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Jackie誌クイーン特集 (1) ブライアン (1976)


ジャッキー誌独占クイーン パート1
The Astronomer Royal!  天文学者ロイヤル!

1947年7月19日生まれのブライアン・メイは蟹座の人そのものです ー それはコンサートホールの一番後ろからでもはっきりしています。この星座の全く典型に親切で物静か、そして思慮深い。それはステージの彼を見てもわかりますね。ショーマンシップはフレディに任せてステージの端に立ち、ギターの演奏だけに完全に集中しています。

蟹座の別の特徴の繊細さもブライアンにはそのまま当てはまります。身長6フィート3インチ、とても細身で、青白い顔を黒いカールが縁取っている頭部、彼はどことなく儚げで ー 世話をしてあげたくなる女の子が大勢いるタイプです!

実際、ブライアンはいつも体調が悪そうなタイプの人です。クイーン初のアメリカツアーでは重い肝炎に倒れ、まる一年休むように言われました。それからすぐ、手術が必要な胃潰瘍も見つかりました。

「あれは多分自己責任だった」とブライアン。「アメリカでは、というかそのずっと前から、あらゆるひどいものを食べ続けていたんだ。コーンフレークやケーキ、ゴミみたいな食べ物だ。僕は決して太らないので、そういう類のもので生きていた」

「胃潰瘍以来、もっと気をつけなければならなくなった。きちんとしたものを少しずつ、回数を分けて食べる。牛乳を飲むし、酒は何か食べながら飲むようにしているよ」

クイーンの前回の大規模な英国ツアー中、ブライアンはバンドの専属マッサージ師スティーブンに大事に世話をされました。スティーブンは毎日適切な時間に、たんぱく質豊富できちんとした朝食でメンバーそれぞれを起こします。そして健康に良い小麦胚芽を食べるよう、ブライアンの説得を続けているのです!

「だから健康面の調子は良かった」とブライアン。「いつも履いている木製のサボで転んで足首をひねった時以外はね!」

クイーンは全員頭が良いですが、ブライアンはおそらく最も知的なメンバーです。彼は天文学の優秀な研究者で、最近、宇宙探査のための旅のポジションを提示されました。最高レベルの8人の研究者にしか与えられない名誉です。ブライアンとはそういう人 ー 天文学の分野で英国最高の1人になれる可能性を秘めているのです!

ただ、今も時間があれば大学院の論文を書こうとはしていますが、ブライアンのクイーンへの没頭は、最近は学問に割く十分な時間がないことを意味しています。

「自分のフラットに望遠鏡は持っている」と彼。「でも地階なのであまり役には立たないよ!最近一番天文学に近づけたのは学者たちのクリスマスパーティーに行った時だね」

ですから当面の間は、行ける時にテネリフェ島へ休暇に出かけることで自分を満足させています。友達2人がそこに観測所を作ったので、ブライアンは夜空を見上げて休暇を過ごすのです。晴れた夜に彼といっしょにいるのは素敵ですよ。だって空の星だけではなく、惑星やその湖、クレーターまで名前を全部知っているのです!ブライアンの専門は惑星の表面に層をなす塵で、テネリフェ島での彼と友人たちの研究もそれです。

そして、彼はその興味をクイーンの他のメンバーにもいくらか伝えてきました。サリー州ドーキング近郊の古いチューダー形式の家リッジファームで練習をする時、ブライアンはいつもみんなを遅くまで寝かせず、興味深いポイントを望遠鏡で見せるのです。

最近はそこで過ごせることは多くないようですが、ブライアンが住むのはケンジントンの質素な地階フラット、彼の性格がよく表れている場所です。変化を嫌う人なので、そこにある多くは昔から大切にされてきたものたち。リビングの主役は古く巨大なハーモニウム(少しオルガンに似ています)、ブライアンが慎重に分解し、組み立て直しました。古い暖炉からギターを作った人ですから、ハーモニウムなんて全く問題なしです。

フラットじゅうを跳ね回っているのは、ちょっとどう猛な彼の黒猫スモーキー(※)。そして至るところにペンギンがいます!

「ペンギンにはいつも魅せられてきた」と笑うブライアン。「それがファンに知られたら、あっという間に何百と送ってもらえるようになったんだ!ペンギンのブローチ、ニットのもの、フェルトのもの、木製のもの ー ありとあらゆるものをもらった。 どれも大好きだけど、一番気に入っているのは多分ブローチかな。ジャケットに付けているものと、ギターケースに付けているもの」

フラットの外にはブライアンの大きなぜいたく、赤い派手なスポーツカーが停まっています。でもそれを除けば彼の暮らしは地味で目立たず、全く派手ではありません。

「家にいる時は室内で過ごすのが好きだ。音楽を奏で、本をたくさん読んでのんびり過ごす、ほとんどそれだけだよ」

もしミュージシャン仲間の誰かのライブが近くであれば見に行きます。音楽業界の知り合いは多くはありませんが、スレイドやブラックサバス、イアン・ハンターなど、少数の親しい友人がいます。

そしてもちろん、ブライアンは仕事をします。たとえ家にいても。バンドを長時間忘れることはないのです。 

彼は曲作りに細心の注意を払い、内容が正しいか常に確認します。例えば「オペラ座の夜」のために「預言者の唄」を書いた時は、徹夜で聖書を読みました。

「僕はディテールがとても気になるんだ」と彼。「というより何もかもが気になる! 自分ではどうしようもなくて ー それが僕だから。すると今度は他人が僕を気にする。すごく悲しそうに見えるからと。そういうのがずっと続くというわけ」

ブライアンはまた、舞台上での自分の見え方にも気を使っています。好きな色はほどよく劇的な効果がある白と黒。彼のステージ衣装で最も知られているのは著名デザイナーのザンドラ・ローズが彼のためにデザインしたゆったりしたチュニック。そして前回のツアーでは彼自身が依頼した美しいダブレットのトップスを着ました。

「あれはヴィクトリア&アルバート博物館で見たエリザベス朝のトップスの完全なレプリカなんだ。すごく気に入ったので、同じようなものをデザイナーに依頼した。本当に美しかった。作るのに何か月もかかったし費用もとても高くついたが、その価値はあったと思う!」

実にブライアンらしいです。彼が何かに関心を持つと、そこに頑張りすぎの文字はありません。彼は完全主義者です ー それは彼の音楽でわかりますよね!

次週は ― ロジャー・テイラー

(※猫の名前はおそらく ”スクイーキー” の間違い)

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(1976年3月)

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