キャピタルアロケーション ー どんな会社、どんな業種のオーナーなのか? #34 と 投信概況 第178回
このマガジン は株価指数に連動するETFのポートフォリオを定点観測することで、その種のポートフォリオを保有することは、どんな会社、どんな業種の「オーナー」になることなのか、を眺めてみる試みです。
投資信託協会 の月次発表資料からざっくり数字を拾う「投信概況」もこちらに書いています。
投信概況のバックナンバーです。
1. TOPIX
このETFのデータを基にして作成した表です。
実は、このデータは2021年4月末、2022年4月末、2023年4月末も持っています。2024年4月末のトップ30のうち黄色で塗った3社が上記の3つの時点で一度もトップ30に居なかった会社です。一方、2024年4月末含めて4つの時点全てでトップ30に入っていたのは25社です(前回は26社)。
前月末との比較すると、入れ替わりは2社でした。
業種別はこちらのETFのデータから。
前月末との比較では、卸売業が順位を上げました。
2. 日経株価指数
2021年4月末、2022年4月末、2023年4月末、3つの時点で一度もトップ30入りが無かったのが黄色で塗った5社です。2024年4月末含めて、4つの時点でトップ30に居続けているのが30社のうち21社です(前回は20社)。
前月末との比較では入れ替わりはありません。
業種別はこちらのETFのデータ からです。
前月末から順位の変動はありません。
3. Russell/NOMURA Small Cap Coreインデックス
このETFは昨年3月に上場廃止になりました。
https://nextfunds.jp/data/2023/td_230310a.pdf
4. JPX 日経中小型株指数
このETFも上場廃止に、、、
https://www.am.mufg.jp/fund/topics/__icsFiles/afieldfile/2024/03/13/20240313_181492.pdf
JPX 日経インデックス 400 及び JPX 日経中小型株指数の構成銘柄の定期入替について
5. S&P 500
30社のうち 2021年4月末、2022年4月末、2023年4月末の時点で一度もトップ30入りしたことがなかった会社は黄色で塗った1社でした。2021年4月末、2022年4月末、2023年4月末、2024年4月末の4時点ともにトップ30入りしているのは18社です(前回は18社)。
前月末からの入れ替わりはありません。
業種別は こちらのETF で。
前月末との比較では、公益と不動産の順位が入れ替わりました。
6. MSCI ACWI Index
2022年4月末、2023年4月末の両方の時点でトップ30に入っていなかったのが、黄色で塗った2社です。2022年4月末、2023年4月末、2024年4月末、この3時点全てでトップ30入りしているのは22社です(前回は21社)。
前月末との比較では2社入れ替わっています。
業種別は 日本を除いたポートフォリオになっているこのETFからです。
7. NASDAQ 100
黄色で塗った4社は2023年4月末はトップ30に入っていませんでした。
業種別はこちらのETFからです。
上位10社、上位20社、上位30社への集中度の推移
上のデータを作成した6つのETFについて、上位10社、上位20社、上位30社のウエイトがどうなっているのか、どんな風に変化してきたのか、を見たのが下表です。
上位10社
上位20社
上位30社
この上位投資先への集中度には特に関心を持っています。
こんな仮説を持っています。
パッシブ運用の割合が高まれば高まるほど、インデックスファンドの上位投資先への集中度が高まる。
パッシブ運用は通常、時価総額の大きな会社から順に「買収」していくことになると考えられます。ですから、パッシブ運用が相対的に増えると、時価総額の大きな会社への集中度が高まっていく。こう考えたのです。
上表を見る限り、多くの株価指数で上位の会社への集中度がじわじわと高まっているように感じられます。こうした状況をどう考えるのか、どう捉えるのか。これこそが僕がこの定点観測で抱いている「問い」です。
じっくりと観察を続けていきたいと考えています。
投信概況 2024年4月末
noteに引っ越して15回目です。
データはこちらからです。
株式投信の残高が211兆円、前月末比微増。3ヶ月連続の200兆円超。
4月も設定額>解約額となりました。5ヶ月連続です。
個人的に注目の投信会社です。
次回をお楽しみに。
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