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夏イチゴ試験栽培2023 定植と4月生育

定植3月25日@伊東市大室高原までの課題調査

信州大の公開情報(栽培指標)および、長野県の夏イチゴ生産者の訪問で知り得たことに基づくと、夏イチゴの定植を始めるにあたり以下のことを課題調査することが必要となった。

課題① 培土購入・あく抜きに必要性の課題

著者は伊東市富戸で「紅ひっぺ」の生産を過去5年行って来たが、資材関係は、以前から栽培資材について指導を受けて来た袋井市に本社のある農業資材様(豊田肥料)から、いちご専用の培土を供給を受けていた。但し、同社が培土生産を行う需要と供給ピーク時期は、秋冬いちごの定植前であったため、今回に試験栽培の少量在庫がただちなく、別の購入先調査を実施した。

調査先は、韮山のJA, カインズホームセンター、その他、ネット通販であったが、問題は大半の培土にはすでに元肥が入っており、いちご生産者のEC値による精度の高い液肥濃度管理が出来ないこと、さらに、どのような肥料成分濃度比であることが不明のため、元肥が入っていない培土を調査の結果、カインズホームセンターで対応培土を見つけた。

培土の成分状況を理解するために、プランターに培土を入れ、大量の潅水(水道水)で廃液を収集、EC値を測定したところ、水道水のEC値と比較して30倍程度の値であった。 EC値が高い成分の理由は判別出来ないが、いちご苗の栽培に悪影響がある可能性もあるため、あく抜きのため、大量の潅水を培土に対して行い、当初の廃液値の10分の1以下のEC値となるまであく抜きを実施した。

尚、著者の高設ベットではあく抜きなしに定植を完了してしまったため、
10日後に、大量の潅水によりあく抜きを実施し、廃液のEC値がが妥当なところまで下がるまであく抜きした。

このあく抜き後とあく抜き前の間2日程度で、株が急速に草丈を大きくした
減少が見えたため、プランター栽培用の培土については、すべて、あく抜き潅水を実施することとした。 培土資材選定に関しては、信頼を置けるべき資材事業者との関係を維持しておくことが、農産品栽培には必須という事例と言えよう。

課題② 定植の株間はどの程度が最適か?

いちごの生産者にとって、定植時の苗の株間は、単位面積あたりの定植数、さらには、収穫量に大きな影響がある。 長野県の夏イチゴ生産者にお聞きした時は、冬春いちごの高設栽培の標準的は株間である20センチ+αではなく、25センチ、30センチといった冬春いちご生産者にとっては、かなり大きめの株間での作付けを行っていた。 夏イチゴなので、温度上昇と共に、株の徒長、または、暴れる(過剰の繁茂)の懸念をもったが、信大公開資料の中で20センチの記載を見つけたので、20センチ株間で定植を行った。

課題③ 定植後45日間の花房を摘除すべきか否か?


下図は、定植後18日後、4月11日(定植3月25日)の苗

定植後18日後(4-11)   花房出現なし


定植後18日後(4-11) 開花、着果済み


定植後18日(4-11) 開花、着果済み


定植後25日後

伊東市・伊豆高原の温暖な気候もあり、生育は旺盛であり、株の育成を優先して花房を定植後45日間は摘除とガイドラインはあったが、本試験栽培2023年では、4月時点で株が着果負担と株の成長の双方に堪え得る様子であったため、花房摘除はせず放任とした。

参考値として、栽培地に近いアメダス拠点(網代)の本年度、4月の最高気温平均20.6度、最低気温平均12.9度で、長野と比較して、最低気温平均が8度以上高く、伊東市・伊豆高原の温度環境下であることがその要因となろう。


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