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光る宇宙

 先週あたりから見始めていたファーストガンダムをさっき見終えた。衝撃的に面白かったため、43話もある本編を一気に駆け抜けてしまった。

 私のガンダム遍歴に関しては以下を。

 もうこの作品は40年以上昔の作品、アニメ界においての古典と呼んでも良いほどに古い作品だが、技術もノウハウも進化した現代の作品に全く劣っていない。

 オタクを名乗るなら、やっぱ知ったかぶりはダメだなあと改めて思った。「〇〇がなければ即死だった」とか「圧倒的じゃないか、我が軍は」とか昔使ってたが、ガンダム由来だとは知らなかったよ。不意に出てきてびっくりしたわ🫢

 というかさあ

 毎回毎回名セリフが生まれるから全然ダレないんだ、恐ろしいよ。なぜここまでポンポンと名台詞が生まれるかと言えば、人間ドラマの厚みが凄まじいからだ。

 戦争のリアリティが其処彼処に描かれている。良くも悪くもおもちゃみたいなロボ同士がガッチャンガッチャンバトルしている絵面なのに!?

 なぜここまで非現実的なビジュアルなのに登場人物たちからはリアリティを感じるのだろうか。特にアムロたちの敵であるジオン兵からはそれを感じる。第8話なんて素晴らしいよ。戦場で敵同士であっても人の情はあるし、母子には幸せになってほしい、無事でいてほしいという願いは失われないのだと思う。

 そして食糧や避難民の描写もリアリティがある。よくネタとして語り草になっている「塩が足りない」事件も、物語の解像度の向上に大いに貢献している。宇宙を飛び回ってビームをブッ放す宇宙戦艦に乗るクルーが塩がなくてピンチに陥るんだぜ!?

 また、物語の大枠は”地球連邦軍vsジオン公国軍”のシンプルな構図だが、それぞれの組織は一枚岩ではないため、組織内での水面下の駆け引きも非常に面白い。

 なし崩し的にホワイトベースの乗組員になったアムロをはじめとした主人公たちは元はと言えば民間人だ。それが生き残るために戦い、戦果を上げたが故に、軍人として組織に取り込まれてしまう葛藤、暫定艦長であるブライトさんと地球連邦軍トップ層との摩擦。兵士として成長するアムロと地に足についた少女であるフラウボゥとのすれ違い。

 ジオン軍に目を向けても、軍を支配するザビ家では内ゲバが頻発しており表向きはトップに立っているギレンの周りには、成り代わろうと下剋上を企む兄弟姉妹たちがにらみをきかせている。特に面白いのはまっすぐで人望があるものから散っていくところだ。イケメンで士官学校でも優秀なガルマは序盤で退場するし、器が大きく男らしいドズルも壮絶な死を遂げる。素直なものたちが狡猾なヤツらの腹芸の犠牲になっていくリアリティ。本当にキッズ向けだったのかよ!?

 そしてなにより、1番語りたいのはシャリア・ブルだよ!!

 俺の推しキャラはダントツでこいつだ!(セイラさんを除く)、この男がかなり印象に残った。

 サブタイトルをズラーっと並べると一際目立つ「39話 ニュータイプ、シャリア・ブル」どんなすげえやつかいやでも期待しちゃうじゃん。

 ……

 ……ああ、うん。

 😓

 でも短い出番ながらかなり印象的な活躍をしていると思うんだよね。ギレンとキシリアの関係性の提示、オールレンジ攻撃の脅威など、後の展開に生きる前フリを担う男だ。本人も狡猾そうなヒゲ面だがかなり人が良い好青年だ。

 え? 青年?

 おっさんじゃなくて?

 ああ、うん。

 この男、28歳らしい。

 俺と同い年!?

 28歳って本来の視聴ターゲットの子どもの目からこんなふうに見えるの???

 確かに!!幼稚園児の時に、中学生なんておっさんに見えたわ。そんなもんだよね。

 俺は泣いた。

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