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ライオンが先か、卵が先か


「ライオンが先か、卵が先か?」

素晴らしい表現に出会いました。

よく聞くのは「鶏が先か、卵が先か?」ですね。
因果性のジレンマ。
哲学的な話です。
生物の起源、進化論や生物学てきな話でもあり、「答えが存在しない」問題の比喩としても使われます。

類語でいえば、「水掛け論」とか「堂々巡り」とかそんなとこでしょうか。


それが、この言葉ではニワトリではなく、ライオン。

一見それっぽい雰囲気の言葉に見えますが、よく考えればライオンは哺乳類。

卵を産まない。

「鶏が先か、卵が先か」を飛び越えて、答えがないどころかそもそもの問題設定が間違えてます。

「ライオンが先か、卵が先か」

賢ぶって最もらしいこと考えてるみたいやけど、そもそもおかしいで。と。

そんなこと考えるのは無意味。見当外れだ。と。

そんな意味でしょうか。

なんてオシャレな皮肉。
ワードセンスすご。知性溢れてる。

世の中でそんなこと結構ありますよねー。
心当たりいっぱい。

ぜひ使っていきたい表現。


「ライオンが先か卵が先かということを議論するようなものです」
「鶏が先か、卵が先かじゃないんですか」
「ライオンは卵から生まれないのに、何時間もそんな議論をすることは無意味だし、そこで出た結論なんて見当はずれだということです。最初から前提が間違っている」
辻村深月「ぼくのメジャースプーン」より



この言葉、こちらの小説の中で出会いましたー。
おすすめ。

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。(講談社文庫)


「書き終えるまで決めていたのはただ一つ、<逃げない>ということ。――私の自信作です」――辻村深月

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。
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