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IFS 内的家族システム療法について

IFSとはInternal Family System(内的家族システム)の略です。

IFSはリチャード・シュワルツ博士(Dick Schwartz Ph D)が体系立てた心理療法モデル。

IFSとは、私たちの中には、さまざまな副人格やパーツと呼ばれるものがいる、という考え方で、私たちが葛藤するのは、私たちの中に対立パーツがあるからだと考えます。多重人格とは違い、俯瞰している視点があります。この俯瞰している視点をセルフ(Self)と呼んでいます


IFSは、4つの考え方をかけ合わせたもの

・ 人には複数のマインド(思考、感情)がある
・ システムという考え方(関係、パターン)
・ セルフリーダーシップ(セルフの資質 8Cs)
・ 家族療法(世代間/対人関係)


パーツの言動 - どんなパーツも歓迎する

・ わたしたちの内的システムにいる異なるパーツには、
       複数の人のやり取りに似た言動、パーツ同士の連動、スタイルがある。
・ どのパーツも大切で、どのパーツにも良くしようとする意図と
     全体のためによい役割を演じたがっている。


セルフの資質(8Cs)

セルフのエネルギー(以下の状態)が全体の58%以上あればセルフとして対話できる
・ Calm 落ち着き 
・ Clarity 明晰さ
・ Curious 好奇心
・ Creative 創造的
・ Confident 信頼・自信
・ Courageous 勇気
・ Compassionate 思いやり・慈愛
・ Connectedness つながり


パーツの役割

パーツは、エグザイル、マネージャー、ファイアーファイターという3つに分類される

エグザイル:  過去に生じた痛みや恥を抱えている。見てほしい、
         聞いてほしい。プロテクターはエグザイルの苦悩が
         システム全体を乗っ取るのではないかと心配してる。
マネージャー: 日々を回している。防御的で、私たちがよく見えるよう
         にふるまう。
         出来事や対人関係によってエグザイルが活性化しない
         ようにコントロールする。
ファイアーファイター: プロテクターが止められず、エグザイルが
         出てくるとその痛み(火)を止めるために活性化する。


IFSモデルの土台となる前提

・ 内側の世界をシステムとしてみる - マインド(思考、感覚、感情
  など)が役割やパーツに分かれるのは自然なこと
・  誰もがセルフを持っていて、セルフはシステムのリーダー
・  どのパーツも公的的な意図があり、全体性を持っている
・  机上の空論ではなく経験に基づく
・ (セラピストは)クライアントの「セルフ」にアクセスし、セルフと
  ともに共同で作業する。内側の(パーツとの)関係によって癒しが
  起こる
・  セラピストの役割はファシリテーターでありガイド
・  システム理論
・ 「ジャッジのない内的探求をする」ために体系づけられた証拠に基づく
  モデル


IFSの目的

私の理解では、IFSのセッションを通してセルフとパーツ、パーツとパーツの間に信頼関係がはぐくまれ、セルフが全体を俯瞰して統括できる状態になることで自己統合自己一致が進み、それによりセルフとパーツが合意した意図や方向に向かってその人が全力で進めるようになる。それぞれのパーツの資質や言動のくせを知ることで、自分取扱説明書ができる。


IFSからみるセルフ・リーダーシップ

IFSでいうセルフ・リーダーシップとは、上のIFSの目的にも書いたとおり、セルフが全体を統括できる状態にすること。

そこから、私が考える大義のセルフ・リーダーシップとは、各構成メンバー(IFSではセルフとパーツ、普段の世界で言うと社会や集団を構成する一人一人)のそれぞれが大事にしていること、考え、言動などは異なるが、それをいったんテーブルの上に載せたうえで、セルフまたはセルフとパーツから見て、全体のシステムのために「いまここ」ではどういった言動をするのがいいのか、を自主/自律的かつ主体的に選択する、選択できる、選択し続けていくことを指す、という理解です。


このセルフ・リーダーシップに関係する記事をほかにも書いていますので、よかったら読んでみてください。

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