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エマ・ワトソンのインタビューから思う、カッコいい人
僕はいま32歳なのですが、30代という年になると、
それまで考えたことのなかったような、いま自分が持っているものに、否が応でも目を向けてしまうことに気づく。
少し前の記事だが、エマ・ワトソンが30歳になる前のインタビューでこんなことを語っていた。
『なぜ、みんな30歳になることをそんなに大げさに騒ぎ立てるの? そんなのたいしたことじゃないのに……』。それが29歳になってみたらこうなったわ。『なんてことかしら、不安とプレッシャーに押しつぶされそう』とね。それもこれも、急にいまいましい潜在的メッセージが押し寄せてくるからなのよ。もしもまだ家を建てていなくて、結婚していなくて、子どもがいなくて30歳になるのなら、そして確固たる不動のキャリアを築いていなければ、つまり、いまだに人生を模索中なら……」彼女はひと呼吸おく。「信じられないほどの不安に見舞われるわ」
ハリーポッターの役者さんたちと同世代で、映画も見ていた僕は、このインタビューに少なからず、共感してしまう部分があった。
男女のキャリアイベント、年齢による捉え方はまた違ったものになるかもしれない。
それでも、自分に目を向けると、まだ家も車も買っていない。
結婚していないし、子供もいない。
会社に所属していないし、国家資格も持っていない。
「でも、そんなの関係ねぇ!」
家は賃貸で、車はカーシェアで十分。
40歳くらいまでには結婚すればいいし、そのとき子供も授かればいいであろう。
と、そんなことをずっと思っていた。
しかし、実際に30代になると、不思議と自分の持っているものに目を向けてしまうのは、周りの社会とつながっているからだと思う。
同世代の友達と久しぶりに会うと、
10代はゲームの攻略法だったのが、
20代はどうやって彼女をつくるかの攻略に変わり、
30代の今は、いかに奥さんと子供の機嫌を攻略するかのシェアの時間になる(笑)
40代を超えて子供ができたら、二十歳になるときは還暦かぁ。。なんて、
そういった出来事を、ひとまわり上の経営者の先輩に何気なく相談してみたら、
「いや、俺も今言ったもの、なんも持ってないよ。バツはひとつ持っているけどね」
と、ニヤニヤしながら言われた(笑)
ちなみにその人は、奥さんはいなくても彼女がいて、結構な家賃の高層マンション(賃貸)に住んでいて、その家賃の一年分ぐらいの時計をしている。
「車いらないんだよね、死ぬ確率あがるやん。タクシー乗るから、あ、もちろん電車も乗るけど」
とニヤニヤが、ニコニコに変わっていた。
世間の常識みたいな「〜するべき」で考えなくていいんだよ。
「〜したい」の自分の声に従って、選んだ道を自分にとっての正解にすればいい。
これも、以前、その人から言ってもらった言葉。
確かに、というか120点でその通りだと思った。
エマ・ワトソンのインタビューを見ていると、世界レベルの有名人でも、
キャリアの悩みの深さは、ひとりの人間なのだとあらためて感じる。
それは、収入や知名度の差はあれど、時間は平等なのだということも教えてくれる気がする。
生まれたときから、老いて死ぬそのときまで、
持っていなければ、欲しくなるし
手に入れてしまうと、失うことが怖くなる
人はどこまでいっても、悩みをつくり出してしまう生き物なのだろう。
ただ、彼女が言っていた
「でも時間はかかったけれど、いま私は(独身で)とても幸せよ」
そう語っている通り、
自分の選んだ道を、自分が正解にしてしまえばいい。
カッコいい人は、そうしてきたから、カッコいいのだ。
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