もうすぐ会員800万人。上場会社がnoteでIRに取り組む意味を投資家目線で妄想してみた
池松潤さんの記事です。
#IRnoteマガジン をテーマにした座談会が行われました。
IRnoteマガジンとは、投資家向けにnoteで情報発信されている上場会社さんを集めたマガジンです。
この座談会の実現に大きく関わられた小野和彦さんの記事です。
ちょっぴりこの座談会に僕も関わらせてもらったので、投資家から妄想する上場会社がnoteでIRに取り組む意味をあらためて書いてみます。
実は、昨年4月にこんな記事を書いています。
IRマガジンに期待したいこと、として「自由曲」を、と書きました。ちょっぴり、いや、かなり抽象的ですね。
この記事から約1年。今回の座談会に関わって少し解像度が上がった気がします。
その会社の投資家ではない人、その会社の存在すら知らない人と出会う可能性
noteで発信するということは、もうすぐ800万人に到達しようとするnoteの会員の皆さんと出会う可能性がある、ってことだと考えています。
800万人のうち、特定の会社A、その投資家向け情報を求めている人、能動的にサーチしている人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。大企業ならそれなりの数が見込まれるかもしれません。でも、大企業でさえもまだまだ少数のような感じもあります。
つまり、800万人のうち大多数の人は、上場会社がnoteでIR発信をしていることを全くご存知ない可能性が高いわけです。でも、何かのつながりで出会える可能性があります。
他方、既に株式を保有している投資家、その会社をウオッチリストに入れている投資家。こうした皆さんはその会社のWebサイトでのIRページに定期的、不定期的に訪れることでしょう。いわばPULL型の投資家です。
PULL型の投資家の皆さんは「この会社、noteではどんな発信をしているのだろうか」という関心を持って、noteにお越しになるものと想像します。
これらのことを考えると、
自社WebサイトのIRページとは「一味違った」記事がnoteでは求められる
という仮説に至ります。制作チームの皆さんには、しんどい話かもしれませんが。
そこで「一味違う」記事(「自由曲」)として、こんなIR記事はどうかしら、という提言です。
提言その1 創業ストーリー、沿革
その会社のことを知らない人にとって、創業ストーリー、沿革ってハマる可能性が高い、というのが僕の妄想です。
投資家にとっても重要な情報です。とりわけ、投資先へのオーナーシップを意識している投資家にとっては、この種の話が極めて重要なことが多いと感じています。
事業から創られる、提供される価値がどんなきっかけで生まれたのか、それがどのように時間をかけて磨き上げられてきたのか。
それらは将来を想像するのに、その想像の解像度を高めるために寄与してくれる。僕はそう思っています。
こうした情報は自社のWebサイトで待っているのではなく、今まで出会ったことのない人たちと出会える場所に打って出すべきものだと思うんです。
提言その2 どんな人たちと関わって価値が創られているのか
誰がその価値を創っているのか、実現しているのか。多くの場合、その会社の役職員の方が登場されることで、それを説明しようとするケースがほとんどだと感じます。もちろん、その種の情報も貴重で有益だと思います。
僕が提言したいのは、その幅、スコープをもっと広げられないか、ということです。具体的には、取引先、お客さんのインタビューです。
商品のサプライヤー、協働しているパートナーがどんな人たちなのか。この辺りって企業秘密だったりしますので目にすることはごくわずかです。しかし、逆に、こうした情報を公にできるということは、その関係の強さを感じ取ることができます。
お客さん、顧客も同じことが言えます。BtoBの場合、特に、この種の情報は伏せたいもののように思います。ただ、こうした情報が具体的に示されることで、その会社の事業のイメージがグッとクリアになると想像します。
その意味では、投資家との関わりも一つかもしれませんね。長く株式を保有している株主の方との議論がnoteで読めると、大いに参考になりますね。
上場会社が創り出す、実現している価値の中心にいるのは、間違いなく当然に、発行体の会社です。でも、その会社だけで価値は実現することはないし、またそれを磨き上げられることも難しいでしょう。
会社を取り巻く関係者がそれぞれに関わりながら、価値は実現され、磨き上げられていく。
そのプロセスを実感できるような記事をnoteで読むことができたら、その会社のことを何も知らないけれど出会った読者に、「こんな会社があるんだ、株式投資を通じてその事業に関わることができるんだ」と感じ取ってもらえる可能性が高まるのだろう。そんな妄想を抱いています。
IRnoteマガジンの記事制作でご苦労されているチームの皆さん、大変なことも沢山あると思いますが応援しています。
手間のかかりそうな提言ですが少しでもご参考になれば嬉しく思います。
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