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人生塞翁が馬とNVC ゼロステップ①

この記事内のワークについて

ハワイ(マウイ)在住NVC認定トレーナーのJori & Jim Manskeご夫妻が「今、家に家族といる時間が増えたり、今年の始めあたりまでの日常とルーチンや気持ちが変わることで、不安になったり、どんな心持ちでいたらいいかわからない、という人が多いと思うので、毎週1回Open Hearted Practice Group(心を開く練習会=直訳は心が開いた状態での練習会、ですが内容的には心を開く、かな、と意訳)というのを無料でやります」とおっしゃって、3月末からアメリカ時間の月曜日、シドニー時間の火曜日に新しい講座が始まりました。(NVCとは: http://nvc-japan.net/nvc )


もともとオンラインでThe Taste of Compassion(思いやりを味わう=これも意訳)という講座(初心者からOK)をやっていたり、日本、中国、韓国(台湾もかな?)などの認定トレーナー候補生とのメンタリングコールというクラスをzoomで開催しているご夫妻なので、オンラインでも、そして初心者でもやりやすく、体感ができるワークを毎週提供してくれています。

私は、第4回目の4月21日から参加しています。

私がNVCのクラスの記事を書くのは、まず内容が本当によいのでいつもシェアしたくなるから。そして、これを読んで興味を持ってNVCのクラスを受講して欲しいから。英語だと受講が難しい、という場合は、NVC Academy (NVCアカデミー)に寄付をしてくださるのも嬉しいです。そうしたら、良質な講座が提供され続け、私も学びが継続できるから。

さらに、私がこうした記事を有料にしているのは、NVCアカデミーに直接寄付する人が少なくても、こうした記事に興味を持って読んでもらうと私が頂いたお金をNVC Academyの講座受講費に当てられる、そうすることでNVC Academyに還元できるからです。

NVCアカデミーへの寄付は、
① https://nvctraining.com/  ⇒ 
② About US ⇒ 
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④ Make One-time Contributionの下のプルダウンメニューの
【Choose Your One-time...】から
   イ)$25 One-time donation (下から2番め)
   または
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と寄付できます。
(私はすでにメンバーなので、見えている画面が違うかも知れません。
 もし、このやり方で寄付できないようであればこの文章の一番下に
 連絡先を入れておきますのでお問い合わせください)

さて、4月21日の流れとワーク、私の気づきはこんな感じ…

ゼロステップ(The Zero Step)であることをなんのためにするか

ゼロステップはあり方です。そのあり方でいると、自分と相手を大切にすること、つながりの質を高める、人生を豊かにすることに役立ちます。

(どういう意味?と思う人もいるかも?と思いつつ、ここを説明するには別記事が必要そうな気がするので、余力があれば書きます)

ゼロステップ(The Zero Step)とは

まず、Joriが塞翁が馬のストーリーを話しました。もうひとり中国人の参加者がチャットに「同じような塞翁が馬っていう話がある」と書き込んだので、だよね、と思った次第。

で、Joriが語った塞翁が馬のストーリーと『淮南子(えなんじ)』に乗っていた塞翁が馬の故事には、違いがあります。父親が言うセリフがJoriバージョンでは「どうだろうね(we'll see)」というものでした。

この話をした後、最初のブレークアウトに入って「今の話で思ったこと」を自分を含めた3~4人の参加者さんと話し合いました。おおかたは「どんな事が起こっても、それに解釈をせず、次にどんな事が起こっても受け入れるのはなかなか難しい。そうでありたいけど」で、私が「ネガティブな感情を持つよりは、落ち着いた状態のほうが望ましい気もするけど、喜怒哀楽を感じないのは物足りない気もする」と言ったら一様に「そうね~」となり、すこし考え込んだりしました。

さて、この日の学びはゼロステップ(The Zero Step)について。最近JoriとJimはゼロステップをあの手この手で伝えようとしてくれています。

ゼロステップ(The Zero Step)とは、NVCでいうOFNR(観察、感情、ニーズ、リクエスト)の4ステップの前の段階を指します。

つまり、相手とのつながろうとする前の段階。

これは「being NVC」という状態。これはJimによると、「私たちの本来の状態。集中かつオープンな状態(our natural state; alert and open)」。

ここで私の体験から強調して言っておくと、\                               /
 この状態(ゼロステップ)じゃないと、OFNRの”観察”ができません 
/                               \

