回1枚渡していくなら
1枚当たり20円くらいになるでしょうか。
このコストがギャランティに対して、どれくらいになるのかを
冷静に判断してみてください。

しょうじき、この程度のコストを利用することさえキツイギャラなら
少々ギャランティのレベルを考えた方がいいでしょうし
演じるネタの選定を再考しましょう。

耐久性がある物を使うトリックにするとか。

例えばリンキングリングなんて、イイですよね。
相当使ったって大丈夫です。

ただ、クロムメッキの場合には特定カ所に重点的に
当たりますのでそこから剥げるってこともあり得ます。

とはいえ、そこまで使いこむ人も少ないでしょう。
(まあ真面目にやっている人なら、数セットを持っていて普通かと(笑))

ただ、壊れてない、使える、からと言って汚いものを
使うのは避けましょう。
薄汚れたロープや擦り切れたパケットケースなど
正直みすぼらしいですよ。

僕はマジシャンとして、夢を売る商売、なんて思っていませんが
人前に立って演技するなら、きれいなものを使うというのは
プロフェッショナルとして普通なことだと思うので。

そりゃあね、街中華のお店で、お水のコップがぼろくなっている
っていうのは、価格を考えれば別に責める所ではないですが
マジシャンっていうのは非常に人件費がかかっているわけで。

それをきちんと「見られること」にも意識して使っていきましょう。

そういったことから、耐久性があって高価では無いもをつかい
いつでもきれいなものを使って手品をし、お客様への
おもてなしをして行きましょう。

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