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耐震補強材_エイムかべつよし編

リライズでは、いくつかの耐震補強の方法があるのですが、
その中でエイム㈱の「かべつよし」についてお話します。

壁を強くする耐震補強材で「かべつよし」というのですが、
名前は微妙ですが、安心して下さい。
しっかりとした耐震補強材です。

「かべつよし」は2種類あります。
「MDFかべつよし」と「モイスかべつよし」です。
それぞれの詳細は、またいつかの機会でお話しますが、
今回は「かべつよし」全般のお話をしていきます。

キットになっており、2つの段ボールで搬入されます。
面材が入った1m×1m×10cm程度の箱と
組立部材や金物が入った20cm×20cm×1m程度の箱です。

かべつよし001

筋かいなどと同じように柱と柱の間に設置し
壁の強度をアップさせる耐震補強材です。
最大の特徴は、床と天井を壊さなくても設置できる点です。

壁の耐震補強は床下の土台から天井上の梁までを補強するため
通常は、床と天井を捲る必要があります。
その為、床と天井を同時に工事しなければならないため、
工事範囲が広がり費用面でもかさみますし、
住みながらの工事の場合は、生活スペースも圧迫されます。

耐震壁_通常001

その点、この「かべつよし」ですと
床や天井を壊さなくても壁のみで施工できるため、
短時間でかつ省スペースでも施工が可能です。

かべつよし002

正直、費用面では劇的に安くなるわけではないのですが…。
製品自体がそれほど安いわけではありませんので。

他にも利点はあり、強度が高い点です。

少し専門的な話になってしまいますが、
耐震リフォームで壁強度は壁基準耐力[kN/m]を使用します。
よく新築使用する〇倍と表現してい方がいらっしゃいますが、
リフォームの場合は少し違いますので、壁基準耐力でお話します。

キロニュートン/メートル
1mあたり何kNの力に耐えれるかという事です。
kNの単位に馴染みがあまりないと思うのですが、
1kNは102kg重…どっちにしてもあまりピンとこないと思いますが
1kNは102kg持ったときに下向きにかかる力って感じです。

では一般的によく知られている耐震補強材である
筋かいの強度はどれくらいなのでしょうか?
部材の大きさと金物の有無により強度は変わります。

例えば、よく問題になる旧耐震基準で建てられたお家、
1981(昭和56)年5月以前に建てられたお家の場合です。

一般的に使用されている筋かいは
30㎜×90㎜で金物なしのくぎ打ち仕様です。
この筋かいの場合の強度は、1.9kN/mとなります。

最近の新築に使用している筋交いの場合の強度はどれくらいか?
部材の大きさは45㎜×90㎜以上が一般的です。
また必ず専用の金物を使用しますので強度は、3.2kN/mです。

表現としては「この壁は筋かいが入っている」になるのですが
実際の強度は倍程違いますね。

またこれは、片筋かい(シングル)の場合です。
バッテンになっているたすき掛け(ダブル)の場合は
×2となりますので、最近の場合は、6.4kN/mとなります。

もう一つ、構造用合板を貼り付ける場合はどうでしょうか?
7.5㎜以上の厚みで指定の釘、ピッチで四周打っている場合です。
強度は、5.2kN/mです。
片筋かいよりはだいぶ強度が高いですね。
とはいえ、たすき掛けよりは劣りますが
構造用合板も両面に貼れば、10.4kN/mですので、
こちらの方が強度は高いと言えます。

では本題です。
「かべつよし」の強度はどれくらいなのでしょうか?
もちろん、設置状況や種類・金物により違いはあるのですが、
「MDFかべつよし」で7.1kN/m、
「モイスかべつよし」で6.8kN/mです。
上記の筋かいや構造用合板より強度は高くなっています。

残念ながら、両面施工の仕様はありませんが、
「かべつよし」の背面側に構造用合板を施工することはできますので
7.1kN/m + 5.2kN/m = 12.3kN/m は可能です。
注)リライズでは、バランスを重視していますので、
 1壁で強度を上げすぎることはあまり推奨していません。
 あくまでも強度の話としての例えとお考え下さい。

以上の内容から、リライズでは「かべつよし」を採用しているのですが、
実はすべて「かべつよし」で設計しているわけではありません。
構造用合板で補強することもありますし、
それ以外の耐震補強材を使用することもあります。

詳しいお話はまた別の機会にしますが、
耐震補強は1つの方法で解決できるほど単純なものではなく
そのお家の状況やもちろん予算なども含めて検討が必要なため、
「かべつよし」もあくまでも耐震補強の1つの選択肢として使っています。

耐震補強を考えているお施主様が
耐震補強工事は大がかりな工事だから…と思っていて
なかなか耐震補強工事に前向きに取り組めない場合に
省スペースで耐震補強をすることも可能であるという事を
知って頂ければ、幸いかなと思っています。

それには「かべつよし」は実に優秀な商材だと思い
今回はご紹介させて頂きました。


なお、画像は一部エイム㈱ホームページより転載しています。


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