フジロック後記。トムミッシュの城

トムミッシュ。
なんて良い名前なんだろう。

何にでも通じそうな名前である。

「すみません。トムミッシュ3つで。」
「はい、かしこまりましたー」

「山田くーん、みなさんに例のトムミッシュを
配ってください。」
「はい、かしこましましたー」

「トムミッシュっぽい弾力のベッドって
ありますか？」
「はい、かしこまりましたー」

どれも自然だ。

前列で出番を待ち構えるなか
いかにも自然な格好でビールを片手に
出てきた彼。

一瞬パーマがかかった一般人が登壇したのではないかと緊張が走ったが、ギターを持ってからの彼は一変、二変、三変した。

神々の名曲が奏でられる。
それはGEOGRAPHY中のGEOGRAPHY。

彼は最初から最後まで肩の荷が下りきっていた。
こんな大きなステージでこんなにリラックスできるのか？
フラッと寄ったギター酒場のデカイバージョンなのかここは？と錯覚するほど自然だった。

トムミッシュのトムミッシュによる
トムミッシュのために作られた
夕方から夜にかけての
時間帯がとても贅沢に進んでいく。

巷ではその時間は「マジックアワー」と言う
らしい。

巷の巷ではフジロックの日から
「マジックアワー」という表現は
「トムミッシュアワー」に変わったらしい。

巷の巷の巷では「森田一義アワー」みたいでダサいと噂されているらしい。

what kinda musicで始まり
ロストインパリス、if runs〜のイントロで濡れる。

MONEYでお金を請求し、きっちりと観客から
回収するトムミッシュ。
1人ずつ丁寧に取り立てていたので結構時間が
かかったが、最終的に集まった合計金額を
発表していたので24時間テレビみたいな
感動に包まれた。

サウスオブザリバーの間奏の楽器隊の素晴らしさ。

TIDAL WAVEの力強くも緩い波にもまれ
MOVIEで夕日のキレイさも相まって泣く。

ディスコイエスで歓喜。間奏のヒョコヒョコ歩き含め最高。（動画参照）

トムミッシュ「イジョウトムミッシュデシタ。
アリガトウゴザイマシタ。
ツギハホールジーデース。カンパイ！」
ホールジー「ハイ、カシコマリマシター」

一方グリーンステージの丘の上では…

トレンチコートのおっさん（以下 ト）
「くそっ一足遅かったか！トムミッシュめまんまと盗みおって」

謎の美少女（以下 美）
「いいえあの方は何も盗らなかったわ。
私のために闘って下さったんです。」

ト
「いや奴はとんでもないものを
盗んでいきました！
あなたの心です！」

美「ハイ！」

ト「では失礼します！
トムミッシュを追え！地の果てまで追うんだ！」

(【歌】主題歌流れ始める)

ジジイ（以上でも以下でもジジイ）
「なんと気持のいい連中だろう…」

美
「私ずっと昔からあの方を知っていたような
気がするの。
トムミッシュ…きっときっとまた会えるわ。」

おしまい

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