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自然に流れる涙

やさしさってなんだろう

どういうときにやさしいって思うんだろう

歩いていたら目の前の男の子が私の存在に気付いてそっと扉を開けていてくれたとき。落とした消しゴムを隣の人が拾ってくれたとき。見知らぬ人に背の届かないところにあるものを取ってもらったとき。なくしたものを友達が一緒に探してくれたとき。落ち込んでいるときに親しい人が話を聞いてくれたとき。

記憶に残らないくらいのほんの小さなやさしさも、印象に残るような大きなやさしさも、全部そのぬくもりは同じ

心があたたかくなるそんな感じ

それでもそんなやさしさにふれたくないときもある

ううん。うそ。本当はそのやさしさにふれたいのに。そのやさしさが怖くなるから。申し訳なくなるから。迷惑をかけたくないから。やさしさをもらうほどのことでもないから。自分さえ少し我慢をすれば、誰も苦しまないから声を出さずに、誰にも気づかれずに、また笑顔をつくろうとする。

でもね、それに気づく人もいる。何も言わずともそっと抱きしめてくれる人もいる。声にならない声が聞こえる魔法が使える人もいる。

超人だよ。まったく。

本当に敵わないなぁ。

そのやさしさにふれたとき、そのぬくもりを感じたとき、自然と涙が流れてしまうんだ。

小さいやさしさも、大きいやさしさも全部ぬくもりは同じ

だけどね

ときにはそれがちょっとした元気になったり、ちょっとした嬉しさになったり、ちょっとした落ち着きになったり、ちょっとした照れになったり、ちょっとした救いになったり

いつだってその感じ方は違うから

無言で抱きしめられたとき

やさしさにふれたとき、私は涙を流したの

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