博物館へ行こう#6「新宿区立新宿歴史博物館」

レンタル学芸員のはくらくです。ようやく涼しくなってきましたね……と気温をみてみると、ようやく30度を切ったばかりというところ。暑いとは涼しいとはなんでしょうか。

※今回の記事は過去に来訪した際のメモをもとに作成しています。

今回来訪した館

名称:新宿区立新宿歴史博物館
区別:公立・歴史(総合)
住所:〒160-0008 東京都新宿区四谷三栄町12-16
アクセス:JR中央線・総武線、東京メトロ南北線「四ツ谷駅」より徒歩10分
ウェブサイト:https://www.regasu-shinjuku.or.jp/rekihaku/

駅から歩いて10分ほどの場所にあります。アクセスはいいと思いますが、所在している場所が起伏に富んでいるため、毎回、坂を上り下りして、ああこうだったよなぁと思いながらたどり着いています。

新宿区立の歴史系総合博物館です。新宿区が出資している財団が指定管理者となり運営されている館です。いわゆる第三セクターですね。わたしはもともと知っていましたが、ウェブサイトにも記載がありました。明記してあるのは珍しいかもしれません。なお、指定管理というのは、総合的な運営委託を行うものです。事務処理上の権限や歳入も含めて、管理者に権限移譲することができます。

新宿歴史博物館 入り口

それはさておき。新宿歴史博物館は1階が受付、地階が展示室になっています。展示室の流れはベーシックな編年体です。旧石器時代からはじまり、中世近世に至るまでは、埋蔵文化財に関する展示です。「大地に刻まれた歴史」という章題で、印象に残っているのは、江戸時代後期の蚊遣り豚。内藤町遺跡という遺跡から出土したそうです。江戸時代には、藁や枯れ葉を燃して虫除けとして利用したそうです。大きさは40センチ、高さ25センチほど。結構大きいものでした。

「江戸のくらしと新宿」では、内藤新宿の模型が見どころでしょうか。曲がり屋や直家、板葺や茅葺、さまざまな素材・様式の建物が建ち並んでいます。絵図等から再現したんでしょうか? 短冊状の敷地をどのように使っていたのかが説明されています。幕府が享保5年に「蔵造り」を許可し、推奨する町触れを出したそうです。この頃から「防火建築としての商家」があったんですね。

商家の再現もありました

「武家のくらし」という展示では、なぜか章立てがなくなっていました。後から展示替えをしたんでしょうか。大名・旗本・御家人→高遠藩内藤家、小浜藩酒井家。江戸の近郊農村は、散策の地として観光地になっていたそうです。現在の新宿区内では、落合がそのような場所になっていたそうです。

後半は近世文芸や近代文学にみる新宿の紹介です。坪内逍遥や小泉八雲、尾崎紅葉、夏目漱石など、新宿にゆかりのある作家が紹介されていました。近代演劇や文学史、自然主義から大正期、戦前、戦後文学まで、様々な分野の文学者たちが集ったそうです。同じ財団が管理する博物館に、新宿区立漱石山房記念館があります。

最後は、新しい街への序幕。交通網の発達、大正期以降の近代資料が展示されています。文化住宅の再現では、和風住宅+玄関脇の洋間というスタイルが紹介されていました。

和洋折衷の住宅再現

今回は過去の探訪ノートをもとに記録を作成してみました。やっぱりどうにも書きにくいですね……。調査でもなんでも、やはりすぐに記録を作成しないとだめですね。