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サンフレッチェ広島は、「負けを許せない」チームに変ぼうしつつある。

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ドイツ取材記を発信している最中であるが、ここで本マガジンで初の試みをしたいと思う。自分が書くものではなく、外部からの寄稿だ。もともとこの個人マガジンを始めたときにプラットフォームとして多くの書き手に発信の機会を与えらればとも思っていたので、非常に嬉しいことでもある。

その記念すべき1回目は、業界の先輩である澤山大輔さんからのものだ。

広島出身であり、彼はこの地元クラブを長らくウォッチしている。現在リーグで首位を走るこのサンフレッチェ広島の強さを、直近の長崎戦(2-0◯)の取材を元に紐解いてもらった。

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強いチームの真価とは、「敗れた後」に見える。J1リーグ第10節で今季初めての敗北を喫した広島にとっても、それは同じだった。連敗を喫することなく完勝した長崎戦を終えた彼らの姿に、今季の強さの秘密が垣間見えた。(取材・文 澤山大輔)

林卓人は、怒りを噛み殺していた


2018年4月28日、アウェー長崎戦。ミックスゾーンに現れたGK林卓人の表情は、2-0で完勝した試合の後にもかかわらず憮然としていた。言葉数がそれほど多くなく朴訥に見えるタイプの林が、188センチの巨体の中に怒りを押し殺している。正直、こちらが一瞬たじろぐほどの迫力があった。林は、慎重に言葉を紡いだ。


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