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失敗しないDXのやり方について思うこと

TVCMでもネット広告でもやたらDX(デジタルトランスフォーメーション)について企業がアピールするようになってきています。

特に年商10億円以下の小企業の経営者、具体的には

  • DXの定義がわからない経営者、

  • DXが必要だと思うがどうしたらいいのかわからない経営者、

  • 世の中の雰囲気に流されて、システム業者や事務機器屋、そして税理士さんなどに背中を押されて無駄な投資をしてしまう経営者

に読んでほしいです。

結論から言いますと

そういった経営者の方達には、
現状の業務フローを把握して、あるべき業務フローとの違いを明確にして、その差額をデジタルの力を利用して埋めることがDXの目的ではないかと思うのです。

ただ単に、現場の作業をデジタル化したところで、時間が減るどころかむしろ増えてしまって、作業の効率化にはならないのです。
昔、ウィンドウズが世間を騒がした時代から、何も変わっていない様に感じるのです。

まさに、手書きの書類をワードで清書する感じなのです。

では、なぜそうなってしまったのか?というと

その理由は3つあります。

  1. 現状の業務フローの認識ができていない

  2. あるべき姿の業務フローが理解できていない

  3. PCやデジタルに関する知識や能力が低い

まず、1つ目の「現状の業務フローの認識ができていない」についてです。

現場は従業員に任せ、事務は妻や母に任せ、経理は税理士に任せっぱなしで、社長は営業で飛び回っていたり、現場で陣頭指揮を取っていたりします。

だから、なんとなくはわかっているものの、いざ説明を求められると答えられないのです。特に数字を使って説明を求められると、お金のことを他人に任せているため尚更答えられないのです。

だから、お金を借りている銀行が苦手なのです。

お客さんが誰で、何を提供して、お金をいただいているのかというサイクルをしっかりと認識できていないのです。

つまり、会社全体を俯瞰して捉えることができない経営者があまりにも多い気がします。特に二代目社長です。初代は何でも自分でやってきましたが二代目は親の敷いたレールの上で経営すればいいので苦労をしていないのです。

とにかく、二代目は1万円を自分の力で稼ぐことをやってみることをおすすめします。

次に、2つ目は「あるべき姿の業務フローが理解できていない」についてです。

小企業の経営者は、自社の業務フローが当たり前だと思い込んでいるので、あるべき姿の業務フローが理解できないのです。

弥生会計や勘定奉行などのパッケージソフトがたくさん出回っているのを見ると、定型化された業務があることがわかるはずです。海外ではパッケージソフトに業務を合わせることをするのですが、日本では現状の業務に合わせることをしてしまうのです。このことが無駄を生んでしまう原因にもなっているのです。

ある社長さんに言われた言葉が今だに記憶に残っています。
「うちの業務は特殊だから理解するのが難しいよ」と言われました。
でも私は心の中では「社長が基本の業務の流れを知らないだけですよ」と呟いていました。

日本ではこういうケースがかなりの数、見受けられると思います。
これはどの業界にもある下請け構造が影響しているかもしれません。
だって、自分で新しいお客さんを見つけなくてもいいし、考えなくてもいいからです。だから、成長しないのです。


最後に、3つ目の「PCやデジタルに関する知識や能力が低い」についてです。

PCやスマホなどは歳を取れば取るほど、新しいことに興味や関心がなくなるものです。目も悪くなるし、耳も遠くなるので仕方ありません。

紙とペンからPCを使う様になってから40年、PCからスマホになってからは10年、こういった時代の流れについていかないと、ビジネスの世界では通用し悪なるのです。

実際に、PCやスマホが使えなくても、どういうことができて、どういうことができないのかを理解することが重要です。

ニュースピックスの広告で大手企業の社長がアプリの講座に参加するのを見たことがあります。これを見て、とにかくやってみることが必要なのです。

具体的には・・・・・

実際、何をすればいいのか?ですが、
まずは、「現状とあるべき姿のギャップを埋める」ことです。

人ではなくデジタルを使って置き換えできないかを考えてみることです。
人間は思考のクセで成り行きで考えると従来の考え方と同じになるものです。例えば、人を増やす、機械を入れる、システムを導入するなどです。

あるセミナーで見た事例を導入すれば、事務部門もデジタル化できるのです。AIOCRを使って手書きをデジタルにして、RPAを使って人手をロボットに置き換えることができるのです。

実は、工場ではすでに行なっていることです。

次に、「やり方ではなく目的から逆算する」ことです。

パッケージソフトの仕様ではなく、業務の目的を達成することを考えるにです。どうしても使っているパッケージソフトの仕様に影響されがちですが、それは業務の連携が容易にできることが挙げられます。

でも、全ての業務の結果は、会計システムに集約されるのです。
会計システムの補助システムが、販売管理、仕入管理、生産管理、原価計算、給与計算なのです。

会社の目的は、利益を上げることです。
売り上げが上がらなくても、利益を上げることです。
利益が出ていない原因を潰すことが経営者の役目なのです。


まとめますと・・・

失敗しないDXのやり方は、お金をかける前に、まず現状の業務フローを把握して、あるべき業務フローとの違いを明確にして、その差額をデジタルの力を利用して埋めることを行うのです。

それからできてからボトルネックになっている箇所を洗い出してから、お金をかけずにできるところは色々な無料のツールを使ってデジタル化すればいいですし、どうしてもできないところに関しては小さく投資してやってみればいいのです。

ここでも小さく初めて大きくするのです。

最後に、”DXとは従来のビジネスモデルを変革することである”とカイゼンプラットフォームの須藤憲司さんが記事に書いていました。
まさにその通りだと私も思います。

小企業の経営者は、事前に自社他社を調べてからDXの投資をしてほしいと願っています。少なくともこの記事のことをやっていただけければと思います。

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