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コムジェストさんの月次レポートを読む! #9 (2022年1月末)

コムジェスト・アセットマネジメントさんがファンド運営に携わっている3つの #アクティブファンド  の月次レポートを読んでみる

コムジェストさんの月次レポートを読む!

前回はこちら。


3つのファンドとは

ニッセイ/コムジェスト新興国成長株ファンド(資産成長型)【愛称:エマージング・セレクト(成長)】

ESGフォーカス コムジェスト・クオリティグロース・日本株式ファンド

ESGフォーカス コムジェスト・クオリティグロース・世界株式ファンド

3つのファンドの投資先の選別、投資判断を行なっているのが

コムジェスト・アセットマネジメント さんです。

日本株式ファンドと世界株式ファンドでは、毎月、投資先を2社ずつ紹介するレポートを発信しています。2月に発信されたレポートで紹介された4社から、今回は、世界株式ファンドの投資先、アマゾンをちょっぴり眺めてみます。

アマゾン・ドット・コム

レポートから です。

同社は世界最高レベルの顧客第一志向、イノベーションへの情熱、長期的思考、失敗を恐れない起業家精神、卓越したオペレーショ ンへのこだわりで、数々の既成概念を破壊。技術革新と大規模化 により各市場で高シェアを獲得し、強力な参入障壁を構築。

http://www.shinsei-investment.com/pdf/comgest_sekai_holdings220208.pdf

業績推移です。

売上高(右)営業利益・当期利益(左)

売上高は10年で9.7倍、営業利益は28.8倍、当期利益は52.8倍。

決算書の売上高はProductとServiceに分かれています。それぞれの推移です。

Productも伸びているのですが、Serviceの伸び方がスゴいですね。この10年のCAGRはProductが19%、Serviceは44%となっています。

Annual Reportを眺めてみて印象的だったのが、財務三表の順序。一番最初にキャッシュフロー計算書がありました。他にもこんな会社はあるんだと思いますが、キャッシュフローをまず見てくれよ!っていうメッセージを感じます。

恥ずかしながら、アマゾンの決算書を眺めてみたのは初めてでした。あらためて、スゴさを感じましたね。

ESGに関しては、レポートは以下のように述べています。

脱炭素化に向けた配送用EV(電気自動車)の採 用、廃棄物削減、省エネ型サーバーの導入等の積極的な取組み を評価する一方、情報開示全般の更なる改善に期待。また、従 業員の雇用問題、各種係争(模造品の特許侵害、反トラスト法、 労働組合等)等の改善に向け、エンゲージメントを継続的に実施 している。

情報開示全般の更なる改善 を期待している、とのこと。

ちなみに、世界株式ファンドがアマゾンへの投資を始めたのは2021年4-6月期です(こちら)。

2021年10-12月期レポート、発信されました!

コムジェストさんのWebサイトに2021年10−12月期レポートが掲載されました!

https://www.comgest.co.jp/report/

このレポートも参照しつつ、定点観測していきます。

ニッセイ/コムジェスト新興国成長株ファンド(資産成長型)【愛称:エマージング・セレクト(成長)】

2017年10月に設定されたファンドです。

主に新興国の会社に投資しています。

純資産総額、受益権総口数の推移です。

受益権総口数 推移

2022年1月末は12月末比で受益権総口数が増加、ファンドへの資金純流入となりました。

投資先の概況はこんな推移となっています。

投資先は2021年12月末から1増、37社。香港がトップ10にカムバック。

ファンドでの比率 上位10社です。

12月末との比較では1社入れ替わっています。マルチ・スズキが上位10社にカムバック。

1年前、2021年1月末との比較では6社が入れ替わっています。

2021年10−12月の投資行動、次のように報告されています。

当初の成長見通しが低下した後発医薬品大手ルピン(インド/ヘルスケア)、ティッシュや生理用品等の日用 品メーカーハンアン・インターナショナル(恒安国際実業)(中国/生活必需品)の2銘柄を全売却する一方、ビナミルク(ベトナム/生活必需品)等、今後新たな投資機会が期待される2銘柄の新規投資を実施しました。

https://www.comgest.co.jp/wp-content/uploads/2022/02/ec83a03bed1e9da44ab1e67307940d89.pdf

ルピン(Lupin)はマザーファンドの第10期末に登場した会社です。マザーファンドは2021年12月に第14期を終えましたので、4年程度の保有期間だったと推測されます。
ハンアン(HENGAN INTERNATIONAL GROUP)はマザーファンドの第11期末に登場した会社です。こちらは3年程度の保有期間だったと推測されます。

