純資産総額 500億円超、日本の会社を主な投資対象とするアクティブファンドの月次レポートで確かめたいこと
月次レポート研究所 です。
モーニングスター さんで「国内株式型」の”インデックスファンドを除外”、純資産総額順に並べてみた結果、2022年1月14日時点ではこうなりました。
純資産総額 500億円を超えるファンドは12本。
13本目のファンドは前日まで500億円超でしたが、1月14日、基準価額が下がったことで500億円を下回りました。
ということで、まず、この13本目のファンド、
年金積立Jグロース 『愛称 : つみたてJグロース』 の最新の月次レポートを確認してみます。
ポートフォリオがTOPIXとどんな風に違っているのか、説明している点は良いですね。
「運用概況」からです。
自動車「株」、鉄道「株」・・・投資先の会社の名前が出てきません。前半の投資行動の箇所は、具体的な名前を挙げることを差し控えるのは理解できます。しかし、後半のパフォーマンスの説明の箇所は、寄与が大きい投資先の会社を具体的に示した方が良いのでは、と感じます。
ということで、今回確かめてみるのは、これです。
日本の会社を主たる投資対象にしているアクティブファンドは月次レポートで、投資先の具体的な名前を挙げているか?
です。
次のファンドにいってみましょう。
ノムラ 日本株戦略ファンド 『愛称 : Big Project-N』
最新の月次レポート からです。
「運用経過」からです。
具体的な名前が出ていますね。
投資行動に当たるところなので、具体的な名前が伏せられるのも理解できますが、こんな風に「損保大手の一角で、介護やデジタル事業での収益貢献や株主還元策の拡充が期待される」と表現するくらいなら、もう固有名詞出しちゃいなよ、って思ったりします。
あと、保険業「株」なんですね。
フィデリティ・ジャパン・オープン
ファンドのページは こちら。
最新の月次レポートからです。
「運用状況」からです。
オリンパス、SMC、・・・と具体的な投資先の名前が挙げられています。株主還元の拡大が見込まれる「企業」と表現されている点も見逃せません。上の2つのファンドは「株」でした。
JPM ザ・ジャパン
最新の月次レポートからです。
時価総額別の構成比が載せられています。
投資先の紹介に、「投資の視点」が述べられています。
3ヶ月前の上位20社を紹介。
「運用状況」からです。
このパートは、投資先の具体的な名前を挙げていません。そこまで書いているなら、、、と思いました。
東京海上・ジャパン・オーナーズ株式
最新の月次レポートからです。
このファンドも規模別(時価総額)の構成比がありますね。
個別の投資先の紹介も。
株価ではなく業績を示しているところにも好感です。
上位の投資先について概要が述べられています。
「運用状況」です。
投資行動、投資先の入れ替えを具体的に書かれているのは「スキ」です。
投資先の具体的な名前は挙げられていませんね。「過去の売上の計上時期に関する調査を開始すると発表」というのはちょっと気になっちゃいますね。
いちよし 中小型成長株ファンド 『愛称 : あすなろ』
上位の投資先、企業概要がしっかりと述べられていますね。
「運用状況」からです。
上位の投資先について具体的な名前を挙げて説明されています。
ニッセイ 日本株ファンド
このファンドは「ガッカリさん」ですね、、、
投資先が全部で何社あるのか、がわかりません、、、、
「ファンドの状況」ですが・・・
太字の部分、これは株式市場全体のお話ですよね。ファンドがどうしたか、ではありません。ファンドは「中大型の割安度の高い銘柄の比率を高めた運用戦略」ということのみで、、、
で、このファンド、
「つみたてNISA」対象ファンドなんですよね、、、
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド
このファンド、ピックアップしようか迷いました。
月次レポートはちゃんとしてたので取り上げます。
上位10社の収益率まで載せられています。
さらにどの投資先が基準価額の変動にどれだけ寄与しているのか、も示されています。
投資先全てのウエイトも報告されています。
「運用経過」です。
投資先の名前が明らかにされています。
スパークス・新・国際優良日本株ファンド 『愛称 : 厳選投資』
↓↓ の記事をご覧ください。投資先の具体的な名前はしっかりと明示されています。
ひふみ投信・ひふみプラス
「アクティブシェア」が掲載されています。
ひふみプラスのレポートには投資先の紹介も。
レポートの中のファンド運営経過に当たる箇所を確認してみると、個別の会社の名前が特に見当たらないことに気づきました。
さわかみファンド
月次レポート からです。
”Dip your toes” 慎重に組み入れ ってことのようです。
10月末時点の投資先が全て閲覧できるのですが
特徴は示されていません。受益者の皆さんはご覧になれるのかもしれません。
フィデリティ・日本成長株・ファンド
ファンドのページは こちら。
情報が結構、充実しています。
「運用状況」
ソニーグループ、Zホールディングス という具合に、投資先の具体的な名前が明らかにされています。
1年後、何か変化が見られたのか、確認します!
ご意見は諸々あるか、と思いますが、どの会社に投資するのか、投資しないのか、その判断を投信会社に委ねるのがアクティブファンドです。ですから、やはり、投資先の具体的な名前は示されるべきではないか、と考えます。もちろん、目標の比率まで組み入れが進んでいない等の事情があれば明らかにしないというのは理解できますが。
ということで、今回取り上げてみたファンドについては1年後、月次レポートに何か変化が見られたか、月次レポート研究所 で確認してみようと思います。
1年後をお楽しみに!
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