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売上ルート拡大としてのデリバリーを成功させるには

0.はじめに

以前の記事(下記)で既存店の売上拡大施策としては、
・営業時間の延長
・あらたな売上ルートの構築
しかないといった話を書きましたが、今回は、『その新たな売上ルートの構築』としてのデリバリーについて詳細を記載していきたいと思います。

◎まとめ

・新たな売上ルートを考える

 イートイン以外の売上ルートは下記が考えられる。
 ・デリバリー(自社配送・他社配送)
 ・ネット通販(EC)
 ・催事場(イベント)販売
 ・移動車販売

 初期投資やノウハウの確立等のかかる費用や時間を考えると
 どの飲食店でも取り組めるものは、
 『デリバリーアプリ(UberEats等)』を使ったデリバリー
 

・デリバリーがうまくいかない理由

①デリバリーアプリ(UberEats)の仕組みを理解していない
②商品がデリバリーにカスタマイズされていない
③調理時間・調理に取り掛かるまでの時間が考えられていない

・デリバリーを成功させるためには

①デリバリーに最適な自社業態(商品)を開発する
②デリバリーに最適化された外部ブランド(ゴーストレストランFC)を導入する

1.新たな売上ルートを考える

既存の業態以外での新たな売上ルートを考えると下記のようなものがあります。
・デリバリー(3パターン)
・ネット通販(EC)
・催事場(イベント)販売
・移動車販売

それぞれについて
・新規設備費用
・新規人材採用
・業態・商品開発期間
・運営ノウハウの獲得

といった項目で評価すると下記のようになります。
店舗から見た際に容易なものを〇、ハードルが高いものを✕といった評価軸でつけています。

新たな売上ルート

こちらを見てもらうとデリバリー以外の所は、ほぼ検討にのせる事さえ難しいのが分かります。また、デリバリーの中でもデリバリーアプリを使ったモデルが取り組みやすいという事が分かります。

2.デリバリーがうまくいかない理由

 せっかく意を決してデリバリーに参入したのにもかかわらず、うまくいかないといった声をよく聞きます。恐らく、その大きな原因は以下の3つになるかと思います。

①デリバリーアプリ(UberEats)の仕組みを理解していない

 飲食店において売上において最も重要な要素は何でしょうか?
⇒間違いなく立地だと思います。よほどのブランド力がない限りお店を見つけてもらえなければ来店してもらう事はできないです。

それではデリバリーアプリでの立地にあたるものは何でしょうか?
⇒アプリ内での店舗表示がそれにあたります。さらにその表示が上位で表示されるほどいい立地という事ができます。
 ここは、ある意味ECに近いものでリスティングの広告をかけたり、店舗の評価、運営指標、メニュー構成、打ち出し等々が複雑に絡み合っています。ですから、その仕組みを理解しないでお店を運営していても中々上位表示がされるようにならないという事があります。

②商品がデリバリーにカスタマイズされていない

 商品をお客様が召し上がるのは、作成してから15分以上経つことが多いです。イートインの料理は調理後すぐにお客様のもとへ運べますがデリバリーはさらに時間がかかります。この時間での品質劣化をしないように商品をカスタマイズすることが必要です。
 もちろん、料理だけでなく包材においても同様の工夫が必要となります。

③調理時間・調理に取り掛かるまでの時間が考えられていない

 どんなに美味しい料理だったとしても調理時間がかかってしまうものは注文がされずらくなります。ほとんどの方がデリバリーアプリで注文するシーンはすぐに食べたいシーンです。仮に調理時間が15分、配達時間が20分だとすると最短でも35分かかります。恐らく配達員のマッチングまで考えると40~45分かかる可能性があります。という事は到着予測時間が45分後という事になり、ほとんどの方がその時点で注文をすることをやめてしまいます、 
(30分を越えると注文者が急激に減ります。)という事は、配達時間の短いところからしか注文が入らない=商圏が小さくなる=注文数が少ない になっていきます。
もちろん、これ以外に調理にとりかかるまでの時間が追加されますので、オーダーが入ってからすぐに作らず後まわしにしていると、さらに到着時間が遅れる=注文が入らなくなる といった事が起きます。

ほとんどのお店さんがイートインの延長でデリバリーに取り組むため上記の何かしらがうまくいかないといった事が起きています。

3.デリバリーを成功させるためには

デリバリー(UberEats)を成功させるためには大きくは2つの方向性があります。
①2.の項目をクリアするデリバリーに最適化した自社業態を開発する
②すでに2.の項目をクリアしている外部ブランド(ゴーストレストラン)を導入する

①デリバリーに最適な自社業態(商品)を開発する

 デメリットは 
 ・商品の開発の時間(コスト)がかかる
 ・1店舗の運営ではノウハウの蓄積も時間がかかる
 メリットは
 ・自社業態なので収益性は悪くないところです。

②デリバリーに最適化された外部ブランド(ゴーストレストランFC)を導入する

 デメリットは、
 ・ロイヤルティーがとられるため、収益性はお落ちる
 ・初期投資がかかる(5~50万円)
 メリットは
 ・業態開発コストの圧縮と開発期間の短縮
 ・運営ノウハウの取得ができる

おすすめなのは、最初はコストがかかるが既に商品・ノウハウのできている外部ブランドを導入する。そちらを運営しながらノウハウを学ぶ。その後に自社でデリバリー業態を開発する。といった流れが一番スムーズに行けるかと思います。

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