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抽象と具体から見た仕事のセンスの良さ

仕事をしていると、「この人、すごいな」と思うことがよくあります。なぜ、そのように思うのか、抽象と具体のツリーを使って整理しました。


レベル1

具体的な課題に対して、方法を教えると対応できる人。数学に例えるなら、個々の問題の解き方を暗記できている人ですね。覚えたものと同じ問題であれば、間違うことなく解くことができます。しかし、似たような問題であっても、覚えていない問題はなぜか間違ってしまう。あるいは、解き方が思い浮かばない。

とても具体的なレベルで解き方を記憶しており、応用がきかない、というタイプになりますね。新しい分野であれば、誰もがここからスタートするのではないでしょうか。しかし、この段階にとどまってしまうと、出てきた課題の解法をすべて覚えないと仕事にはならないので、かなり厳しいことになってしまいます。

レベル2

公式や解法を教えると、具体的な課題にも対応できる人。これも数学に例えるなら、先生から公式や解法を教えてもらい、それを使いこなせるようになった人ですね。この人たちであれば、初めて見た問題でも公式や解法が適用できれば解くことができます。

ひとつ抽象度があがった公式や解法を教えてもらったことで、応用がきくようになったタイプです。教え方のうまい先生に習うと、すんなりとこの段階に到達するのではないでしょうか。

レベル3

いくつかの具体的な課題に対応していくと、公式や解法を自ら見つけて、類似の課題にも対応できるようになる人。数学だと先生に公式や解法を教えてもらえますが、仕事だとなかなかそのような機会は少ないのではないでしょうか。

例えば、営業でいろんな人に対応する経験を積むと、あるとき自分なりの営業スタイル、すなわち公式や解法が見えてくる。すると、その後はたいていのお客さんにうまく営業ができるようになる、という感じですね。

自ら公式や解法を見つける、というところがレベル2との違いです。

レベル4

少ない課題に対応しただけで、公式や解法の仮説を見出す。その後、検証や修正しながら、類似の課題にもうまく対応していく人。レベル3では、たくさんの具体例を経験する必要がありましたが、レベル4では具体例が少なくても解法の仮説を見つけられる、というところが違いになります。いわゆるセンスが良い人、仕事の勘が良い人がレベル4になりますね。

他の分野ですでに経験をたくさん積んでおり、そこでの学びがある人も多くいますね。その学びを活かしているので、新しい分野でも少ない経験で公式や解法を見出すことができている、というわけです。

ただし、少ない課題から導き出した仮説なので、その後も課題に対応し、検証・修正しながら解法を磨き上げていくプロセスが続きます。

また、複雑なひとつの課題をじっくりと取り組むことで、複数の公式や解法を一度に身に着けるという人もいますね。数学であれば、難問にじっくりと取り組み、一度に複数の解法を身に着け、使いこなせるようになるタイプの人です。

レベル5

高い構想力を活かして、公式や解法のほうを先に見つけることができる人。数は少ないとは思いますが、いわゆるビジョナリーな人たちになります。他の人には見えない何かかが見える人たちですね。うまく説明できないけれど、こうやればうまく、と言い出すタイプです。

この人たちには、逆の悩みもあります。自分たちには見えている世界ですが、具体的な事象とのつながりが少ないため、他の人からは理解がされにくい点です。


レベル4あたりの人に出会うと、「この人、すごいな」「センスがいいな」と思いましたね。レベル5は、お会いする機会は少なかったかもしれませんね。

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