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夏イチゴ試験栽培2024 栽培準備

いよいよ夏イチゴ試験栽培を開始します!

2024年の目標は、

① 4月3日に参加者一斉に定植を開始。
温暖な伊東の気候を生かして、スタートダッシュ、夏イチゴとして国内でも1か月以上早い初収穫を目指します。

② いちご農家と同じ栽培環境を先着5名に貸出
写真の「ハンモック型」高設ベットをDIYで準備しました。培土量、排水性能含めて、農業研究センター・農業資材事業者等が推奨の栽培環境です。昨年度に家庭菜園用に使った園芸プランターによる試験栽培も継続します。

③ 栽培環境の違いによる生育の比較を実施。
「ハンモック型」高設ベットと、園芸プランターの栽培環境の違いによるいちご生育の比較をします。高設ベットと園芸プランターの培土量はほぼ同じように設計調整してあります。

 いちご農家仕様の培土を取り寄せ。
静岡県のいちご最大産地である遠州(掛川、御前崎)のいちご農家が使っている培土を取り寄せます。ヤシガラ、バーク堆肥、鹿沼土等の成分がブレンドされており、排水性と保肥性を兼ね備えています。これにより培土中の窒素濃度を精密にコントロールが可能になります。 この培土には放線菌/バチルス菌/糸状菌等の代表的な土壌善玉菌が入っています。(自然農に通じる微生物活用農法)。

⑤ 3種類の栽培環境で試験栽培
2024年度は、簡易高設ベット栽培、プランター栽培、露地栽培の3つの方法で試験栽培に挑戦頂きます。露地栽培の結果が楽しみです。


栽培環境A 
 簡易「高設栽培システム」(長さ1m x 幅30cm) 
 夏イチゴ苗 8-10株の植付が可能(推奨株数は8株)

夏イチゴ産地の長野県生産者が導入している高設栽培システムの簡易版
(1株当たりの培土量等は同じ)。夏イチゴ試験栽培2023で、伊東市/伊豆高原での栽培にも適していることが確認されています。
今年度は、先着4-5名様まで、この簡易「高設栽培システム」を貸出します。  

高設ベットのスケルトン:22mの単管パイプ


プラスチック製ネットで強度を確保


不織布シートとして防草シートを使用。排水性を確保


4基分の簡易高設ベットを制作

簡易高設ベットの特徴

① 簡易高設ベットは、静岡のいちご産地で普及している高設ベットと培土量を同じにしています。

② 底部より排水が行われる「ハンモック型」高設ベットです。排水が気化する時の気化熱により培土の冷却効果が見込まれます。

③ 高設ベットの高さを50センチにしてあるのは、強風の際に高設ベットが倒れることを防ぐためです。 農家では通常1m前後に設定しているところが多いです。この高設ベットを連結したものが、いちごの生産者農家で使われている「ハンモック型」の高設ベットです。

培土を入れて完成

栽培環境 B
園芸プランター栽培
推奨植付株数 1プランターあたり2株


夏イチゴ試験栽培 2023で実績のある市販のプランター栽培用
左図は2株用: 株間 25 cm  
カインズ販売番号 クリーンプランター 550型 398円
仕様:55cm x 22.5cm 容積 11リットル 
(底石1.5リットル、培土10.5リットル程度)
6株植付の場合は同プランターが3個必要


発泡スチロール型高設ベット

いちご生産者では、産地地域により様々な種類の高設ベットが販売・導入されています。「ハンモック型」高設ベットと、上の写真の発泡スチロール型の高設ベットの両方共に、静岡県でも幅広く使われています。発泡スチロール型の特徴は、底が固定型であるため培土温度の温度を一定に保つことです。

2023年度は、大室高原の小型ビニールハウスで、「ハンモック型」高設ベットと、「発泡スチロール型」高設ベットをそれぞれ2.4m設置して、試験栽培を行いましたが、生育・収穫状況に顕著な(有意な)差はありませんでした。

2024年度は、屋外の家庭園芸でこの2つの方式の比較栽培が出来ればと期待しています。

露地栽培の試験栽培

施設園芸によるいちご栽培が普及して30年以上経過していますが、その歴史をたどると、

露地栽培: ビニールハウス被覆以前の屋外での栽培を「露地栽培」と言いますが、いちご施設園芸が普及する以前は、この屋外環境でいちごが栽培・収穫されていました。収穫期は5-6月。

ビニールハウス内の土耕栽培: 現在、高設ベット栽培システムの普及が進んでいますが、いちご生産者(観光農園含む)で、土に直植えの「土耕栽培」が継続されています。 高設ベットのメリットは、立ったままの作業が可能、培土の施肥濃度、微生物管理が精密に可能なことです。 土耕栽培は、農家によっては味がのって美味しいと言っている方もいらっしゃいますが根拠は示されていません。

夏イチゴ試験栽培2024では、参加者有志により「露地栽培」ビニール被覆無し、土に直植えの試験栽培を行います。 自然農法につながる土づくりが肝になると思われますが、どのような栽培結果となるか大変期待しています。



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