期待を持って育成してはいけない

今日は「期待を持って育成してはいけない」というお話をしていきたいと思います。
新人の育成やお店のナンバー2の育成など内容は異なりますが、お店を営業していくのにあたってスタッフの成長は必要不可欠です。
例えば、新人が入ってきたらどれぐらい仕事ができるようになるのか期待しちゃいますし、仕事を一通りこなしてしまうスタッフには期待をして候補としてナンバー2に上がってしまう。
仕事をしていく中でやっぱりスタッフに期待というものはしてしまうものなんです。

ー期待と理想を履き違えているー
これは多くの人が勘違いしていて、勝手に相手に対して理想を押し付けているケースが多々あります。
期待していた新人だけど物覚えが悪く、仕事もあまり上手くできていないとか、ナンバー2に上げたいけど、期待通りのことをしてくれない。「あと一歩足りないんだよね。」などお店を運営していれば思い当たることがあるかと思います。

だけど、ちょっと待ってください！

これに近いことを頻繁に思っているようならあなたは人を育てるのに向いていないのかもしれません。
こんなことを常日頃思っていたらストレス過多になってしまって営業に支障が出るので、技術者に専念した方が心の衛生面でも良いかもしれないですね。
スタッフに対してこんな風に思ってしまうことこそが期待と理想を履き違えています。

「期待している」って何に期待しているのかというとあなたが理想としている成長をした相手のことなのです。
あなたの理想を相手に押し付けて、理想通りにならないから勝手に失望をしている。

なんとも自分勝手な育成だと思いませんか？

これは決して理想を持ちながら育成をしてはいけないということではなく、期待をしてはいけないというお話なのです。
期待とは相手の成長度合いにすることで、育成はあなた自身が行うことです。
理想通りに成長しなかった時に相手に失望するのではなく、ぜひ自分の教え方、指導内容に失望してください。
育成には万人受けするやり方など無く、あるのは多く見られる間違った育成、専門用語を専門用語で説明するわかりづらいものだけです。
そのわかりづらいものをいかに使わずに、相手に合わせて説明できるかが育成のコツで失望している暇があるなら、相手に伝わりやすいやり方を試行錯誤してトライアンドエラーを繰り返すのみです。

ー教えると話し合いー
この業種あるあるなのかもしれませんが、技術や接客が人よりもこなしていたらチャンスをもらいやすい傾向があります。しかしそれは技術や接客を教えればほとんどのスタッフがお客さんを満足させられるレベルにはなるのでそんなに重要ではないですよね。
ナンバー2を例に挙げると自分が休みの時に留守を任せられる安心感など内面的な方が大切で、これを教えることはとても難しいです。

内面的な問題にはこれという方程式がないので、その人その人で感じ方や考え方が違います。
なので内面的に成長させたい場合は個人面談がとても大切になってきます。
何をして欲しくて、何が足りないのか、あなたに頼りたいという気持ちを素直に伝えて話し合うしかないんです。

こういった話をせずに期待ばかり持って、勝手に失望しているようでは上司としては失格です。
理想はあくまであなたの理想なので、期待するだけ無駄です。
人の内面を育成したい時こそ、期待を持たずに時間をかけて何度も話し合うべきなんです。
ここを勘違いして、知識や情報を伝えて正解を教えることに時間をかけてもあなたが思うナンバー2には育たないでしょう。
内面的な成長は本人に気づいてもらうしかないです。

気づいてもらうには基本的に個人面談で話し合う必要があるので、人間関係をしっかりと築き上げるのも大切です。雑談も大事！
長期的な育成、指導になってしまうし内面的な成長なのでなかなか気づけない部分も多く大変かと思います。
他店への出向など環境を変えてあげたり、他店のスタッフからの意見などを参考にすると新たな発見があるかもしれません。
理想はあなた個人の主観です。
第三者も交えて育成、指導をしてみると、自分では気づけず想像以上に周りからの反応が良いぐらいナンバー2は成長しているかもしれませんよ。

育成は大変なことですが、その人の美容師人生にとても大切なことなので、理想を押し付けずに話合ってみてください。

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