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【告知】百合映画のガイド本&百合論が出るよ(そしてレトリカ5へ)

謎に忙殺されていて、首が回らず、このアラサー女部の交換日記を全然更新できていなかった。
今日もあんまり「交換」でも「日記」でもなくて、ほぼ告知記事になってしまうのだけど、アラサー女部の仲間と一緒にやっている物事の告知をするので、許してほしい。

まずは、私が書いた「百合」関連の文章が載った本が2つ世に出ますよという話。
(「百合」という言葉に耳馴染みがない方に向けて。「百合」の定義はいつも問題になるのですが、おおむね、女性同士の恋愛や、明確な恋愛関係ではなくとも女性同士の親密な関係性や特別な関係性を描いた作品全般と思っていただけたらよいかと思います)

『「百合映画」完全ガイド』(星海社新書)

6月27日発売。表紙は『青い花』などの百合漫画で有名な志村貴子さんによる書き下ろしです。

「古今東西の『百合映画』300本。あなたはすべて、観尽くせるか?」ということで、なんと300本超の百合映画のレビューが掲載されています。
情報解禁されてからTwitterで検索していると、「百合映画って300本もあるの?」というお声が結構あったのですが、実は私たちがこの本を作るために最初に百合映画をリストアップした時は、もっとずっとたくさんありました
映像がソフト化されておらず入手困難で視聴できなくて載せられなかったものや、校了に間に合わず原稿を書いたけど掲載できなかったものもあります(後者は本が発売されたらnoteで原稿公開しようかななんて思ってます、もったいないので…)。

また、「『百合映画』の判断基準は?」「この作品は入っているか気になる」といったお声もありました。
このあたりのスタンスは、共著者の方が執筆した本書の「序文」で明確にされていますので、気になる方はぜひ読んでいただければと思います。
簡単に言えば、星海社の紹介文にもあるように「取り扱う作品は、“王道の百合”や誰もが知る定番から、埋もれた名作、いっけん百合とは思われないだろうものまで多岐にわたる」ということで、映像の中で少しでも女と女の関係性が描かれる瞬間がある作品を一度すべて「百合」とみなして受容し、そこに受容者が何を"見た"かをレビューとして書き込むことで、ともすればやや硬直しがちな「百合」のイメージを拡張し多様にすることを目指している…と私は捉えています。

私は主にアニメ映画のレビューの一部を担当しました。
私の普段のツイートを読んでくださってる方にはきっとどの作品を担当したかすぐわかるだろうというぐらい、個人的な趣味がそのまま反映されているラインナップです。
逆に言うと、私が観て「良いな」と思った作品しか私の担当作としては載っておりませんので、その点はぜひ安心してお読みください。

Amazonでは予約が開始されています。このような情勢でもありますので、確実に手に入れるにはぜひ以下からご予約いただけたらと思います…!
https://www.amazon.co.jp/dp/4065201799/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_RxU2EbNVJAZ4N

レロ/中村香住「誰が「百合」を書き、読むのか」『海響一号 大恋愛』(海響舎)

アラサー女部の一員でもあり、昨年『かわいいウルフ』というヴァージニア・ウルフの魅力を新たな観点から特集する文芸同人誌をお作りになって話題にもなった小澤みゆきさん(@miyayuki7)が、個人で発行・編集するインディペンデント文芸誌『海響一号 大恋愛』に、百合論を寄稿しました。
6月15日頃見本出来、6月25日頃から書店で発売開始とのことです。

タイトルは「誰が「百合」を書き、読むのか」

今の日本において、「百合」ジャンルを愛好する主体として誰が想定されているのか、逆に誰があまり想定されていないように思えるのかという話をしています。
もう少し踏み込んで言えば、近年の、「百合」を新しく興隆してきた商業ジャンルとして一般に広く紹介するような流れの中で、ともすれば見えなくされてしまっているようにも思える、でも本当はずっと昔から百合を愛好し百合ジャンルの歴史を作ってきた「私たち」のことをどうか忘れないでね!という話です。
あまり書くと完全にネタバレになってしまうのでこれ以上内容に言及するのは控えますが、私のことを知っている方はきっとここで言う「私たち」がどんな人たちのことを指すのか、なんとなく想像がつくのではないかと思います。もちろん、ジェンダーとセクシュアリティに関わることです。
百合を愛するすべての方に読んでいただきたい原稿です。それから、百合のことをあまりよく知らない方や、百合って誰が好んでるんだろう?と思っている方にも。

あと実は、おまけZINEページ「おすすめ〈大恋愛〉映像作品」にも参加させてもらっています。
「好意の段違い平行棒〈百合〉」と題して、とある百合映画を私のぐちゃぐちゃな感想とともに紹介しています。『「百合映画」完全ガイド』のほうでは担当していない作品ですので、ぜひお読みいただけたら嬉しいです。

こちらの本ですが、大船のポルベニールブックストアさんのオンラインショップにて、世界最速で予約が始まったそうです。
今回小澤さんは自前での通販やAmazonへの出品を行わず、リアル書店と書店のウェブサイトのみでの販売を予定されているそうなので、確実に手に入れたい方はぜひ予約をしていただけたらと思います。

レトリカ5始動

最後に、@miyayuki7の前回の日記と被ってしまいますが、私からも、『レトリカ5』始動のお知らせをしたいと思います。

私もちょっぴり関わっている同人集団・Rhetorica(レトリカ)が、2年ぶりの新刊づくりにむけて動き始めました。レトリカには@seshiapple、@matsutom0、@tomohta、@rero70などアラサー女部のメンバーもたくさん参加しています。

都市やデザイン、ゲーム、音楽など、領域に囚われずインディペンデントな文化と集団をたくさん取り上げる、楽しい本になると思います。

- 大恋愛入稿、イベント、そしてレトリカ5へ(最後が重要)|miyayuki7 #note #いま私にできること https://note.com/miyayuki7/n/n2496686a5175

Rhetorica(レトリカ)は私の大学時代の友人たちが中心となって活動している同人集団です。
私との関わりで言うと、2016年にレトリカが刊行した『Rhetorica #03 』に、レロ名義で「異国のミニチュアとしての東京ディズニーシー」という文章を寄稿しました。
以下のレトリカWebサイトから全文を読めるので、まだ読んでいない方はぜひ。私がディズニーテーマパーク(特に東京ディズニーシー)においてどのように知的探究を行ってきたのかが鮮明に書かれています。

今年発売される予定の2年ぶりの新刊では、私も企画から結構がっつり参加させてもらう予定です。
今回は、インディペンデントな「文化と集団」にフォーカスする予定で、すでに面白そうな企画案もいろいろと出てきています。

そんなレトリカ5に興味を持ってくださった方は、ぜひ下記の@seshiappleのツイートをふぁぼってください! 印刷部数に関係してくるとのことです。
よろしくお願いします。


レロ/中村香住

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