見出し画像

スパークス・アセット・マネジメントの月次レポートを読んで #32(2022年12月末)

スパークス・アセット・マネジメントさんの運営するファンドの月次レポートを読んでみる定点観測です。

スパークスさんのnoteの記事です。

Letters From SPARX がリニューアル!


2021年4月から続くこの「Letters From SPARX」も、もうすぐ丸2年を迎えようとしています。そこで今回は改めて、運用会社としてこのnoteを通じて情報を発信する意味を考えてみました。

この Letters From SPARX の中身を大幅にリニューアルされました。

これまでは運営されているファンドの月次レポートの解説、紹介がメインでした。

しかし、今回からは noteのためにつくられたコンテンツになったようです。

企業オーナーである皆さんと投資先企業の距離を最小化し、「世界中にもっといい投資を」お届けすることが、私たちのミッションです。これからのnoteでは、毎月のレポートだけでなく、日々の運用の中で私たちが見たこと、聞いたこと、感じたことを、出来るだけ分かりやすくそして面白く、お伝えしていければと願っています。

今回は、厳選投資の投資先、日立製作所さん、ファーストリテイングさんの具体的な動きから「世界水準での競争力確保」について述べられています。

全ての企業が日立製作所やファーストリテイリングの様に、変化に対して合理的な判断・対応が出来ているとは限りません。私たち運用会社が主体的に企業を選別し、資本配分を最適化する意味や意義について、深く考えさせられた瞬間でした。

次回以降の Letters From SPAX も楽しみです!

では、スパークスさんの運営されているファンドの月次レポートをいくつか眺めてみます。

スパークスさんの月次レポートで素晴らしいと思える理由。
ファンドそれぞれの報告、発信から「ここをもっと自分で調べてみたいな」と感じさせてくれる”学び”のきっかけがあるから、です。

各ファンドの投資先の会社を紹介している箇所を重点的にピックアップされていますが、その説明の中で株価(市場の評価、価格)についてのコメントが非常に少ないのも極めて大きな特徴です。投資先の会社の「企業価値」の観点で説明されています。

企業価値を探究する、探究しているファンド だと感じます。

この姿勢に関心を寄せ、支持する投資家が一人でもふえて欲しいと願っています。

スパークス・ジャパン・オープン (愛称:キョウソウの架け橋)

2022年12月末基準の月次レポートでは、投資先の「コクヨ」さんとの”対話”について詳しく説明されています。

最新のミーティング(2022年12月開催)においては、コクヨ自らが投資家と議論したいポイントを「中⻑期戦略にかかるディスカッションペーパー」という形でまとめて、フィードバックを求めるという形態で進められました。このディスカッションペーパーは経済産業省作成 の「価値協創ガイダンス」をベースに作成されています。
価値協創ガイダンスは企業に対して開示内容を5つの項目(①価値観、②⻑期戦略、③実行戦略、④成果と重要な成果指標 (KPI)、⑤ガバナンス)とそれぞれの詳細項目という形でまとめることを推奨しており、コクヨはそれに従いディスカッションペーパーをまとめています。

このアプローチは企業が定性情報について外部フィードバックを受けるという観点において大変有効だと感じます。

実際にコクヨはこのアプローチによって「競争優位性」、「KPI」、「役員報酬」についての開示が足りていないということに自ら気付き、投資家との対話においてはその点についてフィードバックを求めるという進め方に至っています。

対話の内容、未来に向けてどんな会話が交わされたのか レポートをぜひご覧ください。

スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド (愛称:ライジング・サン)

月次レポートでは、投資先の #大栄環境  さんが紹介されています。

同社は産業廃棄物処理の国内大手企業で、2022年12月に東証プライム市場に新規上場しました。産業廃棄物の運搬から中間処理、再資源化、最終処分まで全行程を一気通貫で手掛けていることが特徴です。当ファンドでは、同社のように全行程をカバーする会社はユニークであり、それゆえに独自の成⻑が期待できると考えて投資を開始しました。

レポートを読むまで全く知らない会社でした。お恥ずかしい。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/9336/tdnet/2214995/00.pdf


バランスシート、「固定資産」に”最終処分場”という勘定科目があるのが目を引きますね。

市場の評価です。

2023年2月3日

今後が注目されますね。

スパークス・新・国際優良日本アジア株ファンド(愛称:日本アジア厳選投資)

2022年12月末の上位10社です。

2022年12月末

前月末です。

2022年11月末

11月末と比較すると投資先は1社増で35。

上位10社のうち2社入れ替わっています。

月次レポートでは2022年の投資行動、ポートフォリオの現状について述べられています。

当ファンドは2022年に、日本電産など成⻑見通しが不確実でバリュエーションが割高な組入銘柄を売却しました。2022年末時 点では、中国の消費関連銘柄やインターネット関連銘柄、半導体関連銘柄の組入比率が大幅に増加しています。当ファンドは中 国に投資するリスクを認識しているため、外食産業、スポーツウェアなどの規制リスクが低い企業やインターネット関連など規制面の逆風が弱まっているセクターを慎重に選別しています。

ポートフォリオはこんな感じです。

1年前、2021年12月末 です。

日本のウエイトが10ポイント以上減っていますね。

業種別では食品・飲料・タバコが大きく減っているのが目立ちます。

2021年12月末の上位10社です。

この1年で投資先が10以上増となるなど、色々な変化があった感じです。

今後に注目です。

次回も気合の入ったレポートを読めたらいいな。期待しています!


ここから先は

0字

サポート頂いた際は、TableforKidsへの寄付に使わせていただきます。 https://note.com/renny/n/n944cba12dcf5