JoriとJimはこのゼロステップ(The Zero Step)という考え方を2000年にMel Schneiderという人から教わったそうです。

さて、「塞翁が馬のストーリーとかけてNVCと解く、その心は?」とでも言うように始まったこの日のクラス、「we'll see(どうだろうね)」がゼロステップのめやすのようです。

じゃあそのゼロステップってどういう状態なの?というと、


~ゼロステップ~
【私たちの本来の状態。
 集中かつオープンな状態(our natural state; alert and open)】

・意図: 思いやりを相手に与え、受け取る関係のつながりを作る
・意識: 今現在(いまここ)
・状態: 結果に対して心を開いている、つまりどんな結果でも受け入れる

この状態があって初めてOFNRの4ステップに進める、のです。

ゼロステップの手前とゼロステップになるために出来ること

「う~ん、よくわからない。じゃあ、このゼロステップじゃないときとはどういう状態なの?」というと、


~ゼロステップの手前~
・ 相手に対する批判、ジャッジ(決めつけ)などがあるとき
・ 結果に対して「どうだろうね」と思えない時、noが受け入れられない時
    (どうしてもこうであって欲しい、など)
・ こんなこと言っても相手は受け入れてくれないんじゃないか、
  などくよくよ思う時
・ リクエストの言葉を声に出してみてしっくりこない時
などがあります。

こうして、観察してみても、感情やニーズにつながろうとしてみても、なんかしっくりこない、ゼロステップにいないな、と思ったら、解釈や思い込み、痛みや苦しみという自分が見ている視界のレンズの曇りとなっているので、それををとるために出来ることがいくつかあります。


~ゼロステップに向かうために出来ること~
・ ジャッジがある時には痛みがまだある。自己共感が必要
  痛みを感じきって、ニーズにつながる。聴いてもらうことも有効
・ 相手とのつながりのために出来ることはなにか?に目を向ける
・ なにが人生を豊かにするか?に目を向ける


ゼロステップとリクエスト

自己共感できていてニーズとつながっている(ゼロステップの要素)と、視界が変わり、自分のニーズを満たすだけでなく相手のニーズに好奇心を持って「あなたの状態はどう?あなたのニーズも聴かせて?」といえる状態になります。

相手とつながりたい、よい関係を作りたい、というポジティブな望みにつながり、それがニーズにもつながっていると、脳が活性化するため、自然とリクエストが生まれてきます。こうでありたいと思う状態に近づくためにいろんな手段を思いつきます。

ゼロステップで脳が関係性を育みたくなる
ニーズとつながると、それまで知的に理解しようとして左脳が活性化していたのが、右脳も活性化し、左脳も右脳も活性化する。そして、脳全体が活性化すると、人とつながりたい、関係性を育みたくなる脳になるそう。

そしてその手段が実行可能かどうかを知るために、自分にリクエストしたり相手にリクエストします。自分がしたリクエストが本当の意味でリクエストかどうか?はNVCではよく「noが受け入れられたらそれはリクエスト」とと言われています。

JoriとJimのクラスでは、「リクエストと呼ぶよりも、プロポーザルと呼びたい。結婚のプロポーズを考えてみて。結婚してくれる?ときくとき、もちろん”yes"と言って欲しいと思っているけれど、”無理強いさせよう”とは思わないよね?だからそんな気持ちで願いを口にできたら、それはリクエスト、プロポーザルだと言えるんじゃないかな」と言っていました。
提案であって、強要じゃない、ということ。

noを受け入れられるオープンハートな(結果にこだわらず)リクエストを思いつける状態、つまりゼロステップかどうかを確認する視点(レンズ)が4つあるそうです。オープンハートでこの視点が持てていたらゼロステップにいるということ。

ゼロステップの視点(レンズ)
1. いま実際に起っていることはなんだろう?
2. いまどんな感情が生じているのだろう?
3. いま誰がどんなニーズを大切にしたいと思っているのか?
4. いまそのニーズを大切にするために出来ることはあるか?

確認のためにゼロステップではない場合にしがちなこと、状態も記しておきます。

ゼロステップではない時に陥りやすい過去からの習慣的な行動
1. 評価と分析
2. つながりを断つ思考や道徳的判断(どっちが正しいか)
3. 反抗や依存的な愛着
4. 要求(強要)と期待

ゼロステップから来るリクエストは、お互いのため、つながりのためにするリクエストです。

ゼロステップからのリクエストではない場合は、相手がyesと言ったとしても、自分のニーズに本当の意味でつながっていないリクエストなので、関係性を損なうことにつながります(求めていたるものじゃないものを求めて手にしても嬉しくない。それが重なると関係がおかしくなる)。

