見出し画像

表面だけ真似ると、本質を見失う。


クレカの不正利用被害に遭わないために。

 昨今、セキュリティを意識して、クレジットカードのナンバーレス化が進んでいる。それに伴い、これまでドン・キ○ーテの陳列並にゴチャついていたカードの表面は、カード番号を記載しなくなり、無印○品並みにシンプルなデザインに切り替える動きが加速している。

 手前味噌だが、私はクレジットカードが作れる年齢になってから、今に至るまで不正利用された試しがない。無論、運良くその手の被害に遭っていないだけの可能性も否めないが、一応は犯罪者になったつもりで、どうすれば他人のカードを利用できるか考えた上で対策を施し、不正利用のリスクを低減しているつもりである。

・カード会社の不正利用検知サービスは絶対利用。
・メインカードとサブカード以外は自宅保管。カードは出先の用途に応じて都度、柔軟に入れ替える。
・ApplePay>タッチ決済>IC決済>磁気カードの順で利用。やむを得ない場合を除き、カードを他人に渡さない。
・物理カードが必要な場合、セルフレジを積極利用し、カード番号が全部は見えないように決済。
・セルフがない場合は、店員さんに渡すギリギリまでカード番号が全部見えないよう配慮。暗証番号の入力を含め、決して見せびらかすような真似をしない。
・暗証番号は推測されない数字を設定(誕生年、誕生日、電話番号、車のナンバーは論外)
・家計簿アプリで利用履歴を紐付けして逐次確認するか、カード明細を毎月チェック。
・ATMは極力利用しない。(そもそもキャッシュレスで必要ないが…)
・利用頻度が少ないカードの利用限度額を10〜30万円に設定するか、思い切って解約する。
・極力ECサイトにはカードを登録しない。面倒でしかないが、毎回入力する煩わしさは衝動買いの抑止力にもなる。
・安易にカード登録・決済せず、詐欺ではないか、心の奥底で疑う。素性が怪しいショップは使わない。

 列挙してみたら、想像を遥かに超えて気を遣っているのと、こんな面倒くさいことを自然体で実行している、自身の抜かりなさにドン引きしたが、防犯意識は高いに越したことはない。

ナンバーレス風デザインクレカに物申す。

 その気になれば犯罪者に鞍替えできそうなレベルで、悪知恵には事欠かない変態目線だと、タッチ決済に対応したナンバーレスカードは、まさに革命レベルで画期的なクレカである。

 しかし、ナンバーレス風を装ったデザインで、裏面にカード情報を集約したクレカは、表面だけ真似して、安全性という本質を見失っていると考え、似たようなデザインでも評価は180度異なる。

 百歩譲って、スッキリしたカードフェイスが良い。時代に合っている意見は同意するものの、だからと言って、カード番号とセキュリティコードを裏面に併記しても良い理由にはならない。

 せめてナンバーレス化が難しく、カード番号を裏面に記載せざるを得ないのであれば、セキュリティコードを表面に出す形で、記載されている情報を表裏で分散するのが、あるべき姿ではないだろうか。

今、この瞬間にベストを尽くす。

 SDGs然り、世間を見渡すと「何のために」それをやる必要があるのかと言う視点が抜けていて、周囲がやっているからと、あまり深く考えずに表面上だけ合わせる猿真似をしては、別にやらなくても良いような本質的ではないことに、無駄にリソースを注ぎ込んでいるケースが散見される。

 これは企業に限らず、自分自身の人生にも同じことが言える訳で、「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」と言う、聞き覚えのある子供向けアニメのマーチに出てくる問いかけに対して、真正面から向き合って生きている人は少数派だと思う。

 ここで注意しなければならないのは、だから何事も目的意識は重要である〜的な、意識高い系自己啓発書の常套句に繋げたい意図はないと言うことだ。

 岡本太郎さんは、「人間本来の生き方は無目的、無条件であるべきだ。」と自著で記しており、私もそれに賛同する。私という個体が生まれたのは、自身の意思ではなく、親のエゴ以上でも以下でもないのだから、そもそも人生に目的がある方が不自然だろう。

 それでも、「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」の問いかけに対して、真正面から向き合うことの重要性を記したのは、それが、今、この瞬間にベストを尽くすために必要な問いかけではあるものの、学校教育と異なり、必ずしも答えを導かなければ機能しない性質の問いではないと考えるからだ。

 そもそも、人生に目的などないのだから、明確な目的意識を持たなければならない的な、先入観に基づいた命題の設定そのものが誤っており、就活生が、やりたいことが見つからないと悩んだところで、そんなものはあるわけないのだから、与えられた条件の中で、今を生きることにベストを尽くす他ない。

 無論、何がベストなのかは人それぞれ異なる。勉強ができる人なら、有名大学を出て、大企業に就くのがベストかも知れないが、非大卒とか、有名大学を出ていない人が、就職ランキングの上位企業に就こうと考えたところで、有名大学出身者と闘わなければならないのだから、分が悪いのは明白だろう。

 与えられたチャンスを最大限活かすことを、ベストを尽くすと捉えるならば、エリートが選ばないような、学力という物差しで比較されない道を選択した方がベストかも知れない。そうした視点抜きに、とりあえず大学は出た方が良い的な風潮は、本質的ではないと考える。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?