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旅先でピンチをのり切れなかった話   台湾離島蘭嶼にて

蘭嶼で失敗しないための教訓を情報として2つシェアします。
① 蘭嶼では船のチケットを売っていない
② 蘭嶼では飛行機のチケットを売っていない

結論は、蘭嶼脱出のチケットを持たずに蘭嶼にはいると大変苦労しますよ、ということです。

以下は、私が実際に遭遇した状況を長々と説明したものです。しかし、①②さえ記憶いただければ必ずしも読まなくても大丈夫です。

蘭嶼の位置。ちなみに右上は与那国。

島民優先システム

2019年10月12日、この日私は蘭嶼の開元港で緑島行きフェリーの入口の前で現金を手にして空席待ちでならんでいた。新たな乗船客が来るな来るなと必死に念じていた。仕組みはこうだった。
①予約チケットを持っている人は船に乗れる。
②空き席があれば地元島民は現金で乗船できる。
③出航時刻になってまだ空きがあれば、チケットを持っていない一般客が現金で乗ることができる。

その時まだ仕組みを知らなかった

私のステータスは③だった。ただし、先頭に並んでいたので③のなかでは優先順位第一位だった。15:00出航予定に対し14:45段階で定員までのカウントダウンが残り17ぐらいになった。だんだん自分が置かれている状況が飲み込めてきた。

次々、容赦なく立ち去りを命じられる

はじめ、私の後ろにステータス③の人が20人ぐらい並んでいた。15人、10人へと減っていった。その人達は、チケットを持っている人や島民が来るたびに列からの立ち去りを命じられていた。14:57、出航まで残り3分ぐらいの段階で私を含め3人になっていた。

蘭嶼という島

波が崩れる瞬間の透明なブルーグリーンは最高!

もちろん台湾原住民・達悟族の島であるが、同時にマリーンスポーツの島でもある。人気の島だから休日はなかなか船や飛行機のチケットがとれない。私は幸運にも台東から蘭嶼に行く飛行機のチケットだけとれた。蘭嶼に行きさえすれば後は現地調達でなんとかなるだろうと思って大喜びした。通常は週末の一泊二日で行動するのだが、この時は国慶日の連休で二泊三日の予定で行動した。はじめに飛行機で蘭嶼に行き翌日は船で緑島にわたり最終日に緑島から台東富岡港に行く予定だった。島から出るチケットは島に行った人だけが買うわけだから競争倍率は当然低いはずだと思った。それが大きな誤りだった。

チケット売り場はない

蘭嶼から緑島に渡るには船しか無い。開元港からフェリーに乗る。出発の日の朝、港に行って船の切符売り場を探した。

無い!  
まさか!  
そんなはずはないだろう!


お土産屋さんに入り切符を買いたいと訴える。やはり無いと言われる。
その代わりアドバイスをくれた。

「船の入り口で現金を払えば乗れるよ」
とのことだった。

多少の不安を覚えながらも、そういうことかと理解して立ち去ろうとした。

おばちゃん追いかけて来る

売店のおばちゃんが店の外まで追いかけて来てくれて、緑島行きの船に乗るために並ぶ看板のところに、先頭となるように荷物を置いていけという。そして船の出発の2時間前に戻ってこいと言う。いくらなんでも2時間前は早すぎるだろうと、荷物を置いて身軽になってもう一度島内観光に出かけた。スクーターを借りて島を走り回る。出航の1時間前ぐらいに戻ってきて唖然とした。

いつのまにか、こんなに人が増えた!

嫌な予感

すごい人の列だった。みると周りの人達はみな手にチケットを持っている。嫌な予感がする。どこで買ったのと尋ねてみると最初から持っているという答えだった。なんとかなるのか、ならないのか急に不安になる。

女神現る

そこになんと救世主、女神が現れた。同じ会社の台湾人がいて偶然八合わせた。しかも通訳だ、ありがたい。私がチケットを持っていないこと、現金で乗るつもりで並んでいることを聞いて大いに心配してくれた。緑島行きの船の入り口までついて来てくれて、冒頭に記述した優先順位の仕組みなどを係員から聞き出してくれた。さらに彼女は、言葉の不自由な外国人をなんとか船に載せてやってくれと頼んでくれた。しかし、係員からは「船のチケットを買ってこなかったのが悪いんだよ」切り返されてどうしようもなかった。

女神立ち去る

彼女たちは台東行きのフェリーに乗る予定で、そちらの方が出航時刻は先だった。心配そうにこっちを見ながら立ち去っていった。

出航時刻到来

15:00出航時刻となった。このときまでに列からの立ち去りを命じられなかったのは私一人だけだった。定員250名ぐらいの規模の船で、現金で乗船できた一般人は私一人だけだった。あぶなかった。ふーっ。お土産屋のおばちゃんのアドバイスが決め手になった。先頭の位置に荷物をおいて、それをキープする。結果から言えば、一番でなければダメだった。出航2時間前に戻れと言ったおばちゃんのアドバアイスの凄味は、実にここにあったのだ。

船上にて

海は荒れ気味で、船酔いドメ薬など持たない無防備な私はすぐに酔ってしまった。トイレに長居することになった。日焼けして真っ黒(真っ赤)になっているはずの私の顔を鏡で見ると真っ白だった。本当に不思議だと思った。不思議なことはもう一つ有った。トイレが船尾にあったこと、トイレに長居していた関係で気づいたことだが、船の乗務員一人が、最後部甲板の手すりにつかまり最初から最後までずっと立っていたのだ。

推測

私は今日の今日まで、ずうっと「幸運にも切り抜けられた」と思っていた。おばさんのアドバイスを受けて私一人だけピンチを切り抜けたと思っていた。こうして原稿を書き始めて思うことは、実は私もアウトで、あの乗務員さんが一つ席を開けてくれたのではないかと直感し始めた。そうであれば、私は自力でピンチを切り抜けてなんかいなかったことになる。出航時刻丁度に一人だけ生き残るというのは出来すぎたストーリーだったとやっと気づく。推測だが、船員さんの配慮に助けられたんだと、そう感じる。そんなまさかが、ここ台湾ならあり得る!そう気付くまでにまる三年もかかってっしまった。
遅まきながら、ありがとう、乗務員さん!ありがとう、通訳さん!

旅の補足情報

同じく、蘭嶼に飛行機のチケット売り場はありません。

蘭嶼空港にて

ただしこちらは当日の電話によるチケット取得ができるはずです。語学に自信のある人はチャレンジしてみてください。ネット予約は4席ですぐ満席となりますが、当日電話席は空いている可能性があります。

4人のネット予約は満席。しかし、当日電話で押さえる残りの席はガラガラ。


また蘭嶼にはタクシーはありません。私はこの点でも失敗したのですが、長くなるのでやめておきます。

謝謝

読んでいなくても、ここまでスクロールしてくれたことに感謝します。
冒頭の①②だけお届けできれば嬉しいです。

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