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企業価値に注目、興味、関心を寄せる「(真の)投資」を教えてくれたのは、熱意のこもった月次レポート

↑の記事でも書きましたが、最近、株式投資を始めてからの20年の過程を振り返ることが増えています。誰かに尋ねられたわけではなく、自分で整理しておきたい理由があるからなのですが。

正確にどのタイミングまでか、というのは自分で線を引くことはできない、実際には線を引けるようなものでもないと感じるのですが、結構な長い期間、僕の注目、興味、関心の対象は「価値」(企業価値)に向かっていませんでした。主たる関心対象ではなかった。

より大きな関心を向けていたのは「価格」(投資信託の基準価額や株価)、「フィー」でした。

「価格」よりも「価値」なんだ。そう腹の底に据え付けられたのは、この2、3年のことかもしれません。「(真の)投資」の境地ではなかったと思います。20年続けてきたのに、その期間の大半で「価格」に関心が向いていたのです。

何をもって「(真の)投資」とするのか、それは人それぞれだと思います。ですから、ここでいう「投資」とは僕個人の捉え方、認識、パーセプションです。

僕にとっての「投資」とは、投資している対象は自分自身が関わっている、会社であればその営む事業に参画していることです。投資からもたらされる果実を決めるのは、その対象が創り出した「価値」です。それがあってこその「価格」です。したがって「価値」が何かをしっかりと掴むことが極めて重要なのです。

どんな事業でどんな「価値」がどのように創られているのか。なぜその「価値」が創られるようになったのか。そこに関心を向ける。自分で調べたり、考えたりしてみる。それは新しい学び、そして、問いをもたらしてくれる。それにこの2、3年で気づくことができました。

関心の対象を「価格」から「価値」へと転換させてくれた、そして、「価値」に関心を向けることから新しい学び、問いがもたらされることに気づかせてくれたのが、毎月追加投資している投資信託の月次レポートです。個人的に大きな影響を受けた月次レポートとして特に感謝している3つの投資信託を挙げてみます。

鎌倉投信さんの『結いだより』

運用状況の月次開示とあわせて、投資先の会社の情報、イベント情報、コラムなどを掲載しています。投資家の皆様、投資先の企業、鎌倉投信を結ぶことを目的として、投資のご経験が少ない方にもわかりやすい内容を心掛けています。

スパークスさんの『厳選投資』

『厳選投資』の月次レポート、このレポートを毎月読むようになって、他の月次レポートの見方、読み方も変わりました。

おおぶねシリーズ

フルサイズのレポートは現在、受益者限定になっていますが、おおぶねシリーズのレポートからのインパクトもメチャクチャ大きいものがあります。

これらのレポートから感じるのは、投資先の会社の事業を、その事業が創っている価値を、伝えようとする熱意です。毎月その熱を浴びることで段々とわかってきました。

株価やフィーではない、「価値」なんだ、と。

他にも、徐々にですが、投資先の企業価値により重きを置くレポート、発信が増えてきているのを感じます。

2021年9月に始めた試みが「月次レポート研究所」です。

この試みを続けてきたことで生まれた仮説があります。

企業価値にフォーカスした「月次レポート」が増えれば、「価値」に関心を寄せる投資家が増える

「価格」ではなく「価値」に関心を向けることで、学びが増える。僕はそう感じています。株式投資の過程で「価値」に関心を向けること、そこから学びを得ようとすることは、とても有意義なことだと感じています。

投資信託の月次レポートの内容が株価や市況、「価格」その値動きのことばかりで占められていたら、投資家の興味は株価、基準価額の騰った/下がったに向かう。それは当たり前、当然のことです。

投資先の事業の内容、さらに、その判断に至ったプロセス、根拠まで示されることで、投資家の関心は、騰った/下がったから別の方向に向かい始める。そう思うんです。

投資先の事業を、価値を、そしてそれをどう見極めたかを語る月次レポート。企業が創り出す、実現して提供する「価値」に関心を寄せる投資家がもっと増えるような、そんな熱い、熱気を持った発信、レポートを届けてくれる投資信託がもっともっとふえてほしいものです。

投資先の事業を、価値を、自分たちの投資判断に至る過程や行動を、熱を込めて発信している月次レポートには、株式投資は新しい発見の宝庫であること、学びの機会に溢れていることを伝えるメディアとして極めて大きなポテンシャルがあります。

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