見出し画像

NVIC "おおぶね" 月次レポートを読んで ー 2020年10月

毎月の更新がとっても楽しみな、農林中金バリューインベストメンツ #NVIC  さんの #おおぶね #おおぶねJAPAN #おおぶねグローバル  の月次レポートが公開されました!!!

おおぶね 月次レポート(2020年9月末版)

農林中金〈パートナーズ〉おおぶねJAPAN(日本選抜)

農林中金〈パートナーズ〉おおぶねグローバル(⻑期厳選)

おおぶねJAPAN、おおぶねグローバルのレポートは楽天証券のページからダウンロードしました。

今回は おおぶね からです。

おおぶね

今回のレポートで紹介されていた投資先は

Mettler Toredo #MTD  です。

産業用はかり及び計測機器のメーカーで、当該市場で高いプレゼンスを持つ企業です。

とレポートでは紹介されています。ファンドがスタートした第1期(2015年11月〜2017年2月)からの投資先です。

本社はオハイオ州のコロンバスだそうです。アメリカ横断ウルトラクイズのチェックポイントだった記憶。

今回のレポートは、このメトラートレドを題材に「イノベーション」について述べられています。

“イノベーション”は、企業にとって必ずしも良いことではない

イノベーションが起こり易い、イノベーションを競うセクターは序列が入れ替わり易く、長期投資としてどうなんやろか、という指摘です。

この産業用はかり、計測機器の分野は、そのニーズは高いにもかかわらず、イノベーションが相対的に起こりにくい、“イノベーションが起きにくい”財であると判断したとのことです。

2019年12月期のアニュアルレポート からです。

スクリーンショット 2020-10-17 7.07.52

スクリーンショット 2020-10-17 7.08.07

着実に成長していることが見て取れます。売上規模はUS$3,000百万ということで比較的小ぶり、かつ、ニッチな印象ですね。

直近の6ヶ月の業績です。

スクリーンショット 2020-10-17 7.13.44

レポートでも取り上げられていますが、前年同期比減収とはなっていますが、大きな落ち込みなく、収益性もしっかり確保できていますね。

メトラートレドは、提供する財は “イノベーション”が起きにくいのですが、それと対照的に事業の質を上げるための“変化”を起こし続けてきた 企業だと言えます。

事業に質の”変化”をNVICの皆さんがどうご覧になっているか、月次レポートでぜひご確認ください。

続いて、おおぶねJAPANです。

おおぶねJAPAN

今回のレポートで紹介されているのは #ハーモニックドライブシステムズ  です。

レポートで

「金属のたわみ」を利用したユニークな技術で産業機械の小型化・精密化を実現する減速機メーカー

と紹介されています。

産業付加価値、競争優位性について、NVICさんの評価が非常に詳しく説明されています。このレポートでは会社の「沿革」が掘り下げられています。この会社がこの事業に取り組むまでにどのような道のりを辿ってきたか、会社のルーツがどのように影響しているのか、が説明されているのが印象的です。

業績はレポートにも記載されていますが、トップラインがなかなかに激しく動きます。産業用ロボットの需要動向に振り回される感じでしょうか。

 #会計クイズ っぽく、P/Lを図解してみました。

ハーモニックドライブシステムズ_PL

販管費に占める固定費が非常に多いのでは、と想像します。

B/S です。

ハーモニックドライブシステムズ_BS

頑丈な印象ですが、固定資産が多めですね。

C/F です。

ハーモニックドライブシステムズ_CF

営業C/F はしっかりとプラス。積極的にその資金を投下している印象ですね。

短期での業績の変動が大きいことが確認できました。一方で、NVICさんは次のようにコメントされています。

⻑期投資という目線で企業を捉える時に重要なのは、1年後や2年後 の業績がどうなっているのかということではなく、10年後、20年後の世界で当社の製品が高い付加価値を提供し続けているか ということです。

10年後、20年後、付加価値を提供しうるか、しっかりと見守ってもらいたいと思います。

最後に、おおぶねグローバルです。

おおぶねグローバル

今回のレポートで紹介されているのは、スウェーデンの Atlas Copcoです。

産業用機械、コンプレッサーの名門企業(とのこと)です。

レポートで印象に残ったのは、その企業文化です。

更には、パフォーマンスを追求する企業文化が徹底されています。具体的には、Atlas社内には部門別等500 以上の損益計算書(P/L)が存在しており、担当者は目に見える形で成果を定量的に測定・評価されます。どれだけ行き渡っているかという と、何と売上が立たない投資家対応を行うIR担当者までもがP/Lを有している模様です(どういう損益計算書になっているかあまり想像出来ませんね)。一般的な会社では営業成績等が開示・比較され、セクショナリズム、足の引っ張り合い等、悪い競争 や文化を生み出す場合がありますが、Atlasではスタッフ間で助け合う精神が浸透しており、このような負の側面を回避しています。

実際どうなん?って思いました。負の側面を回避する具体策も紹介されていますので、月次レポートでご覧ください。

2020年1月−6月の業績 からです。

スクリーンショット 2020-10-17 8.50.15

今年は前年比落ちていますが、営業利益率が18.3%というのは、高い水準だと感じます。レポートで紹介されていたデータ活用で、さらに新しい付加価値をつくりだすことが期待できそうですね。


お恥ずかしい話ですが、今回取り上げた3社ともにほとんど予備知識を持っていない会社でした。名前は聞いたことあるけどね、という感じ。レポートを読んで、各社のWebサイトや業績を眺めてみて、色々と知ることができました。私は、この3つのファンドにお金を託しているので、NVICさんを介して、これらの会社にちょっぴりですが事業参画しているんですよね。これらの会社が顧客、さらには社会に価値を届けてくれるのをこれからも楽しみに、関心を持って見守りたいと思います。

NVIC "おおぶね" 月次レポートを読んで、次回をお楽しみに!

前回はこちらです。


サポート頂いた際は、TableforKidsへの寄付に使わせていただきます。 https://note.com/renny/n/n944cba12dcf5