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8/26(土)日記

*おしゃれな人もおしゃれな場所もこわい

昨日は下北沢のおしゃれなカフェに行ってしまった。行ってしまったというのは、おしゃれなカフェなど行くつもりはなかったからだ。

でもどうしようもなくオムライスを食べたくて、しかもふわふわ系とかトマトソース系とか、ちょっとこだわっているオムライスが食べたかった。

さっと調べて行った店がたまたまインスタ映えするおしゃれなカフェで、オムライスというよりクリームソーダが有名な店らしかった。
お店に入ると客の9.5割が推定20代の女性で、緑、赤、青の半透明なクリームソーダを注文し、窓側の映える席でパシャパシャと写真を撮っていた。Instagramをやめてからこういう店に来ることもめっきり減ってしまい、なんだか居心地が悪かった。

私以外の女性はみんなバチバチにメイクをしてきているし、それぞれが自分の「おしゃれ」を追求した勝負服を着ている感じがした。隣の自分より若そうな女性2人も「次どこいくぅ〜?」と下北の古着屋巡りの作戦会議をしていた。
純粋にオムライスだけを求め、ドすっぴんでふらふらやって来た私には眩しすぎる店内。壁には映画『アメリ』の大きなポスターが貼られ、特等席っぽい窓側の席には写真を撮りたくなるような飾りが置かれている。こちらは完全に朝の体内時計なんだけど、向こうは昼、もはや、おやつ時間。時差がありすぎてクラクラきそうだった。

席から見えるオープンキッチンに立っていたのはこれまた若そうな女性1人。ホールはクルクルパーマの若い男性が1人で捌いていた。普通にシルバーのリングをジャラジャラ着けていたが、ドリンクの前に丁寧にコースターを置きにきてくれたり、カトラリーの入ったボックスを静かに置いてくれたりの、忙しいのに意外と丁寧に対応してくれたのが安心した。

ホールの女性はとにかく細かった。黒い90年代風の短いタンクトップからは色白の鎖骨が浮いていて、ハートらしきタトゥーが彫られた華奢な腕を出しながら手際よく作業をしていた。ちょっとだるそうな感じがよかった。

そもそも下北沢など、最後にショッピング目的で行ったのは大学2、3年生の頃だ。自分と同じ年齢くらいの人がわんさかいたんだけれど、いつのまにか街の流れや活気についていけなくなっていてびっくりした。フレッシュすぎてまぶしすぎて、自分がおんぼろな雑巾のような存在に思えてきたのだ。

おしゃれって怖い。大学生の頃からおしゃれな人が怖かったんだけど、やっぱりおしゃれな空間も怖い。近寄りがたい感じがする。
でもそれこそが洋服やデザイン、美意識が放つ無言のパワーなのかもしれない、と思った。






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