見出し画像

NVIC "おおぶね" 月次レポートを読んで ー 2021年8月

毎月の更新がとっても楽しみな、
農林中金バリューインベストメンツ #NVIC  さんの
#おおぶね #おおぶねJAPAN #おおぶねグローバル  
の月次レポート。

https://www.nvic.co.jp/fund/

おおぶねJAPAN、おおぶねグローバル、月次レポートは以下のリンクからご覧になれます。

↓ おおぶねJAPAN ↓

↓ おおぶねグローバル ↓

おおぶね はNZAMさんのWebサイトに載せられています。

おおぶねJAPANの月次レポートで詳しく説明されている投資先の会社は

#ベネフィット・ワン  さんです。

ベネフィット・ワン
福利厚生で“Win-Win”を実現するサービスプロバイダー

僕の勤務先でも利用しています、してました?そんな感じです。

産業付加価値、競争優位性の観点からのNVICさんの評価は月次レポートでご確認ください。競争優位性の箇所で説明されている「参入障壁」がどのように形づくられるのか、それには色んなパターンがあることを感じます。

業績推移です。

ベネフィット・ワン_業績

売上高は左縦軸、利益は右縦軸の目盛です。

右肩上がりの増収増益であることが見て取れます。

ベネフィット・ワン_ROA

収益性も高まっています。2021年3月期のROAは27%。スゴいですね。

ベネフィット・ワン_BS

総資産に対して固定資産が2割程度と、バランスシートは身軽な感じです。

2021年3月期の決算説明資料 からです。

スクリーンショット 2021-08-22 8.04.26

2012年3月期以降のキャッシュフローを見ても、投資キャッシュフローは多い期でも20億円足らずと、乾坤一擲的な投資をしていません。

この資料の中でこんな計画が示されています。

スクリーンショット 2021-08-22 8.07.58

アグレッシブな計画が発表されています。P/Lの数字は示されているものの、投資については少し物足りない、、と言いますか、この計画が達成した際のB/Sのイメージが無いんですよね。

スクリーンショット 2021-08-22 8.10.41

「マーケティング投資」と説明されいますが、資産取得というよりも費用の印象です。この投資だけで上記のアグレッシブな計画が達成できるってことなのでしょうか。

アグレッシブな計画が達成されるのか、どんな道のりとなるのか、注目されますね。

おおぶねグローバルの今回のトピックは おおぶね と同じです。

United Technologiesから分離されたOTIS と CARRIER について詳しく解説されています。

OTIS

オーチスの事業は、エリシャ・オーチスが発明した落下防止装置を1853年の万国博覧会で発表したことを契機に創業され、安全性に問題のあったエレベーターがより実用的なものとして普及していくことで、その市場の成長を享受してきました。現在、世界 市場シェアの3/4が当社を含む大手5社で占められています。

エレベーターに乗ると見かけた記憶があります、OTISの文字。

業績の推移です。

OTIS_業績

売上高は右側縦軸、利益は左側縦軸の目盛です。

データが少ないので流れはわかりにくいのですが、安定感ありそうです。

上記の安全性と信頼性を維持するため、定期的なメンテナンスサービスが必要とされ、エレベーターのハコを納入した後も、長期的なメンテナンス収益を享受することができるという点は航空機分野と同じです。オーチスの売上のうちサービス収益は58%を 占め、営業利益ではサービス収益の占める割合は83%に達します(2020年)。

メンテナンスサービスで「参入障壁」を築いている、との評価です。

画像8

総資産回転率は右側縦軸の目盛です。

総資産回転率が1を超えている通り、資産規模がほどほどに抑えられていることが分かります。なお、バランスシートの株主資本は現在マイナス、債務超過となっています。

高いROAについてのNVICさんの評価です。

モノとしては比較的単純な仕組みであるため設備投資や研究開発負担が重くない こと、といった競争環境や財の性質に関する要素が作用して、オーチスのエレベーター事業は高いROA(資産利益率)、すな わちより少ない資産で効率的に高い収益を稼ぎ出すことができるものと評価しています。

CARRIER

こちらは正直、馴染みがありません。

キャリアの事業は、ウィリス・キャリアが世界で初めて電気式のエアコンディショナーを発明し、以後爆発的に普及してゆきました。 現在、世界の空調市場シェアを全体で見ると、キャリアを含む大手5社で5割弱程度を占めるにとどまりますが、日本で一般的である部屋ごとに室内・室外機を置く方式や、米国で主流である一箇所の熱源でダクトを使って各部屋に空気を届けるユニタ リー方式など、技術方式がさまざまで、地域ごとの差異が大きく、カテゴリー別に見た場合には、寡占化が一定程度進んでいると 評価しています。

業績推移です。

CARRIER_業績

CARRIERはサービスの売上比率は17%程度となっており、OTISと少し様子が違っています。

画像10

OTISと違って、総資産回転率は1を割っています。資産規模がOTISの2.3倍。総資産に対して非流動資産が66%と、重めのバランスシートがその原因と見られます。

画像11

CARRIERは債務超過ではありませんが、財務レバレッジは強めです。

レポートではこんな予告がありました。

NVICでは、キャリアのほかグローバルな大手事業者との面談を重ね、空調事業に関する分析を蓄積しており、次月のレポート にて詳しく紹介させていただく予定です。

どんなレポートになるのか、来月が楽しみです!待ち遠しい!

投資先だけでなく、その周りの会社についても関心が広げられることはとても楽しいことです。何が「参入障壁」になっているのか、それはどのように築かれているのか、どうやって維持されるのか、強化(弱体化)させるための行動は何か、を自分なりに考えてみる、想像してみる、NVICさんの見立て、評価を知ることは大変刺激的ですね。

NVIC "おおぶね" 月次レポートを読んで、次回をお楽しみに!

前回はこちらです。


サポート頂いた際は、TableforKidsへの寄付に使わせていただきます。 https://note.com/renny/n/n944cba12dcf5