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クレカ使い分けの副産物。

王道なクレカ選定基準。

 クレジットカードの使い分けとして、国際ブランドを分散させる意図がある。持論ではJCBに加えて、VISAかMasterの2枚があれば、国内のキャッシュレス決済ならほとんど網羅できていると思っている。

 メインでJCBを選択するのは、日本人として自国の国際ブランドのものを選んだ方が、決済手数料が日本企業に落ちて、経済が国内で循環するからである。VISAやMasterで決済しても、決済手数料が米国企業に流れるだけで循環しない。

 一応、米国株式のインデックスファンドや個別銘柄で保有していれば、株主としてVISAやMasterの利益を享受できる部分があるため、価値観次第ではあるが、我々が日々クレジットで支払っているうちの一部が、手数料として国際ブランドの企業の利益に貢献している事実を踏まえた上で選択すると良いと思われる。

 アジアの島国でしかない日本企業のJCBが、世界5大ブランドと呼ばれる一角に、米国企業と肩を並べているのだから、クレジットカード界で健闘している部類だと、個人的には評価している。だからこそ、メインカードは例え対応店舗数が少なくとも、選択できるならJCBブランドにするよう心掛けている。

 とはいえ、いくらJCBを持ち上げたところで、決済で得られるポイントと、自身が消費者として利用するサービスとの親和性が高くなければ意味がないため、交通系はJCB、ECサイト系はMasterなど、必要に応じて使い分けている。

 これも、サービスによってポイント効率の良いクレジットカードが異なるため、極論はサービス毎に使い分けるのが最もお得感はある反面、私のような仙人紛いの低消費生活ではポイントが分散してしまい、ポイントが思うように貯まらない事態になりかねない。

 そのため、国際ブランドを分散させる意味で2枚は持ちたいものの、極力2枚に抑えたいのが本音だが、心なしか歳を重ねる毎に保有する枚数が増加している気がするが、早期退職で社会的信用が地に堕ちれば徐々に洗練されていくものと思われる。

一風変わった選定基準。

 そんなことを考えながら、Amazonがブラックフライデーセールのポイントアップキャンペーンにエントリーして、あえて最終日の12/1に注文した。

 これには合理的な理由がある。日頃から買おうか迷ったものは「あとで買う」にぶち込んで放置しておき、セールの時に値下げされた物だけを改めて欲しいか問いかけ、カートに入れた商品が1万円を超えた場合はポイントアップが成立するため注文。1万円に満たない場合は次回まで待つ。

 Amazonに限らずECサイトでの買い物はこれの繰り返しで、何かしらお得になるイベントが発生しなければ購買に至らない。だからこそ、遊休資産を現金化した範囲内で趣味の費用がやりくりできている訳である。

 そうやって得たポイントも、期限切れで失効させては企業の思うツボだから、付与されたタイミングで値下げされない中で欲しい商品や、それがなければ日用品の購入費に充てて即座に使い切り、溜め込んで無駄にするようなことはしない。

 なぜなら現金や有価証券なら利息や配当が貰えるが、ポイントを溜め込んでも勝手に増えてくれない上、有効期限まであるのだから現金は最後の最後。ポイント、株主優待券、商品券は優先的に使い切るのが賢明な判断である。

 みみっちいと思われるかも知れないが、そのチリツモと自己管理能力の高さが蓄財には欠かせない要素で、私は見栄や世間体を取り繕うことよりも、生涯お金に困らないことの方が優先度が高いだけの話である。

 そして、敢えて最終日である12/1に注文したのは、別に11/25から開催されていたセールの存在をすっかり忘れて、最終日に焦って駆け込み注文した訳ではなく、三井住友が発行するAmazon Mastercardが月末締めだったから、11月が終わるまで待っていたのである。

 JCBブランドは15日締め翌月10日払いで統一されているから、別の国際ブランドを選択するときは、月末締めのカードを選ぶ。それにより、ポイント付与率に差が出ないものを決済する際に2枚を使い分けることで、キャッシュフローが有利になると言うのが、私なりのサブカード選定基準となっている。

収入はなる早、支出は限界まで先延ばし。

 口座残高が心許ない時に支払いを先延ばしする時に、同様の手法を行う人はそれなりに居るのかも知れないが、金融広報中央委員会の統計上、保有資産額が20代の上位0.8%に位置するような、お金に困っていない人種の私が、わざわざ支払いを先延ばしにするのは、キャッシュフローの基本に則っているためである。

 1回払い、2回払い、ボーナス払いで支払う場合、手数料や利子を取られない。指定された期日までに銀行口座に残高を用意しておけば、タダで借入をしている状態に等しい。

 もちろん、支払いがチャラになる訳ではなく、買った分はしっかりと未来に支払う必要があるが、例えば100万円分の買い物を現金決済した場合と、ボーナス払いを選んだ場合で、前者は買ったものの対価として現金を引き渡すが、後者は与信枠のお陰で支払いが半年後にタダで先伸ばせる。

 つまり、買ったものは手元にあるが、100万円が手元にある状態が半年間あると言うことである。仮にこの間に配当利回り4%の日本株を100万円分保有して、元本割れしなければ、資産は102万円になっており、銀行口座に100万円戻しても手元に2万円が残る状態となる。

 とはいえ、あくまでも分かりやすい例として挙げただけで、元本割れする可能性もあることから、ツケ払いで支払いが猶予されたお金を、全力で運用することを推奨する意図はない。

 支払いを少しでも手数料や利子の掛からない範囲で先送りすると、微々たる額ではあるかも知れないが、理論上は金利分だけ得をするし、現金が残っている方がいざという時に身動きが取れるのは経営の基本で、それを家計に応用しているまでである。

 ブラックフライデーセールなら、11月に飛び付いて注文を入れると、12/25に代金が預金口座から引き落とされるが、12/1の注文は締め日が12月末のため、支払いは1/25と何も考えずに注文するよりも支払いが1ヶ月先延ばしできる。

 たかが1万円ちょっとの支払いに大袈裟と思うかも知れないが、1万円あれば1単元で+100円の買付余力になり、買い時を逃す機会損失を考えれば、多いに越したことはない。最近は疫病でめっきり無くなったが、手元に1万円残っていれば、旧友と飲みにいく時に金欠で断ることもなくなるだろう。

 収入はなるたけ早期に受領し、支出は無駄なコストが掛からない範囲で先延ばしすることで、手元に現金を残しておくと、お金がないことによる機会損失が少しは軽減できるかも知れない。


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