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9/2(土)日記

*ベローチェ手巻きタバコ

ほぼ初めてくらいにベローチェでコーヒーを飲んだ。

飯田橋の割と広い店舗で、試験勉強中と思われる学生や、資格の勉強をする社会人のきれいめな女性、本や動画を見ながら暇を潰す男性などいろんな人がいた。

私の中でベローチェといえば中野のブロードウェイ前にある店舗だった。
そこは昼も夜も年齢層はかなり高めで、友人と楽しくおしゃべりするおばあちゃん(推定70から80代)、スポーツ新聞を広げるおじいちゃんしかいなかった。てっきりベローチェはそういう、ご老人が集まる場所なのかと思っていたのだが、この日行った店舗は年齢層が若く、ちょっと安心した。

昔は喫茶店のコーヒーでも200円くらいで飲めた時代があったらしい。ベローチェでこそ280円だったが、スタバや普通の喫茶店に行くとスモールサイズのコーヒーでさえ400円くらいしてしまう。その点ベローチェは素晴らしい。氷入りのアイスコーヒーがなんと200円代で飲めてしまうのだ。


一緒に行ったのは40代の人で、20代の頃から極貧生活(風呂なし、エアコンなし)を続けていたという強者だ。

今時喫煙専用ブースがある喫茶店は本当にありがたい。
込み入った話をする時に喫煙室に行き、人のいない密閉空間でタバコを片手に気兼ねなく喋ることができる。込み入った話をしたい時に喫煙室に人がいても、なぜか「同じ喫煙者だったら、まぁいっか」となる。

その人が吸っていたのは手巻きタバコといって、ふつうのタバコではなく吸うたびに紙を取り出して都度葉っぱを巻くという、手間のかかる手作りタイプのものだった。紙を巻きつける時には舌(唾液)を使ってくっつけるので、その瞬間はまるでハーモニカを吹いているように見える。

側から見れば心底面倒な作業に思われるだろうが、トータルで見ると手巻きタバコの方が安く上がるらしい。オイルライターを使っている身として「この面倒さこそがいいんだよな、わかる」と思いながら、ハーモニカのようにひと舐めするその人のエロくも詩的でもない瞬間を毎回私は淡々と凝視している。

エッセイストや作家が「喫茶店で打ち合わせした」と言う時、みんなどこを指して言っているのだろう。その言葉から連想されるような、何十年も続く、味わい深い個人経営の喫茶店なのだろうか。どうしても、こういうベローチェやドトールなどチェーン店であってほしいなと思ってしまうのは私が地方出身かつ3流の庶民だからだろうか。

280円でアイスコーヒーが飲めて、タバコも吸える。これを私は幸せと言う。


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