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月次レポート研究所 設立趣意書

株式投資を思い立った理由は何ですか?

自分や大切な家族の将来のため、その資産形成。

そんな動機で行動を始めた人がこの数年で大きく増えたことと思います。

またいち早く行動を始めた人たちの中には、資産形成を順調に進めている人も増えていることと想像します。


さて、株式投資を活用した資産形成。その果実、リターンの源泉についてお考えになったことはありますか。

世界経済の持続的な成長?

確かにそうでしょう。
しかし、仮に、その持続的な成長を支えている会社、企業の大多数が非上場だったらどうでしょうか?
株式投資を通じた資産形成は不可能でしょう。

株式投資を活用した資産形成の前提には、次の2つがあると考えられます。

● 持続的に価値創造、提供を実現している会社、企業が多数、存在していること。

● そうした会社、企業の株式が上場されており、活発な取引が行われていること。

つまり、果実、リターンの源泉は、社会が求めている価値を創出する会社、企業であり、それを評価しその株式に取引の機会を提供する市場の存在なのです。

とりわけ、大事な存在となるのが会社、企業だと考えられます。価値が創出されていなければ、評価、取引に活力など生まれないでしょう。


もう一つ重要なことがあります。果実の大きさ、ゆたかさは、未来に創出される、実現されるであろう価値に大きく依存しているということです。

そう、株式投資は未来を創る事業活動に参加するということなのです。
そこで投じられた資本、資源が時間をかけて手元に戻ってくる、これがリターンとなるのです。

どんな会社、企業に投資するのか、が、未来の社会を形作っている。

いわば『未来づくりの設計図』の実現に投資家は投資を通じて関わっているのです、一人の当事者として。


どんな会社、企業に投資するのか、それを市場に委ねてしまおうというのがパッシブ運用です。どの会社を選ぶのか、その会社の株式をどれだけ保有するのか、その判断を「あえて」行わない。結果として、市場における平均的なリターンを享受することができるわけです。パッシブ運用とは、今、市場が付けている評価に未来づくりの設計図として「賛成」の票を投じる、投資家としての役割、責任を果たすことに近いということかもしれません。


「未来づくりの設計図」を自分で決めて実行したい。それがアクティブ投資です。自ら投資する会社を探し出して、調査、分析して判断する、DIYを貫く方法もあります。プロフェッショナルが設計図をつくっていることもあります。そのプロフェッショナルとは、ファンドマネジャーです。投資を通じてその設計図を基にした建設に関わる、これがアクティブファンドに投資することなのです。しかし、現在、ここに極めて大きな課題があるのです。その課題とは、ファンドマネジャーが作成している「未来づくりの設計図」についての情報が極めて少ない、限られているということです。設計図の内容が明瞭になっていないのに「賛成」の票を投じることは困難ですし、明瞭になっていないものに「賛成」することは責任ある行動でしょうか?


ファンドマネジャーが作成している「未来づくりの設計図」はどこで、どのように示されているでしょうか?投資信託には、その投資の目的等を明示した「目論見書」の作成が義務付けられています。目論見書にはその投資信託の「目的」「プロセス」等の諸々が示されています。目論見書で示される「目的」の多くは​​「xxな日本企業の株式に投資を行い、信託財産の中長期的な成長を図ることを目標に運用します」と紋切り型の表現に終始しており、ファンドマネジャーがどんな設計図を描いているのかをクリアに想像させるだけの内容を伴っていないことがほとんどです。さらに加えると、この目論見書は年に2回程度しか更新されません。


ファンドマネジャーがどんな設計図を描いているのか、それは、ファンドの財産内容、どんな会社の株式を保有しているか、どんな会社のオーナーになっているのか、で示されている。

私たちはそう考えます。

そうした非常に重要な情報を伝えるのに、年に2回程度程度しか更新されない「目論見書」では全く不十分です。ファンドの財産は日次で変更できるのです。極端な話、数日あれば、設計図をまるっきり書き換えることだって可能でしょう。実際、一年経っただけで投資先の会社全体がほぼ入れ替わっている投資信託も存在しています。


投資信託には「運用報告書」も存在します。こちらは1年決算であれば年に一度の発信のみです。運用報告書を閲覧することで、一年前とファンドの財産内容、投資先を比較することは可能です。しかし、それではあまりに間隔が開き過ぎています。


そこで私たちが重視、注目するのが「月次レポート」です。


「運用報告書」は法律で定められた文書のためその体裁には制約があります。一方、「月次レポート」には制約が少なく、投信会社の自由裁量の範囲が広くなっています。ファンドの個性を示す、発揮する絶好の機会となり得るものと考えています。ファンドマネジャーの描く設計図を、また、それを描くために、どんな調査、分析等の行動を為したのか、を自分たちらしく発信することができるはずです。


私たち”月次レポート研究所”は、投信会社、ファンドマネジャーが発信する「月次レポート」に真摯に向き合うことで、それぞれのファンドが描いている設計図を、その先に見据えている未来を、読み解き、その結果を発信していこうと考えています。


私たちの活動に関心を持ってくださった方々が、「月次レポート」を通じて、志あるアクティブファンドファンドへの理解を深め、自分たちの意思で選んだ未来づくりに積極的に参加されることを期待しています。同時に、私たちの活動が、投信会社、ファンドマネジャーの皆さんの未来志向を奮い立たせ、個性ある、独自の「月次レポート」づくりに通じることを期待しています。



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