マザーファンドの第13期末(2020年12月)の投資先にベトナムの会社は見当たりません。閲覧可能な運用報告書でもベトナムの名前は無いので、もしかしたらファンドとして初めてなのかもしれません。コムジェストさんはフランスが本拠の会社ですから縁を感じますね。

パフォーマンス。3年リターンの推移。新興国株式のインデックスファンドと比較してみました。

ローリングリターン 3年

ここまで0勝16敗となっています。

ファンドの月次レポートです。

ESGフォーカス コムジェスト・クオリティグロース・日本株式ファンド

2021年3月に設定されたファンドです。

日本の会社が主な投資対象です。

純資産総額・受益権総口数です。

受益権総口数 推移

2022年1月は12月末比で受益権総口数が減少、ファンドからの資金順流出となりました。5ヶ月連続の資金純流出です。

投資先の業種別推移です。

2022年1月末の投資先は12月末から1減、42社に。
金融、素材のウエイトが上がりました。

上位10社です。

2022年1月末では、12月末から5社入れ替わり。
組入期はマザーファンドの決算期です。2021年12月の決算期が「6」です。
今回のトップ2社は第6期の組入です。オリックスは2021年1-3月期(こちら)、第一生命ホールディングスは2021年4-6月期(こちら) 。

月次レポートでは上位10社に入っていない4社が登場しています。

2021年10−12月期の投資行動は、次のように報告されています。

ワークマン(一般消費材・サービス)を全売却し、Zホールディングス(コミュニケーション・サービス)、ネクソン (コミュニケーション・サービス)の2銘柄に新規投資を実施しました。

https://www.comgest.co.jp/wp-content/uploads/2022/02/ec83a03bed1e9da44ab1e67307940d89.pdf

ワークマンはマザーファンドの第4期(2018年12月〜2019年12月)末に初登場しています。2〜3年の保有だったと推測されます。

ESGフォーカス コムジェスト・クオリティグロース・世界株式ファンド

2021年3月に設定されたファンドです。

世界中(日本含む)の会社に投資するファンドです。

純資産総額・受益権総口数です。

こちらは2021年12月末比で受益権総口数が増加、ファンドからの資金純流入となりました。2ヶ月連続の資金純流入です。

投資先の推移です。販売用資料を参考にしました。

2022年1月末、投資先は12月末から増減なし、36社。
一般消費財・サービスが順位を上げました。

上位10社です。

2022年1月末、12月末から1社入れ替わっています。2020年12月末からは3社入れ替わっています。

上位10社に入っていない3社がコメントで登場していました。

2021年10-12月期の投資行動は、次のように報告されています。

当四半期は、アクティビジョン・ブリザード(アメリカ/コミュニケーション・サービス)、アリババ・グループ(中国/一般消費材・ サービス)、ファーストリテイリング(日本/一般消費材・サービス)、ベクトン・ディッキンソン(アメリカ/ヘルスケア)の計4銘 柄を成長見通しの低下、株価水準の観点等から全売却しました。

一方、新たな投資機会が期待される企業として、コンタク トレンズや眼科専門医向け医療機器大手のアルコン(スイス/ヘルスケア)、大手アナログ半導体メーカーアナログ・デバイセ ズ(アメリカ/情報技術)、産業用ガス世界最大手リンデ(イギリス/素材)、コンクリート混和剤、コーティング剤等の高付 加価値な化学製品のリーディングカンパニーのシーカ(スイス/素材)、格付けビジネスを主とした大手金融データサービスベ ンダーS&Pグローバル(アメリカ/情報技術)の計5銘柄に新規投資を実施しました。
今月に発信されたレポートでは次の4社が紹介されています。

https://www.comgest.co.jp/wp-content/uploads/2022/02/ec83a03bed1e9da44ab1e67307940d89.pdf

かなり大きな入れ替えと感じました。レポートの最初に次のように述べられていました。

世界株式戦略※では、2021年に11銘柄を全売却し、11銘柄の新規組入れ を実施ししていますが、より高い成長性と質を持ち合わせた企業によるポートフォリオ構築に努めました。

2021年12月末の投資先が36社ですから、この1年で約3分の1を入れ替えたということですね。

投資先紹介は、

日本株式ファンドから レーザーテック、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス

世界株式ファンドから アマゾン・ドット・コム、チャーチ・アンド・ドワイトが紹介されています。

3つのファンドの投資先の会社を眺めていると好奇心が刺激されます。
来月も楽しみです。

日本株式ファンドの第1期 運用報告書を眺めてみました。
有料ですが、ご興味あれば。

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