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自己管理能力の向上が、お金持ちへの道。

コンビニは世の中の写し鏡。

 「某労働金庫の口座を解約するのは何ヶ月か待ってほしい。精算金の振込がある。」そんなことを退職日に告げられ、地方移住前に面倒ごとを片付けたかった身としては、口座解約という余計なオプションを、チャチャっと済ませられないのが何より残念だった。

 組合のしがらみで作らされたが、ATM以外の手数料はネットバンクよりも高く、預金利率も低い。いくら非営利とはいえ、首都圏に実店舗を構えて、相応の従業員を雇っていれば、固定費は重くのしかかる訳で、構造上、ネット銀行よりも良いサービスが提供できる筈がない。

 そんな精算金が予想に反して、6桁円も振り込まれた。これを運用せずに寝かしておくのはもったいないため、ネット銀行に振り込もうと思ったが、思いのほか手数料が高かった。

 仕方なく一旦、振込無料特典のあるネット銀行から、千円未満の端数を振り込み、残高を千円単位に合わせてから、手数料の掛からない提携銀行ATMで、全額引き出そうと画策した。

 コンビニはチケットの発券と、コピー機を使うのに使うだけで、買い物をすることはない。あったとしても株主優待のQUOカードで身銭は切らない。

 2017年頃からポイントやキャッシュバックの観点で、キャッシュレス決済に移行して以来、ATMから現金を引き出す機会が年に1度あるかないか程度に激減し、久々のコンビニATM利用となった。

 取引上、致し方ないのかも知れないが、出金時の利用明細表は割愛できても、入金時の明細表は強制的に発行されてしまう。残高がガッツリ載っているため、家に帰ってシュレッダーに餌を与える面倒が増えた。

 そんなことを思いながら、ATM近くの本来は封筒が置いてあるはずの場所が、利用明細の屑物入れ化していた辺りに、居住地域の民度が窺えるが、それ以上に明細表の残高が軒並み4桁だったことが目についた。

 まだ中旬だ。大体の民間企業なら給料日は25日。役人なら15日だ。前者なら期間的にギリギリ理解の範疇だが、だとしても手持ちの現金が幾らかにもよるが、枯渇した瞬間に詰むレベルの預金残高ではある。

 コンビニを毎日利用する人からすれば、日々の変化など軽微なもので、何気ない日常風景なのかも知れないが、滅多に立ち寄らない身だからこそ、金融広報中央委員会の統計にある、20代単身者の保有資産額(中央値)8万円の現実を浮き彫りにするコンビニは、時代の潮流を感じさせる場所だとつくづく思う。

収納スペース削減で、強制的に整理する。

 家路に着くまでの間、自分とは残高の桁が3つも違う明細表の衝撃に、これまでの蓄財過程を振り返りながら、今や銀行口座の現金なんて、おまけみたいなもので、証券口座だと桁がもうひとつ違うのだけれども、異端なのは自分であって、ATMの封筒入れに捨てられていた明細が世の中の真理なんだよなぁ…と思いながら帰宅した。

 そして玄関に入ったと同時に、明細表をシュレッダーで処分した。ないと思いたいが空き巣は下見の際に、ゴミの中にあるレシートの時刻から、帰宅時間などを把握するらしく、セキュリティ面から個人が特定されそうな情報が印刷されている媒体はシュレッダーにかけている。

 6月と12月は配当金計算書が山のように郵送され、名前と住所だけでなく、株主番号、保有株数も記載されているため、おびただしい量の厚紙を切り刻んでは腱鞘炎一歩手前になるのが、半年毎の通過儀式である。

 そんな事情から、私は財布を玄関に置くようにしている。もちろん、宅配や郵便業者の目には届かない場所である。そうすることで帰宅して玄関から上がる前に、レシート類を処分できるため、次に財布を持ち歩く際に、余計なものは何ひとつ入っていない状態を維持できるからだ。

 貧乏人ほど財布がパンパンな豚財布、かつお札の向きもぐちゃぐちゃで、お金持ちほど意外にも最低限の現金しか持たず、それでいて向きも揃っており、カードも数枚しか入らない薄手の財布を、きれいに使っている印象が強い。両者に決定的な違いがあるとするなら、管理能力の差だろう。

 財布は所持金を整理する道具であって、お札とレシートでミルフィーユを作る道具ではない。その本質が分かっているお金持ちほど、買い物などで渡される余計なものを、一時保管することはあっても、異物に変わりないため、帰ったらしっかり整理する。だからこそ、財布の中に今いくら現金があるのか把握できる。

 私も高卒で社会に出たばかりの頃、慣れない泊まり勤務でのOJTと、教習所の掛け持ちによる忙しさにかまけて、収容力抜群の財布をブクブク太らせた過去があった。

 しかし、収容力の乏しいレザーウォレットを買ったことで、強制的にカード数枚+最低限の現金しか所持できない環境にしたことで、否応にもレシートを毎回取り出さざるを得ない状況に追い込み、お金周りの整理を習慣化した。

 Appleから純正のレザーウォレットが出ている時代のため、それとキーケース兼小銭入れがあれば、今更私と同じ構成にする必要はないとは思うが。

今必要か、必要ではないか。

 そんな経過から、iPhoneも入る財布を一度修理に出して今でも利用している。入るiPhoneが〜5s、SE(第1世代)前提のため、直近のモデルは12 mini、13 miniだけギリギリ入る。

 カードが5+1枚と紙幣、硬貨15枚(1円×4、5円、10円×4、50円、100円×4、500円の計999円分)、iPhoneがこれひとつにまとまる便利さを得るために、入れるカードは厳選している。

・キャッシュカード(VISAデビット機能付き)
・クレジットカード(上記理由からVISA以外の国際ブランド)
・免許証
・テレカ、QUOカード(薄手のため、合わせて厚手1枚相当)
・図書館利用カード

 上記が日常生活のスタメンで、カード1枚分の余裕があるのは、ApplePayのおかげで、+1の隠しポケットに入れていた、Suicaがモバイル化した恩恵である。

 ポイントカードの類も極力アプリで済ませ、株主優待券やサブカード含め、利用する用事がある時以外、家に常置している無印のパスポートケースに格納して必要な都度、中身を入れ替えている。

 旅行などでは図書館利用カードは不要となる代わりに、サブのクレカ(ラウンジ利用や乗車券・航空券の決済に使ったもの)や、優待券を入れる格好である。

 入れ替えるのは面倒ではあるものの、財布は常に必要なものしか入っておらず快適で、パスポートケースも入れ替えで頻繁に開けるため、暫く触っていないカードや券は副産物的に炙り出される。

 今の自分に必要でない何よりの証拠で、不要なものを解約するなど整理する。その過程で自己管理能力が高まり、財布やケースは徐々にスリムになる。

 そうなると自ずと家計管理が行き届く。毎日の小さなことの積み重ねが、お金持ち体質を定着させ、蓄財に一歩前進するのだろう。



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