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3つのComputer Space

 Computer Spaceは市場には受け入れてもらえず商業的には失敗した作品となってしましました。しかし、ブッシュネルはただ手をこまねいて見ているようなマネをしませんでした。彼はコンピュータスペースについているコントロールパネルを何度か改良し、市場に投入しているのです。

 Computer Spaceの元となったSpace War!には、2つのスイッチが取りつけられた専用コントローラが作成されていました。スイッチは左右方向に倒せるものと、上下方向の倒せるものがついており、 左右方向のスイッチは機体を左右に旋回させるために、上下方向のスイッチは加速度を操作するためにあります。そしてボタンによりショットを撃つことが可能です。

 アーケードゲームとして最初に投入されたComputer Spaceは、4つのボタンで操作を行うものでした。2つのボタンで左右に旋回、1つのボタンで加速、4つめのボタンでショットを撃ちます。この操作方法は現代から見ればユーザインターフェースが悪く、プレイヤーは直感的に操作ができなかったのであろうと分析できます。

 ブッシュネルもその点は設計時に理解していたのではないかと思います。しかし、専用コントローラーによる操作を、なぜブッシュネルは採用しなかったのでしょうか?

 あくまで推論の範囲を出ないのですが、Computer Spaceは元々酒場でロケーションテストが行われていましたから、理性のタガが外れ、力加減ができない状態の人が遊ぶことも想定したのだと思います。ゲームでエキサイトしてしまった客が大きな力を加えてスイッチを壊してしまう可能性はとても高いと見積もることができます。

 推論の裏づけとするには根拠に乏しいのですが、新しいバージョンのComputer Spaceにはスイッチには大きな「ステアリング」と呼ばれる2方向レバーが取りつけられており、ガッチリと固定されていたものが販売されているのです。これならば壊れませんし、機体の旋回を直感的に操作できます。

 後年になり、みっつ目のComputer Spaceが発売されました。このComputer Spaceはジョイスティックの先端にトリガをつけた、操縦桿型レバーが取りつけられました。このコンパクトなコントローラーが採用されたのは、2人用でも遊べるようにしたためだと考えられます。

 現在、コンピュータスペースのコントローラーには、ここに挙げた3種類のバリエーションがあると判っています。


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