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ブライアン&ロジャーインタビュー(Jackie誌 1975年2月)

PEET MEETS QUEEN.
STATE VISIT
ピートがクイーンと会う
STATE VISIT 

(※state visit は国家元首などの外国の公式訪問の意、バンド名にかけている)

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皆さん覚えているかもしれませんが、昨年のクイーン初の大がかりな全米ツアーはギタリストのブライアン・メイが肝炎で重病となって途中で中止せざるを得ませんでした。

今月、クイーンはアメリカに戻って2度目のツアーをしています。今回はもっと運がいいことを願って!

アメリカへ発つ予定の2、3週前に僕は彼らと話しましたが、みんな行くのを楽しみにしていました。

「前回のツアー中、僕たちは向こうで素晴らしい時を過ごした」とブライアン・メイは言いました。「もちろん、僕は後半は楽しめなかったけど。体調を崩し始めたので。でも最初は本当に最高だった」

「イギリスとは全く違う」とドラマーのロジャー・テイラー。「本当に変わった体験だった ― まるで長い夢みたいに」

「毎日別の町を見た。とてもエキゾチックだったり、そうでもなかったり ― でも全部が面白くて、楽しかった」

「ツアー中のバンドであるという状況全体がこちらよりずっとエキサイティングなんだ」とブライアン。「特に僕たちはモット・ザ・フープルのサポートグループとしてツアーしていたから。最高の友人たちだ。みんなと仲良くやれるとずいぶん快適になる」

多くのグループにとって、初めてのアメリカツアーで一番怖いことのひとつは観客の数がイギリスよりずっと多いことです。

「最大で一度に14,000人の前で演奏した」とロジャー。「3,000人より多いことはめったにないイギリスとは全然違う。でも、観客のサイズに慣れればこちらでやるのとそれほど違わない。少し多いというだけだよ!」

「アメリカで実力がはっきりする人が多い理由はそれだ」とブライアン。「ただ登場して演奏するというわけにはいかない。役者になり、会場の観客全員にいかに演目を見せるかを学ぶ必要がある。最初は難しいよ」

「確かにきつい」と同意したロジャー。「いくら才能があっても、ストリートからそのままステージに立って満員の会場を楽しませることはできない。やり方を学ばなければならないんだ」

「念のため言っておくけど」と笑うブライアン。「僕たちは長年学んできたんだよ! モット・ザ・フープルのサポートグループとしての演奏に長い期間を費やした。実は一緒にいることに慣れすぎて、自分たちだけでやるようになると彼らがいないのがすごく寂しかった!」

それまでアメリカに行ったことがなかったので、クイーンは観客が彼らにどう反応するかわかりませんでした。しかし到着すると嬉しい驚きがあったのです!

「ステージ上はとにかく最高だった」とブライアン。「信じられなかった。ファンにどのように受け止めてもらえるかわからないまま向こうまではるばる行ったわけだから。僕たちとってすべてが初めてで、着いた時はよそ者のように感じた ― ステージに立ち、ファンのみんなが『ようこそクイーン』というバナーを振ってくれているのを見るまではね。おかげで最高な気持ちになれた」

「素敵な瞬間がいくつかあった」とロジャーが言いました。「例えば、観客に気に入ってもらえるとこちらにはない習慣がある。アンコールの間、みんながキャンドルやライターに火をつけて掲げるんだ。あの小さな明かりの数々を見るのはすごい」

「あれは美しい」とブライアン。「本当に泣かされるよ!」

二人の意見が一致するのは、アメリカ全体で彼らの一番お気に入りの町はニューオリンズだったこと。

「本当に素晴らしい場所だ」とブライアン。「あらゆるバーに音楽があって雰囲気は最高、通りを歩くだけでパーティーにいるようなんだ!」

「僕たちが滞在したのは有名なフレンチクオーター地区。とても良かった。5日間いたけどコンサートは一本だけだったので町を見て回る時間がたっぷりあった」

「泊ったのはマリー・アントワネットというホテル。美しいフランス建築で外観はとても古いが中はモダンでいい感じ。素敵だった」

ニューオリンズがお気に入りの町なら、一番嫌いだったのはニューヨークと二人の意見は一致します。

「最初の2日間は本当に嫌だった」とロジャー。「衰退しつつある都市なんだよ。有名な高層ビル群を見るのが待ちきれなかったとする - 近づいてみると全部の壁に汚れたひび割れが入っている。すごくみすぼらしい」

「でも2,3日過ごすと慣れてきて、最終的には結構好きになった。ほら、最初の2日はコンサートがなかったから。けど演奏を始めたらすぐ観客がフレンドリーなのがわかって、快適に感じ始めた」

「自分たちを気に入ってくれている観客の前でプレイするのは世界一最高の気持ちだ」

クイーンはその気持ちをこれからの数か月できっとたくさん経験することでしょう!

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