作曲科大学生の現実

世の中の人は作曲科の大学生がどんなふうに過ごしているとお思いだろうか

私は作曲を専攻にしている大学生なのだが、他の人から作曲家がどういうイメージを持たれているのか少し気になって投稿してみようと思った。



作曲ってどんなイメージ?

私の専門はクラシックの作曲なのでより世の中の人からすると想像しにくいかもしれない。多分世の中の人が考える作曲というのは


パソコンがデスクに2台くらいあってそのパソコンの前にはMIDIキーボードがあってヘッドホンつけてDAW使って作曲

という感じだろうか。

そんな格好いい感じで私も作曲したい。が、現実はそんな華々しい物ではなく

真夜中に、ピアノの前で12段の5線譜にうつらうつら音符を書き込む

という感じ。だいたい区切りがいいところまでできたら浄書するためにパソコン開いてちまちま音符を入力して…..夜は明ける。ああまた今日も徹夜か。

時々私作曲向いてないんじゃないかと思う。

初対面の人に専攻を聞かれた時


初対面の人に「何専攻ですか?」と聞かれる。
「音楽です。」と私が一言。そうすると相手は
「どんな楽器してるんですか?」



いや、楽器じゃないんだよ。

やっぱ音楽系大学=楽器専攻っていうイメージかー。

「楽器じゃないんです。作曲について勉強してます」というと

「あぁー!作曲!すごいですね!」

あぁこの人作曲についての話題ないな。とその一言で感じ取る。
まるで病院に連れて行かれると感じる動物かのごとく。

ここで「ピアノです♡」とか言えたらどれだけ会話が広がるのだろうかと
何回考えただろうか。
※ピアノ科の方、いじってません。


街を歩く時


街を歩くと音楽が聞こえない時はないんじゃないかというくらい世の中は音楽で溢れていると思う。

私は普段イヤホンなしでは外出できないので外に出る時はずっとイヤホンとお友達だが時々外さなければいけないようなシチュエーションがある。お会計とか?

そういう時にイヤホンを外していると

あぁこういう曲あったな。懐かしいな。とか結構思う。そして同時に
この曲って何調か。何の和音使ってるな。何調に転調してるな。あ、参考になるな

と感じながら、お会計。
お会計してくださる方、作曲のこと考えすぎて空返事してたらすみません。

また、参考にするのは音楽だけではない。

建造物を見て、

不思議な形。これを音で表してみたら面白いかも?

電車の中で

この電車のガタンゴトンって音使えないかな

映画やアニメを見ていて

こういうシーンでこういう楽器のこの調の劇伴か。
これいいかも。これ自分の曲で使えないかな

とか。頭の中はずっと作曲のことでいっぱいなのである。


作曲家はみんなメロディーが降ってくる


「作曲してる時ってメロディーが降りてくるんですか?」


そんなわけあるか!悩みに悩みまくってるわ!

「いやぁ、そんな天才じゃないんでー。いっぱい悩んでます」

私はモーツァルトスタイルではない。ベートーヴェンスタイルである
カッコつけました。ごめんなさい。そんな大作曲家の姿すら拝むことのできない学生です。

「降りてくる」と言えるのはとんでもない天才か、いろんな作曲家の楽譜を分析しまくった努力家だけなのだろうと私は作曲をしていて思う。

そもそもメロディーが上手く書けてもそこに上手こと和音がはまらない時とかザラにあるし。メロディーだけが上手く行っても良くないのだ。
かと言って和音とメロディーが上手くハマっても
効果的なメロディーでなければ何の意味もないし。
難しい。

私は作曲をし初めてまだ片手の前半で数えられるほどしか経ってないので
圧倒的知識不足である。
新しいジャンルの曲を創ろうと思ったら有名な音楽家の作品を分析して

こういう和音の使い方をしているのか、こういう風にメロディ動かしているのか、こういうダイナミクスがこういう時に有効なのか、
この楽器はこういう風にすると楽器の魅力が引き出されるのか

などと勉強しまくってやっとちょっと、ほんのちょっとかけるようになるのである。

作曲は本当に成長するのに時間がかかる学問なのである。

でも楽しい。こういう風にしたらこのイメージと合うな、これ美しいんじゃない?
などと試行錯誤してる時がたまらなく楽しい。

多分作曲には中毒性があるのだと思う。


何が言いたいのかって?

毎日のように徹夜してますってことです。




今日も日が昇るまでに寝れますように。


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