見出し画像

「紙の月」

せっかくnote始めてみたので好きな映画の感想を書いてみます。
あらすじとかは省くので観たことある人向けにはなるけど…

「紙の月」
2014年公開。当時は大学四年生で暇してたので、平日によくひとりで映画観に行ってた。それから6年経ったと思うとえ!っとびっくりしてしまうけど、今でもちょくちょく観てしまう。原作の本も大学の購買で買って、大学のロゴが入ったブックカバーをかけたまま本棚に収まってる。

気になった所を箇条書きしていきます。

・夫の残念加減。
映画の冒頭で出勤するシーン、ずっと一緒にいたのに上手く新聞で顔を隠したりしていて、最寄り駅に着いてじゃあ、と声をかけるまで夫とわからない演出になってる。

この夫、とにかく梨花の気持ちがわかってない。パートから契約社員になった記念に買ったペアウォッチを「ゴルフにつけてくよ!(仕事にはつけていけない)」とか言って、後日妻にカルティエの時計をプレゼントしてくる。
子どもつくる気が全く感じられない癖に、最後になってまだ諦めてないよとか言ってる。

言動全て、悪気なさそうなのがこれまたムカつく。笑


・音楽
little moaの音楽がめちゃ可愛い。

印象的なのが、ホテルのスイートルームで豪遊する時。
でも音楽が止むと共に夜明けが来て、爆買いした買い物袋を前に呆然としている梨花。この対比がよかった、夢から醒めてしまったみたいな。なお3泊140万円なりー。
この作品を何度も観ていて、最後に光太と別れて自転車に乗っているシーンでも同じ曲を加工したものが流れていたことに気づく。横断歩道で止まり、周りの人が動き出すというシーンがスローモーションで撮られていて、音楽も同様にスローモーションになってる。可愛くてお洒落な音楽が、モノクロでちょっと怖い感じになってる。これも良い演出。

・原作との対比
原作には出てこない隅さんと相川さん、2人ともよかった。隅さんは生真面目だけど芯が通っていて、最後の方では人間味も出ていてよかった。相川さんは上手く人生生きてる人だなぁ、と。序盤の「今日中に返すんですよね」の時の表情の変化が素晴らしい。この2人は対照的だけど、生真面目なところと欲望のままに生きちゃうところ、どちらの部分も梨花は持っていたんだと思う。

原作だと梨花が専業主婦からパートを始めるまでがけっこう詳しく書いてあったり、映画には出てこない人にもエピソードがあったりして面白かったです。