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「話しを聞くこと」は、難しい?

おはようございます! レオ・エースです。
今回、4つ目の記事を上げることができます。これも読んでくださる皆様の応援があってのことと思っています。
本当にありがとうございます。

さて、今回は「話しを聞くこと」というテーマで少し考えたいと思います。

福祉の現場で話を聞く際には、いろんな手法・技法があったりします。よく教科書で出てくるのは、「繰り返し」とか「要約する」とかありましたよね。
でも、今回話題にしたいのはそうした一つ一つの技法よりも、もっと根本のことです。そもそも、「話を聞く」とは何なのでしょうか?

話し手の気持ちを表出してもらう

私が業務として行っている計画相談は、よくクライエントの話を聞く仕事です。それはクライエントの状況を知り、意向を汲んだうえでサービス等利用計画を作ることが必要だからです。でも、よく計画相談を利用している方から聞く感想としては、「うちの相談員は、ちっとも自分の話を聞いてくれない」ということを聞くことがあります。(基幹相談支援センターにいたころ、そうした理由で計画相談員変えたいという人がよくいらっしゃいました…)

でも、そのように言われてしまう計画相談の方も、おそらく利用者の話は聞いているはずです。なぜならサービス等利用計画を見ると結構細かく支援目標が設定されていたり、モニタリングも細かく記載されていたりするからです。

では、なぜこのような「話を聞いてくれない」という実感が、クライエントに残ってしまうのでしょうか。それは、話しの聞き方に原因があると、私は考えています。

計画相談は、業務として話を聞き、クライエントの状況をアセスメントします。その際に、生育歴や現在困っていること、希望する生活はどのようなものかと質問します。
でも、ちょっと考えてみてください。私たちは普段、日常会話でそんなことを聞かれたりするでしょうか? 私は「あなたの生育歴を教えてください」と言われたら、違和感しか感じないと思います。しかもよく知らない相手から、そんな深い話はなかなかできないでしょう。

それでもアセスメントするには、基本情報は聞きとる必要があるので、ある程度致し方ないことです。なので、話しの聞き方としては、アセスメントするのではない別のことを目的にする話の聞き方が必要です。

それが「話し手の気持ちを話してもらうこと」です。

これは、簡単に言うとクライエントが自分の気持ちや話したいことを自由に話してもらう時間を作るということです。私は、人が「話を聞いてもらえた」と実感するときは、自分の気持ちを十分に納得できるだけ話ができた、話しを遮らずに聞いてもらえたときだと考えています。なので、私はときどきクライエントに自由に話したいことを話してもらう時間を作るようにしています。でも、その際には少しコツがあるのです。

オープンクエスチョンを使おう

話を聞くときに、アセスメントをするときには答えが決まっているクローズな質問をします。それも相談支援には必要です。でもそれだと話し手はただ自分の中を掘られたような不全感だけが残ります。なぜなら、そのやり方だと聞き手側が聞きたいことしか話すことができないからです。

では、どうすれば話し手に満足してもらえるような相談支援ができるのでしょうか? それはオープンクエスチョンを使って質問することです。

まずクライエントにどんなことを話したいかを聞きます。その上で、その話題について自由に話してもらいます。その際にこちらからは一切遮りません。こちらが「このところをもう少し聞きたい。突っ込んで聞いてみたい」と思ってもぐっと堪えます。そこで、アセスメントするように聞いてしまうと、こちらが話を主導することになってしまうからです。気を付けたいのは、話の主導権はあくまでも話し手であるということです。

こちらからは、「それについてもう少し詳しく教えてもらえますか」とか「いま話していて、どんなことを感じていますか」など、クライエントが話したい話題を自分で深めていけるような問いかけをしていきます。そうすると、不思議とクライエントは自分で話をまとめていき、気持ちもすっきりします。ほんと不思議なんですが。そして、自分で解決策を見つけていきます。それもそうです。本当の困り事の解決策は、クライエントの中にしかないのですから。私たちはそのお手伝いをするだけなのです。

ただ、知っておいてほしいのは、このやり方をやる時は多分聞き手の私たちの方にもやもやした気持ちが残ります。なぜならこっちが聞きたいことを聞くのではないからです。私たちソーシャルワーク専門職がこれまで身に付けてきた話の聞き方とは異質なので、結構難しいです。でも、クライエントの満足感は結構高いです。

ソーシャルワークの仕事の大半は、「話しを聞くこと」です。簡単なようで、本当に奥深いことだと感じています。私もまだまだ半人前ですが、もっともっと上手に「話しを聞くこと」ができるよう精進したいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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