自分がゼロステップにつながっていても、相手がnoと言いたい時にyesと言えば、やはり関係性を損ないます。

NVCでは「リクエスト」がかなりキモなので、これについてはまた別の機会に書きたいと思います。



その他つれづれなるままに…

being NVCについて
NVCでは、being NVCとdoing NVCという言葉で示される状態があって、being NVCは「NVCである」、doing NVCは「NVCをやっている」という状態。どちらがいい、というわけではなく、NVCを学ぶものとして、「あり方としてはbeing NVCでありたい、あること」を目指しています。


4ステッパーについて
クラスの中でJimが「マーシャルは、NVCのOFNRを技法的にやっている人を4ステッパー(4ステップをする人)と呼んでいたよ」と「OFNRをやることがNVCではない」ことを示唆していました。

さらにマーシャルは「NVCのエッセンスは5分もあれば学べる。構造や内容も時間をかければある程度会得できるだろう。そしてNVCを学ぶ、というのは一生学び続けることを指す」とも言っていたそうです。

私の経験

私がこのクラス内で「つながりを持ちたいと思っている相手との間でリクエストしたいことを練習してみよう」と言われて「誤解されている知人の誤解を解き、以前のような友好な関係に戻りたい」を題材にリクエストの言葉を推敲しました。

その時のOFNRは
O 「あなたがこういった時」
F  「私は驚き、傷ついた」
N   「あなたに理解してもらうことが大切だと思っている」
R 「私に、あなたに「私がこういった」と言った人との会話について
   話させて欲しい。聴いてくれますか?」

だったのですが、「リクエストは具体的にした方がいい」と他の参加者さんに言われて、参加者さんからの言葉の提案なども入れて、
R 「いま、5分くれないかしら?」ときいた後、それがyesだったら、
R 「あなたが人づてにきいた私の発言をきかせてくれる?」
というのを作文しました。

そうしたら、細部の言い回しを直されて何度も言っている間にだんだん胸のあたりがキュッと痛くなる感じがあり(実際には痛みはない)、息もしづらくなり、なんだかすごく違和感があって、リクエストの作文もしたくないし、台詞の練習もしたくなくなったのです。

そうして「これはなんだろう?おさまりのいい言葉を見つけて実際にその人に言ってみたいのに、なんだか夢の中で走ろうとしているようなもどかしさや進めない感じがある」と固まってしまったので、「なんか違和感があるので、私のはもういいから次の人のをやりましょう」と他の人のリクエストに移り、小グループの時間が終わって全体に戻りました。

そして、「なんでだろう、なんで言葉が出なくなっちゃったんだろう?」とずっと考えていたら、わかったんです。

私は、「誤解されているときづいてからいまでも、ずっと傷ついていたんだ」「誤った伝え方をした人にも驚いたけれど、それよりもその人の言葉を信じて私が本当にそういったのかを確認しなかったことに傷ついていたんだ」ということが、チクチク痛くて、まだゼロステップにいなかった。だから、OFNRがうまくいかなかった、ということに気づきました。

そして「うわ、このゼロステップは本当だ。ゼロステップにいないとOFNRできないんだ」と実感しました。

自分に痛みがある時には「私の痛みを取り除いて!私は辛い、わかってよ、なんでそうなの?!」とまだ相手を非難したり、自分の痛みのことしか考えられていない状態で、「相手とのつながりの質を高めたい」という状態ではありませんでした。そこから来る「リクエストの形に収めようとこね繰り返していた言葉」は、どんなに推敲しても「私のニーズを満たして!!」でしかなく、リクエストでもプロポーズでもありませんでした。

それに気づいて自己共感をしっかりしたら、「誤解した発言をそのまま取り込んだのにも理由があるかも知れない。また今度あった時に『私の悪口を言っている人がいるらしくて』と言って私の方をチラッと見たら『この前から気になっていたんだけど、私があなたの悪口をいったと思われている気がして、そのことが私とあなたの関係をギクシャクさせているような気がしてとても残念なのでできたらそのことについて話したいんだけど、今これについて話せるスペースあるかな?例えば5分くらいとか?」と訊いてみようと思ったら、スッと気持ちが落ち着いて、このリクエストを一生いうチャンスがなかったとしても、私は私がなにを言ったか知っているし、つながりたいと思ったら、勇気を出してこの言葉を言える、と知っているだけで今はいい、と思えるようになりました。

ゼロステップにいると、リクエストすらしなくていい、しなくても自分の気持が落ち着いて満たされた気分になる、というのは、ゼロステップになれたから感じられたことでした。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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