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フレディ(&ブライアン)インタビュー(Jackie誌 1977年5月)

THE KING OF QUEEN!
クイーンのキング!

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フレディ・マーキュリーがショッピングに出かける時、それはクイーンがステージに上がる時と同じぐらいのパフォーマンスです。今年の全米ツアー中は、フレディがそろそろ出かけどきだと感じた時が、彼とその友人たちが巨大なリムジンに乗り込み、良さそうなショッピングスポット全部巡りに繰り出す合図でした!

クイーンで一番派手なメンバーであると同時に、自分は多分一番浪費家だろうとフレディは笑いながら認めます。

「いいものが好きなんだ」と彼は微笑んで言います。「実際、ショッピングは僕の一番好きな趣味のひとつと言えるね!」

ロンドンのフレディの自宅は確かにその証明です。そこは世界中からの家具や絵画、芸術品でいっぱい ― 本当に満杯で、もっと大きな家を買うまで新しく追加されるものの保管用に倉庫を借りるか考え中だとフレディが冗談で言うほどなのです!

3年前にクイーンが初めて日本で演奏して以来、フレディは日本の芸術を特に好みます。日本はクイーンを国で一番人気のあるバンドにすることでお返しをしました。彼らは日本の音楽投票で何度も「トップバンド」に選ばれていて、ものすごい数の熱心なファンがいます。

「日本は僕たちに本当に良くしてくれる」と言うのはギタリストのブライアン・メイ。「実に美しい伝統的な日本の芸術品を送ってくれたり」

「僕のためにこれを編んでくれた子もいる」とブライアンが得意げに指す彼のセーターは、多色使いでとても複雑なギター模様です!

クイーンは日本での人気をとても喜んでいますが、時に少し大変なこともあるのも認めます。

「日本での僕たちは、もみくちゃにされずに道を歩くのはほぼ不可能なんだ」とブライアン。「それから、目立たずにいるのもとても難しい」

「僕たちがイギリス人なのが一目瞭然なのを別にしても、僕は6フィート4インチあって、ほとんどの日本人の頭上にそそり立ってしまう。彼らは僕が来るって何マイルも先から見えるんだよ!」

しかし、フレディのショッピングを阻めるものは何もないようです。「日本ではそれを『クレイジーショッピング』と呼ぶ」と説明する彼。「僕が出かける時は通訳、ボディーガードと一緒 ― 残念ながら念のためボディガードは必要なんだ ― 自分がハーメルンの笛吹きみたいに感じるよ!」

「大勢の人が後ろをついて来て指さしながら『クレイジーショッピングに行くんですね!』と大声で叫ぶんだ。前回日本に行った時はなんと僕だけのためにデパートを開けてくれた。相当すごかった」

「店員たちはみんなカウンターの後ろにいるけど、それ以外は全く誰もいなかったんだよ!」

フレディが日本で購入したものの中には、クイーンが  "Big Spender"(フレディが歌うにはぴったりの曲です!)をパフォーマンスする時に彼が着る素晴らしい絹の和服があります。彼はまた、日本の伝統的な人形と木版画をたくさん持っています。

5年前のクイーン結成より前、フレディはアート専攻の学生で ― 実際にしばらくの間、自分の絵を売って生活していました ― アートへの愛を失ったことはありません。

「日本の木版画はとりわけ美しい」と彼は言います。「とてもシンプルで、距離感を与えるための多くの白い余白が作品をより印象的にしている」

「アーサー・ラッカム Arthur Rackham の作品もとても好きだ。素晴らしく不気味なおとぎ話のイラストの数々を描いた。それからエルテ Erte というアーティストも好き。古いハリウッド映画の衣装やセットをいくつかデザインしていた人だ」

「僕はあの時代の魅力とわくわく感に魅せられている。イマジネーションのある人々が輝けた時期で、映画産業の成長がそれを後押しした」

「例えば、バズビー・バークレーBusby Berkeley の古い映画を見てごらんよ。彼は監督で、何百人ものダンサーが形作った花束が彼女たちの腕の動きで開いたり閉じたりする映画を撮っていた」

「前にも後にも、あれに匹敵するものは誰もやっていない。エンタテイメントとは夢のようで、スケールの大きなものであるべきだと僕は思う」

「僕はごく初期から、クイーンのステージプレゼンテーションはエキサイティングで他とは違うものであるべきと意識してきた」

確かに、ステージでのクイーンは雷光や大量のスモーク、色とりどりの照明を使用し、現在最も目を見張るようなバンドの一つです。

フレディ自身はその音響や光の中を白いバレエのレオタードで飛び回るのです。

「以前ステージで着ていたのはすべて黒だった」と彼は言います。「タイトなサテンのパンツとヒールの高いブーツ。着心地が良くないのを別にしても、僕を悪魔だと信じ始めた人がたくさんいると思うんだ! レオタードでパフォーマンスする方が好きだ。より優雅で ー よりマジカルだから」

「実はもうずっと自分のパフォーマンスにバレエのアングルを取り入れたかったんだけど、もしやるのならきちんとやらなければ。ロイヤルフェスティバルバレエがレッスンを申し出てくれているのですごく幸運だ。始めるのが待ちきれない」

「習うのは正しい身のこなしのための基礎的なステップやポジションだけ。レオタードを着る時に重要だから。それがないと劇的な効果全体を台なしにしかねない」

「この衣装を初めて着た機会のひとつだった去年のハイドパークで自分たちが演奏する映像を見たら、正しい動き方をしていないので僕の見え方はひどかった。バレエダンサーに必要な厳しい勉強やトレーニングを僕が経験する必要はないと思うけど。僕は何よりもまずミュージシャンであることを忘れないでほしい・・・」

趣味としてのショッピング・・・フレディはその午後、地元のショップをいくつか見て回ろうと決めました。

最初に寄ったのはメンズブティックで、フレディはカジュアルながら洗練されたシャツとパンツのコーナーをざっと見ました。以前の彼の服装の好みはもっと鮮やかな色や生地寄りでした。

最近の装いはよりおとなしめのようですが、そのブティックでは好みのものは見つからなかったので、私たちは次に通りの向かい側のギフトショップへ行きました。フレディは他の客たちの好奇の視線やこっそり写真を撮ろうとした男性には無関心で見て回りました。

熟慮の末、彼はようやく明るい色合いのヴィクトリア朝の切り絵をいくつか選びました ― ガールフレンドへのプレゼントです。家具も絵画もなしです。

彼は「今日の僕はそれほど big spender (※金遣いの荒い人。曲名を引用している)じゃないんだ」と微笑みました・・・




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