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SHAKE CIRCUSに見る一人一宇宙

新感覚のプロジェクト "即興芸術シアターSHAKE CIRCUS" の企画プロデュースで面白い発見があったので記事にしてみたいと思います。


SHAKE CIRCUSという新感覚の遊び場

SHAKE CIRCUSのコンセプトは"beingの躍動"です。大野幸子(通称ゆっこ)というアーティストの存在(being)そのものが躍動する様が、ただただ立ち現れるように工夫を凝らして創られたプロジェクトです。(この"工夫"については、膨大な会話を基に出来上がった、物理的な設定と心理的な設定が相まっています。ゆっこ自身がその織りなす様や変化を楽しんでいると聞かせてくれました。この実験的工夫については、また別の機会に書いてみたいと思います。)

場には振動数が存在します。と言うより、振動数が場をつくっています。場の振動数は、そこにいる人々、そこにある物たち、その場の空気と言うか、エネルギーで構成されています。目に見えても見えなくても、そこに存在する全てが場の構成員なので、 SHAKE CIRCUSでは、演者も観客も裏方も会場も天候でさえも”cast”として参加しています。

企画プロデューサーである私は、beingが立ち現れる場になるようグランドデザインしています。どんな振動数が立ち現れるかは、その日、その時にならないとわからないという仕掛けにしています。SHAKE CIRCUSのことを「予定不調和の調和」と的を射た言い方で表してくれた来場castがいました。

SHAKE CIRCUSでは、一つのテーマを決めて、そのテーマを心の中でイメージし、そのイメージを皆からゆっこに送ります。ゆっこは、送られたエネルギーをキャッチし、そこから得たインスピレーションで筆と戯れます。

面白いことに、毎回、驚くほど出来上がる絵の表情が全く異なります。当初、ゆっこは、似たような絵になってしまうのでは?と懸念していたけれど、何回やっても毎度違う絵になるのです。

毎度異なるエネルギーなのだから当然と言えば当然なのですが、ゆっこも私も、試行錯誤しながらの壮大な実験で、仮説が検証されていくのを目の当たりにし、核心に近づく手応えを深めていっています。

SHAKE CIRCUSに見た一人一宇宙

私が多用する言葉に「一人一宇宙」というのがあります。身の回りで起こっている事象は、何のジャッジもなく、ただ、立ち現れているだけなのですが、人は誰でも自分の尺度で物事を解釈します。もちろん私も漏れなくそうです。その尺度のことをメガネとかフィルターと言うことがあります。「一人一メガネ = 一人一宇宙」と言えるかもしれません。

SHAKE CIRCUSに感想を寄せてくれる来場castの一人一宇宙メガネが本当に面白くて。少し紹介させてください。

「ゆっこちゃんの第7チャクラ辺りに、みんなのエネルギーが届くのが見えた」というメガネの持ち主もいれば、「波動の送受信なんて不可能だよ。神経を集中してもらうための問いかけでしょう?5月の個展のときのライブアートの方が良かった。」というメガネの持ち主もいます。

即興は、目にみえるエビデンスがないので、「思いつきでテキトーにやれるよね」というメガネの人もいれば、「即興って、究極の自然体じゃないと成し得ないから、最も難易度高くて尊いよね」というメガネの人もいます。

ゆっこ親衛隊の中には「前のゆっこちゃんの方が良かった」というメガネの持ち主もいるし、「新生ゆっこさんがすごく輝いていて、すてきな変化が起きていると思います」というメガネの持ち主もいます。

ああ、なんて面白いんでしょう!!

ゆっこと私は、いろんなメガネの宇宙を見せてもらえて、とても興味深く受け取っているし、こんなにも反応してもらえるプロジェクトをやっていることが面白くて仕方がありません。

受け取るゆっこも私もまた、それぞれのメガネで、いろんな宇宙を見ているわけです。

何かを感じてくれただけでも嬉しいのに、感じたことを言葉にするという結構ハードル高いことをこうして届けてくれるご厚意にも感謝感謝です。

メガネの持ち主の共通項

最後に、SHAKE CIRCUSをこんな風に感じてくれたメガネの持ち主の方もいらっしゃいましたので、ここでご紹介させてください。

私にとっては、ここでご紹介するメガネの持ち主が、一様に、上昇気流に乗るようなイメージなのです。好意的に書いてくれていることに対する贔屓目からだけではない、何かの共通項がありそうです。

次の記事では、この上昇気流に乗るメガネの持ち主の共通項は一体何なのか?についての探究を書いてみたいと思います。

  • 作り込まれた世界観に没入した上で、その場の来場者の振動数を感じて作品になっていくSHAKE CIRCUSは、潜れる深さや体感として得られるものが大きく違うと感じました。

  • 自分だけでなく、他の方の振動数や周波数、在り方等も可視化されることで、このプロジェクトの面白さをより痛感できました。何が立ち現れるのか、想像できない展開がうまれていくのがわかるので、またリピートしたくなります。

  • 絵が生死だとしたら、ライブアートは人生。人間の命は、結果だけ見たら、生まれました、産みました、死にましたの3つに集約されると思います。人生を楽しむと思ったときに、この生・産・死という「結果」だけに着目することは、シンプルでなんだか寂しい。それ以外の「過程」を楽しんでいくのが、人生の醍醐味ではないでしょうか。そう考えると、絵は結果、ライブアートは過程。SHAKE CIRCUSで、作品が完成する「まで」を楽しむ時間は、そこにしかない快楽がありました。SHAKE CIRCUSの魅力はずばり、その快楽性。

  • 究極の生物(なまもの)。鮮度抜群でいただく贅沢。ライブであり、ジャズであり。目の前の絵だけではなく、今日起こった全てのことも、振動数の共鳴によるもの!?と、気づくおもしろさ。ご一緒したみなさんとジャズするたのしさ。

  • サーカスにはたくさんのプロによる仕掛けがあることを知りました。どれも素晴らしかった!立役者のみなさんのお仕事、見事な黒子の様。余計な気配も息もすっかり潜め、おかげで、参加中、自己の意識に集中・没入できました。素晴らしい空間をありがとうございました。