【直営店の改装】社員店長は他人事になりがち~改善編~


こちらは 【直営店の改装】社員店長は他人事になりがち~問題編~ の続きです。まだの方はぜひそちらから読んでね。


まずは店長とマンツーマン

私は、通常はマネージャーや営業部長を交えて行われる改装の打ち合わせの前に、店長とマンツーマンで話し合い、「非合理的でも、理想でも、アイデアだけでも良いから」と、とにかく店長の希望を聞き出しました。

まあ、その多くは「割とよくある案」「お客様ではなく自分ファーストな案」「過去に試してうまくいかなかったアイディア」だったりします。

でもそれは、経験の浅い店長はほぼその店しか知らないのだからしょうがない事。そして「それ」が分かっているから上長はあまり店長の希望を聞かないし、話し合いの場では、店長の案を潰しにかかってしまうのです。(たまに自分の意見を通して結果を出す店長もいます。そういう店長はすぐにマネージャーになっていきます‪w)

私はあえてそれらの(ありがちだったり突飛だったりの実現しにくい)案を受け容れたプランを作る事にしました。

そして、2案用意する

「希望を忠実に再現した案」と、「案の原型は残しつつ問題点を交通整理し、さらに高めた案」の2案を用意するようにしました。

知識と経験のあるマネージャーや営業部長と事前に打ち合わせをすれば、一案目の「希望を忠実に再現した案」はいらないんです。でも打ち合わせの場で店長の希望に対して口頭で「それは意味ないよね」「こうした方が良くない?」と経験豊かな人達で修正を加えて、「フー、有意義な打ち合わせが出来たな!」と思っていても、店長は「話がよくわからなかったな」「店が出来上がってから考えるか」となってしまっているんです。

上の流れからも分かると思いますが、上長を交えた打ち合わせは、ベストなお店を作るための最短ルートです。そして私がやっているのはピースの多いジグソーパズルのようなハードなルートです。

でも私としては、とにかく経験が不足している店長に練りきれてない自分のアイデアを反映した一案目を見てもらい。「あれ?通路狭いな。動線悪いな。こうなってしまうのか」という事を具体的に理解した上で、こちらで準備した二案目を見て「同じ目的でもアプローチを変えるとお客様にもスタッフにもメリットを生む方法があるんだな。」と言う練り込みの大事さを経験値として獲得していって欲しいのです。※本当なら希望どおりの店を作って、問題点も成功点も学びながら改善していけるのが育てると言う意味ではベストですよね。

まあ、そんなこんなで交通整理をしたとは言っても、多少偏ったプランが出来上がる訳ですから、マネージャーや営業部長にぶつければ、当然、色んな直しや変更を希望してきます。その時に私は現場目線で話し合いを進めていきます。上長の考察に納得のできる部分は修正しますが、極力、店長の希望が反映されるよう最大限の努力を払います。

例えば、全くひとつもアイデアが出てこない店長であれば、何か一つでも売りたい商材(サービス)を決めてアプローチする方法、意識してる事などを教えてもらいプランを作ります。

上でも書きましたが、自身の店しか知らない店長から出てくるアイデアはありふれたものばかりなので、聞けばすぐに「それはこうなってこうなるから上手くいかないんだよね」と否定しがち!(経験豊かな上長は部下へのマウンティングのチャンスとばかりにすぐこれをやっちゃう!)

でも、自分が考えたものが形になれば、結果がとても気になるもの。そうやって改装が自分事になり、数字を追いかけ、試行錯誤を繰り返し、失敗して売上が伸び悩んだとしても、今までは成功も失敗も他人事だった1人の店長の経験値と意識の変化は決してお店のブランディングのマイナスにはならないですよね。

私がやるべき事は、「お客様とスタッフにとってより良い空間を創る事」だけではなく、「自分の経験則を共有しながら、新しいモノを生み出し未来のブランドを創っていく人材を育てられるお店を創る事」だと思っています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?