第二回 懐かしのスラーピーとセブンイレブン
コンビニ戦線は拡大し、ついに地元群馬企業のセーブオンもローソンになろうとしている。
サンクスは看板だけ残ったままの店舗もあるが中身はファミリーマートとなり、近くのセーブオンが青の看板に姿を代える日も近いだろう。
が、群馬とコンビニの歴史を振り替えってみると、確かセーブオンではなく、セブンイレブンこそが「群馬で懐かしのコンビニ」だったような気がする。
上毛三山と利根川を抱えるため公共交通網が未だに整備されておらず、車が無くてはどうにも出来ない群馬県民の支えと言えばドライブインとコンビニエンスストアーの二つ。
前者は温かいご飯と休憩スペース、後者はお弁当に日用品に何でもあって今でも運転の休息時に助けられている。
思えば、群馬でのセブンイレブンの拡大は他県に比べて異様に速かった。あり得ないような山奥、人が全く通らないような道路にも出店を重ね。パラシュートタイプの開けにくいお握りを色々な場所で食べたものだ。
記憶に残るセブンイレブンの味。
手のひらで抱えきれない大きなドリンクポストイット、熱々のじゃがまるくん、八種類の中から選べて店員にディッシャーで掬って貰ったコーンアイス。持ち帰りにするとコーンにモナカで出来た蓋が付いたので、それをわざわざ頼んでいた。お気に入りはストロベリーチーズケーキ味。あれは旨かった。
◻スラーピーがあるセブンイレブン
https://ja.foursquare.com/sassy802/list/
その中でも特に思い入れの深いスラーピーが群馬でも復活したと聞き、是が非でも飲みたいと設置店舗の高崎経済大学に向かってみる。
場所が校内の店舗というハードルの高さがあったため、元在校生の知人を頼りに生徒の企画展を見に行くという言い訳を使って潜入する。常時気軽に入れるわけでも無いようなので、もし行きたい方は文化祭等の時に試して頂ければ幸いだ。
残念ながら外観の写真はNGで本体だけだが、確かに幻のスラーピーはそこに有った。
何だかアルファベットでオシャレになっているが、確かにスラーピーそのものでお値段も当時より安い。
レジでカップを購入し、セルフで好きなだけ入れていく方式。お腹と相談しながら、何とか味を制覇するべくカップを抱える。
そして、私たちの目の前に二つの鮮やかなスラーピーが立ち並ぶ。
ストローの袋にまでスラーピーと書いてあるのが、何だか嬉しい。昔のように紙の容器でも飲みたいものだが夏らしい雰囲気のこのプラ容器も中々だ。
ストローは食べやすいように先はスプーンになっている、
蓋は円形とスターバックスにでも居るような気分で、飲み干せば心も爽やか。
隙間が広く空いているので、これはイケるのではないだろうかと二杯目に懐かしのフロートスラーピーにチャレンジしてみた。
コーラのスラーピーにアイスを入れ、少しシェイクをしてストローで崩していく。色が薄くなってきて、段々と当時の記憶が蘇ってきた。
コーラ味のスラーピーにディッシャーで掬って貰ったアイス、紙の容器でストローをつつくと、壊れそうになった。持ち手がやわらかくなり溢れる心配をしながら一気に飲み干す懐かしい夏の日々。
群馬のドライブでは必ず手にしてた、特別な飲み物がここにあった。
高崎経済大学に通う学生は、こんなにも素晴らしい飲み物を貴重な青春期と一緒に毎日飲めるのかと羨ましい限りだ。
他県での販売店舗でもスラーピーは手に入るが、やはり県内で飲めると格別である。学生気分には遠い年齢ではあるが、また何かの機会に訪れてみたい。