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カメの骨格

亀の骨格です。


 見ての通り、背中に背骨がくっついていて、背骨と広がった肋骨で甲羅が形成されているんです。甲羅は肋骨や肩の骨、脊椎などおよそ50本の骨が融合したもので、体の外を覆う硬い層を作っています。基本的な骨格は他の哺乳類と一緒なのですが、亀さんの骨格の最大の謎は、2つあります。


・1つ目は甲羅の一番外側は何で出来てるの?ってことで、
・2つ目は肩甲骨がどうやって肋骨の内側に入ったのか?ってことです。

 1つ目の甲羅については、ほとんどの脊椎動物の装甲、例えばアルマジロなどは、「皮骨」と言われ皮膚が硬く骨のようになったもので、体の表面にあった骨が、より内側に位置するよう進化したのです。ところが、カメの甲羅は全て「皮膚や筋肉の外側」にあり、謎とされていました。

 1つ目の謎に対して、今まで2つの説がありました。 「カメの祖先は皮骨性の装甲を持っており、現在のカメも、背骨と肋骨の上に皮骨を使って背甲を形成している」
 という説です。これは、カメの甲羅の構造を観察すると、皮骨でできたものと非常に良く似ているため、信憑性が高いと支持されていました。

 そしてもうひとつは、 「カメの背甲は単に肋骨や背骨が変形したもので、皮骨成分は含まれていない」
という説です。

 そしてついに、この長年にわたる論争の答えを、日本の研究者が明らかにしました。

 結論から言いますと、先ほどの2つの仮説のうち後者が正解。カメの甲羅の正体は、あばら骨。進化の過程で肋骨が劇的に形を変えたのです。研究の結果、皮骨からできている装甲とは明らかに異なっていることがわかったそうです。

 2つ目の謎は肩甲骨が肋骨の内側にあることです。すべての脊椎動物(魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)は肩甲骨は肋骨の外側にあるのですが、肋骨が内側にあるのは亀さんだけなのです。これは脊椎動物の発生を司る遺伝子のボディプランから逸脱しているのです。

 これも日本の研究の結果、卵の発生後期に付随している筋肉ごと肋骨の外側から内側に移動することがわかっています。
 肩甲骨を内側にすることで究極の防御を手に入れたわけなんです。すげーな!カメさん!

 因みに、最古のカメ化石は2018年、中国貴州省で発見されたカメの祖先の化石とされ、2億2800万年前のもので、古代のカメには甲羅がなかったことが明らかになっています。

と亀さんの甲羅の話を書いてみました。面白かったら「スキ」お願いいたします!

写真引用:Turtle Skeleton - Picture - MSN Encarta

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