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レストランマジック:トリック選定10の基準(その5)

さて、10個のうちの真ん中まで来ましたね。
レストランマジック研究所です。

リアルの現場でのマジックの基準がだんだんと
見えてきたと思います。

コンテストなどを目標にするのもいいのですが
そういった場とは全く目的が異なる場なので
同じ感覚でリアルの現場に出ると何らかの問題が
有形無形な形で起こりますので、ご注意ください。

その違いなどが分かってないマジシャンが現場に出ても
お客様から好まれないという事が起こるわけです。
どんなにすごいマジックが出来たとしても、どんなに美男美女でも
ビジネスベースの事柄が分かってないなら、そのあたりを
分かっている僕らのようなマジシャンを選ぶことになると思います。

理解しておけば終わる事柄ですので
とっとと学んでおいた方が良い事柄になります。

さて、第5弾目の注意点ですが
リセットの時間が必要ないか、すぐにできる事です。

大抵のカードマジックにおいて、セットはほとんど必要ありません。
だからカードマジックを演じることが多くなってくる部分もあります。

相手に言われたカードを密かにトップにコントロール
その程度で事足りてしまう、と言ったトリックが
多いと思います。

または、4枚のAをデックのトップにセットしておく
位でしょうか。

最近は、スペイン系の方々の影響などから
タマリッツスタックなど、スタックデックを利用する方も
多いかと思います。

以前だったら、現場でスタックデックを使うなんてできない!
なんてことを聞いたような気もしますが、だいぶ研究も進み
比較的カジュアルに演じられるトリックなどもあります。

単純にスタックデックを使うことが良くないとは思いません。
ポイントは「リセットに時間がかからない」という部分です。

いったん崩れたら、戻すまでに時間がかかるとか
何か演技した後にリセットに時間がかかるとか、それがダメなんです。
もしそこをクリアできるなら、どんどん使いましょう。
観客からしたら、デックがスタックしてあるなんて思ってないですから。

ただ、僕が知る限り、スタックデックをレギュラーデックと
同じくらいにカジュアルに扱っていたのは、ドイツのマジシャン
デニスベアーくらいで、逆にあのくらいの状態にならないと
現場でスタックデックを使うのは、大変だと思います。

正直言えば、最初は現場で問題なくマジックをして行くだけで
かなり大変なはずです。無理せず、レギュラーデックでいいでしょう。

そして、慣れてきたら、サイステビンスとか使ってみると
いいのかもしれません。
ちなみに、僕は今でもサイステビンスさえ使えません(笑)

リセットの部分に関して、大きなものを取り出すのは
よろしくないことになってしまうかもしれませんが、これもまた
リセットの簡便さとの兼ね合いになります。

僕自身はフレッドカップスの手順を基にした、根尾さんの
チャイニーズコインルーティーンを演じます。
マンモスコインまで出しますが、正直このコインのリセットは
一瞬です。

ポケットに入れるわけでは無く、ホルダーにセットしますが
それでも一瞬です。

むしろ、ジャンボコインとハンカチの部分の方が時間かかるかも(笑)。

ロープの手順も演技が終わったら、そのまま観客の前で
リセットしてしまいます。
かなり堂々と行いますが、そこを突っ込まれたことはありませんし
大丈夫な終わり方をしているつもりです。

少し個人的な話が過ぎたかもしれませんが
まずは、セットが大変ではないものを選ぶという事です
そしてリセットが大変では無いものを選ぶ。

そこから、自分の創意工夫でセットを簡便化したり
リセットを簡便化していくようにすればいいでしょう。

一晩に何卓も回らないといけないわけですし
1卓の時間も限られているので
無駄な時間を取らないようにすることは非常に大事です。

ネタ選定にこの視点を持っておきましょう。

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