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音楽は心をつなぎ、心を洗う。

先日、作曲家の村松崇継(むらまつ たかつぐ)さんのコンサートに行ってきた。

村松崇継さんを知ったきっかけ

きっかけは2006年のNHKドラマ「氷壁」の主題歌「彼方の光」だった。
その後 スタジオジブリ「思い出のマーニー」や、NHK朝ドラ「だんだん」の劇中曲で竹内まりやさん作詞・歌の「いのちの歌」の作曲、映画「クライマーズハイ」、TBS日曜劇場「天国と地獄」の主題歌で手嶌葵さんが歌う「ただいま」の作曲などなど書ききれないほど数多くの楽曲を手がけている。
ふだん通勤時やテレワーク、家事のBGMで聴いているが、生演奏を聴くのは初めだった。
しかもチケットは幸運の女神が味方して1列目のど真ん中と、さらに興奮度を上げる要素が私の気分を高めてくれた。

会場の心がつながった出来事

第二部では観客が開演前に各々書いたイメージの言葉の粒をその場で村松さんがくじ引きのように箱からメモを取り出し、即興演奏をしてくれる、というコーナーがあった。
残念ながら私のイメージメモは当たらなかったが、最初に選ばれたメモのイメージが「定年退職したとき」というリアルにまさに数日後には定年退職を迎えようとされている方からのメモが当たった。
そこで村松さんのお声がけと共にみんなが拍手をし、即興で演奏された村松さんの曲。
文章力に欠ける私の表現より聴いてもらった方がベストなのだが、「晴れ晴れとした日」・「これから新たな人生の扉を開く瞬間」・「今までの職場でのライフキャリアに対する自分自身への労いと未来へ背中を押してくれた」のようにも感じさせるメロディーライン。
「私もいつか迎えるであろう定年退職の日は村松さんのような曲のイメージになっていたい。」
会場にいた方々みんなが聴きながら、そう願っていたであろう。

音楽は心を洗う

今までスマホや車からでしか聴いたことのない曲の数々が、自分の目の前で生音で耳に身体に入ってくる。感動で流れくる涙はまるでコロナ禍で抑制されていた心のよどみを洗うかのようにとめどなく流れてきた。
「泣くことは心を浄化するカタルシスの1つ」と言われているが、まさに久々に体感。
流した涙は気分をすっきりさせ、その後となりの席で県外から来たという見知らぬお2人とその場で意気投合し、コンサートの余韻に浸りながら帰り道に話が弾んだことはいうまでもない。

「音楽は心をつなぎ、心を洗う」。
瞬間的に強く感じたひとときだった。

時々こうやって生演奏を聴きに行くことって、私にとっては大切な心の整え方の1つなんだな…。
しみじみと感じた一夜となった。

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