STEAM教育も人間力が基盤!!レンレン先生が実践するスキルとマインドの教育

はじめに

 STEAM教育やICT教育・AIやデータサイエンスなど、テクノロジーに関するワードが近年当たり前のように多く耳にするようなった。これらは、テクノロジーをツールとして使いこなすことが土台にあった中でこそ、個人の武器となる。テストで100点をとっても「知っている」「分かる」というだけの状態だ。求められるのは「知っている」だけではなく、「使える」「できる」である。
ゆえに、テクノロジーを基盤とする教育は、未来を生きる人材のスキルに欠かせないものである。

しかし、実社会において求められるのはスキルだけではない。
スキルは日々更新される。新しいモノは次々生み出され、「できる」にあぐらをかいている間に下の世代が新しいモノを当たり前に使いこなす。
セカイはこれの繰り返しである。ゆえに、どんな世でも、世界を変えるのは新しい世代だ。

では、「スキル」に加えて大切なモノは何なのか。
それは「マインド」であると考える。ここでいうマインドとは価値観や個性といったものではない。

未来を幸せに生きるには…の答えとして、
「スキル」×「マインド」=『テクノロジー基盤の教育』×『アントレプレナーシップ』となることの理念と「教え・育む」活動の実践を記していく。
その第1弾として、本記事は『テクノロジー基盤の教育』について記していく。

キーワード:データサイエンス

AIやChat GPTがだれでも使える時代となった。
知りたいことは「グクれ」ばスマホで簡単に知識となる。
画像認識・音声認識・自然言語処理、さらには予測・探索などのタスクはAIが処理してくれる。

当たり前になっていく便利なツールだが、これらはデータを集め(取得)→分析→可視化する流れができているから可能となったものだ。
AIはまだまだ万能ではない。さまざまな専門領域でのデータ集めは、まだまだ必要不可欠であり、取得した大量のデータ(ビッグデータ)を活用(分析)して、多くの人間に分かるように可視化することで何かの役に立てるようになる。
この一連の流れが、データサイエンスの根底にある。

データサイエンスのキーワードとして
①テクノロジー(ソフトウェア/プログラミング)活用
②統計学
③各分野の専門知識
が一般的に挙げられる。

この3つのキーワードを中高生から自らの力にするために「技術」と「情報I」の授業はPCをフルに活用する。

スキル①:EXCEL(表計算ソフトウェア)

大量のデータを整理し、計算・分析・可視化=データサイエンスができるソフトウェアとして世界中で使われ続けているのがMicrosoft社のEXCELである。
本校では、これを中学1年生の入学直後から実践する。
(ゲームや動画視聴以外で…)コンピューターに慣れる意味合いも持ちながら、簡単なシート関数(sumやif)の使い方を覚えることからスタート。
覚えるだけでは意味を持たないことは、「はじめに」にて記述してあるとおりで、大切なのはそのスキルを「使う」ことである。
ゆえに、1年生の1学期の段階で、データを分析したレポートのような課題がでて、生徒は必死に立ち向かい手を動かし思考していく。

高校1年生はこの発展で、「統計」や「データ分析」の知識を含んだ実践を行う。
さらに中高生どちらの場合でも、課題のあとには必ずアウトプット&シェアの時間を設ける。

『知識・スキルの習得』→『問いの解決(分析・可視化)』→『アウトプット・シェア』は「できる」と実感するためには必要な過程であり、この基本スタイルを実施している。

スキル②:プログラミング

まず、プログラミングが「できる」ようになるために必要最低限として、
①順次構造 (上から順に処理してくよ〜)
②if分岐 (Yesの場合?Noの場合?)
③反復構造 (同じ処理はループしよー)
がある。
この3つに"変数"たるものが使えれば、あっという間に自動処理ツールが出来上がる。

しかし、たった3つのルールと"変数"は簡単にハマるものではない。
ルールが分かっても文章(コード)を真っ白な状態から書いていくのはとても難しい。ゆえに効率的に物事の道筋や順序を考えられる手順=アルゴリズム思考のトレーニングが必須となる。

アルゴリズム思考は、「〇〇を覚える」や「暗記する」などテスト勉強のような方法では身につかない。思考のトレーニングであるため、この思考が身につけば頭の使い方が変わるのである。
「はじめに」でも記述した通り、「知っている」では何の意味もないため「できる」となるように中学1年生からトレーニングをしていく。


上記の車型ロボット(C-styleガジェット)は、授業中に生徒一人一台準備される。その中に自分のPCで書いたプログラムをダウンロードして実際に動かすことができる。
前述したアルゴリズム思考トレーニングは、このC-styleガジェットを用いてプログラミングと実装を何度も試す中で力となっていく。

マインド:エンジニアカルチャー

 さらにプログラミングには絶対といっていいほど、”エラー”という最高の栄養剤が発生する。与えられた課題や自ら「やってみたい」とイメージしたものをカタチにするためプログラミングにて実装するが、1文字間違えただけで…、1行順番がズレただけで…”エラー”が発生してしまう。
学校現場でよくある光景は、先生が正解を教えてくれて、クラス全員が正解にたどり着けるものであろう。
しかし、エンジニアカルチャーを基本マインドとして持つ「技術」「情報Ⅰ」の授業では、下図のように”エラー”や「思った通り動かない…」となったあとに、試行錯誤の業に立ち向かう。
これを乗り越えた先に「発見!」や「気づき」があり、個人の大きな力となっていく。ゆえに、全部を教えない!全部を先生に聞かない!雰囲気は教室で当たり前となっている

もちろん、アウトプット&シェアの時間は忘れない。
友達のアウトプット&シェアにより、他の誰かの助けとなったり、クラスメイト同士の学び合い/助け合いの雰囲気が自然に生まれるようになる。
この雰囲気を「エンジニアカルチャー」と呼び、テクノロジーを基盤とする学びの土台としている。

テクノロジーを基盤とする学びは、二つのスキルアップと、揺るがないたった一つのマインドを定着させることで、未来を生きる人材を育成することを実践している。



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