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あのこは貴族

2021.2鑑賞。

原作は以前読んでいて、映画化することを知って
気になっていた作品。


主人公の華子は父が医者の箱入り娘。
冒頭タクシーの運転手(田舎育ちの人)が話しかけてもずっと無視していて、あら、感じ悪い…?と思ったら、ホテルで行う正月の家族の集まりに彼氏を連れていくつもりが当日に別れるという事情であった。基本的に感情を乱さない(外に出さない)、良い子。

美紀は、華子の婚約者(幸一郎)の浮気相手という事前情報のうえで登場するものの、2人は付き合ってるというわけではなく、ましてや田舎育ちの美紀は結婚相手として見られてすらいない。華子が幸一郎の婚約者と知るとすぐに関係を切る、まともな感覚を持つ子。


華子と美紀が幸一郎を巡って争うというわけではなく、幸一郎が極悪人というわけでもなく(ちょっと嫌な奴ではあるが)、なんだか不思議な映画だった。
登場人物の性格が少し違ってたら一昔前の昼ドラのように泥沼化してそうな内容なのに。作中よく出てくる曇り空みたいに、晴れ晴れとはしないけど雷雨のような激しさはない感じ。

逸子が言うように女同士を対立させるんじゃなく、女友達って良いなぁと思わせる魅力がこの作品にはあった。華子には逸子が、美紀には里英がいて、
最終的に両組ともビジネスパートナーのような関係になるんだけど、それが華子と美紀にとっての救いなんじゃないかと思いました。美紀は元々しっかりしている子だけど、華子は作中で大きく成長してた。

逸子も里英もタイプは違えど自立してて、茶目っ気もあって面白いし、こんな友達いたらいいなぁ〜。

私自身も東京への憧れがあるので、東京タワーやタクシーから見える都会の風景や、華子の新居に思わず見入ってしまいました。これらはいわゆる外部から見た東京ってやつなんですね。