【ざっくリサーチしき #32】 サンプリングに対するざっくり知識 3
リサーチの最重要ポイント「サンプリング」に関するざっくり知識 3
ビギナーの方々に、ざっくりとした知識をお届けするシリーズ の第32弾。
今回は、第31弾の続きです。
前回は、拘るべき対象者条件ついて、ざっくり解説をおこないました。
今回は、母集団と対象者を(ほぼ)同質な集団として扱って良いと判断するための「同割合にすべき主要な条件」について、解説していきます。
3つの主要な要素
前回のおさらいですが、リサーチをおこなう時には、全世界にいる人々の中から、自分たちが知りたい集団=「条件に合った母集団」を決め、そこからサンプリングを行なって、調査対象者を決め、その集団に対して、リサーチをおこなうことになります。
したがって、母集団と対象者を(ほぼ)同質な集団として扱って良いと判断するための「同割合にすべき主要な条件」をそろえておく必要があります。
そのとき、3つの要素を考慮する必要があります。
デモグラフィック属性
行動属性
心理属性
これらについては、以前、以下の記事で解説しました。
簡単に再度解説をすると、
デモグラフィック
・性別、年齢、職の有無、未既婚、子の有無、子の年齢、居住地など、本人にまつわる人口統計データ行動特徴
・生活習慣やその頻度・強度、購買行動や頻度、特定のブランドやサービスの利用の有無や頻度など、生活行動に関するデータ心理特徴
・価値観や信念、ブランドに対する好意度の有無や強さなど、人生や生活における心理的な特徴・傾向に関するデータ
ということになります。
自分たちが理解したい母集団は、この3つのいずれか、もしくは、全てにおいて、特徴がある人々になります。
なので、サンプリングしてくる調査対象者についても、「その特徴を同じように持った人々」である必要があります。
例えば、「若いビジネスパーソンに向けた仕事中にリフレッシュできる新しいタイプのチョコレート」があるとして、狙いたい母集団は「仕事中にチョコを食べることがある若いビジネスパーソンで、仕事中のストレスなどを適宜解消したい人々」になるでしょう。
この新しいチョコレートのコンセプト評価をしたい、ということであれば、この母集団の特徴を、3つの要素に分解して、
「デモグラ:20〜30代の男女・有職・未既婚問わず」
×
「行動:週1回以上はチョコを食べる かつ 自分でブランドを選定・購入している かつ 仕事中や休憩時間など勤務時間中にチョコを食べる」
×
「心理:好きなチョコブランド複数あり かつ 新ブランドなどへの興味あり かつ 業務時間中にストレスなどを感じることがあり解消したいと思っている」
といった形になるかと思います。
そして、この特徴に合う人々をサンプリングしてきます。
この時、重要なのは、「特徴だけでなく、割合も同じようにする」ということです。
前回の記事で書いたように、例えば、母集団おいて「女性:男性=8:2」なのに、サンプリングしてきた調査対象者では「女性:男性=5:5」となっていては、大きな問題です。
母集団と調査対象者の集団は、異なる集団になってしまいます。
したがって、各特徴やその強さといったことはもちろん、割合についても母集団と同じにしないといけません。
要は、「母集団を正確に圧縮する」という発想です。
調査のために使えるデータ量・質や費用などによって、N=100の時もあれば、N=10,000の時もあります。
しかし、どんな時でも、準備できるN数に合わせて母集団を圧縮することを実践しましょう。
当たり前のことなのですが、意外とこのあたりが徹底できていないリサーチも多く、その場合、「誰に、何を聞いてるんだろう?」ということになり、使えない調査結果になってしまいます。
では、主要な条件が揃っていると、母集団と対象者集団は、同質とみなしていいのでしょうか?
上で、「(ほぼ同質)」と書いたように、実は、もう1つ理解しておかないといけないことがあります。
次回は、「サンプリング誤差」について、お話ししていきたいと思います。
より詳細を知りたい方や、実際にリサーチを検討されている方で相談されたい方は、ぜひ、お気軽にお声かけください。
ご相談は、もちろん無料です!
本記事も読んでいただき、ありがとうございました。